JPEGイメージ-64499A0226B1-1

柔らかく明るい青梅のような〜埼玉県越生町〜

友人と主催している、地域と東京を人と食でつなぐイベント「風のしるし」。
7月は東京から電車で1時間半ほどの場所に位置する埼玉県越生町(おごせまち)にスポットをあてました。

まずは今回作ったお料理のご紹介

前菜
・越生美人の冷奴
こちら、今回の裏メインメニュー。”大豆工房みや”さんの豆乳と一緒に食べるお豆腐です。
まずはそのまま、次は伊豆大島のお塩で、そして弓削田醤油さんの生揚げ醤油で食べ比べをしていただきました。
・発芽大豆のマリネ
埼玉県の在来種の発芽大豆7種類を使ったマリネで、コリコリした食感が楽しい。
埼玉県で7種類も在来の大豆があるんですね。
・四月しろ菜のだしジュレがけ
埼玉県小川町で農業を営まれている横田農場さんからいただいた名残の四月しろ菜をおひたしにしました。
クセのない味わいがお出汁と相性ぴったり。だしジュレで見た目から涼しげに。
・油揚げの味噌焼き
みやさんの油揚げは質のいい菜種油を使用しているため、体に優しい味わい。
自家製の味噌で香ばしく焼き上げました。
(2年半ものの味噌と十五夜味噌を混ぜてみました)


・たっぷりおからサラダ
野菜がたっぷり食べられるおからサラダ。
おからが苦手な人も、みやさんのおからならもりもり食べられるという方が多いそうです。
紫水菜の色が綺麗なアクセントになりました。


・ちぢみ菜の旨辛炒め
横田農場さんのちぢみ菜は力強い味わい。
お肉などのタンパク質の味にも負けないような濃い旨味を感じます。
雨が続いていたので葉物は終わりかけていたようですが、ギリギリでいただけてラッキーでした!


・ソーセージと厚切りベーコンのグリル
日高市のサイボクさんのソーセージとベーコン。
サイボクさんでは牧場を持ち、豚の飼育から加工、販売まで全てを一貫して自分たちの手で行なっています。
ゴールデンポークという柔らかくコクのある肉質のブランド肉です。
お肉の登場で、参加者の方々のテンションが一気に上昇!


・4種古代米の塩むすび
・越生梅とみょうがのお吸い物
赤米、黒米、緑米、神丹穂(かんにほ)米という4種類の古代米を混ぜ込んで炊いたごはんを塩むすびに。
白米3:各古代米1の割合で混ぜて炊いてます。これも色がきれい!
お吸い物には越生の梅干を使い、夏らしい爽やかな味わいに。


・黒千石大豆
・ハブ茶
真っ黒な色が珍しい、黒千石大豆をきび糖だけで煮ました。甘さ控えめなのでお茶うけにぴったり。(ずっと食べていられる、と嬉しい感想頂きました)
香ばしく煎ったハブ茶と一緒お出ししました。


越生町・大豆工房みやさんのお豆腐について

「できるだけ化学的なものを使わない」という想いから、100%国産大豆使用・海水にがり製法・消泡剤不使用での豆腐づくりをされています。日本の豆腐のなんと95%が輸入大豆に頼っている中、みやさんでは大豆以外にもほぼ全ての材料を国産でまかなっています。

油揚げを揚げるための油も、自然の圧搾法で抽出した100%国産のなたね油。油抜きせずそのまま食べても、胃もたれや不快感とは無縁です。

化学合成された凝固剤を使用しないため、ロス率は3割ほどになることもあるそうで…
とても苦労されてますが、出来上がった豆腐を食べてみればその美味しさに必ず応援したくなるはずです。

みやさんから通販で購入したり、東京都内や埼玉県内でお取り扱いのある店舗がいくつかあるので、そこで手に入れることができます。


小川町・横田農場さんの野菜について

今回イベントで使用した以下の野菜・米・豆は、有機農業のメッカ埼玉県小川町の横田農場さんからいただきました。
・四月しろ菜
・ちぢみ菜
・紫水菜
・青山とげ太郎きゅうり
・玉ねぎ
・古代米4種(赤米、黒米、緑米、神丹穂米)
・黒千石大豆
・ハブ茶

横田農場さんでは無農薬・無化学肥料、有機栽培で野菜を作っていらっしゃいます。
また、ほとんどの野菜が在来種野菜で、種を採り、その種からまた作物を育てる、ということをされています。(通常スーパーで売っているような野菜はF1種といって、その一代だけで終わる野菜です。種を植えても育ちません。)
それぞれ、個性の強さを感じるお野菜が多かったです。美味しかった…。
みやさんと同じく、横田農場さんでも季節の野菜セットを通販で買うことができます。


オクムサ・マルシェ浅見さんについて

イベントではカフェオクムサ・マルシェオーナーの浅見敦さんに越生町についてのお話を伺いました。

https://okumusamarche.com

▲右奥がオクムサ・マルシェ浅見さん

浅見さんは越生町出身で、東京でデザイン関係の企業に勤めたあと越生町へUターンしてオクムサ・マルシェをオープン。

お店では越生町含む奥武蔵地域の食材を活かした薬膳ごはんやデザートを提供されているほか、地元でものづくりをしている方々の作品の紹介や販売も手がけています。

大豆工房みやさんや横田農場さんも、浅見さんからご紹介いただいて今回使用させて頂きました。

浅見さんは今何かと話題の多拠点居住(平日東京、週末越生)を経てのUターンだったそうで、その両立についてもお話を聞けました。
「独立したばかりの自分にアドバイスするとしたら何と言いますか?」という参加者さんからの質問に対しては
「収支計画をきちんとしなさいとアドバイスしますね」と柔らかな物腰で返答。

多拠点居住しながらの営業が2年、その後専業での営業になってから少し苦労したと話されていましたが、
専業になってから3年経っていらっしゃるとのことで、地元の方々だけでなく遠方からのお客様からも愛されていることがわかります。

都内在住の時には越生町出身であることをなんとなく隠していた、という浅見さんに対して
東京生まれ東京育ちの奥様、洋子さんが越生町を気に入ってUターンが早めに実現したという素敵なエピソードも。

浅見さんは優しい語り口で温かな雰囲気を持っていらっしゃって、越生で見た青梅の色の柔らかな明るさととてもリンクしているなあと感じます。

越生町と周辺の奥武蔵地域

今回イベントを実施して強く感じたのが、奥武蔵地域は食に対するこだわりの強い方々が集まっている地域なのだなということ。

越生町だけで言うと人口は1万2千人に満たないのですが、こんなにハイレベルな素材が集まっているとは驚きでした。

また、埼玉県は東京の隣ということでなんとなく近しいイメージを持っていたのですが、思った以上に広くて知らないことばかり。

実際に訪れてみた越生町は明るい緑に囲まれた、深呼吸したくなるようなとても気持ちのいい場所。関東三大梅林に選ばれるほど梅がたくさん植わっていて、私たちが行った時期はちょうど青梅がたくさん実をつけているタイミングでした。

9月には小川町の方でオーガニックフェスがあるようで、また訪れてみようと考えています。


この記事が参加している募集

イベントレポ

いただいたサポートはより良い記事を書くための試作費や取材費に充てさせていただきます。よろしくお願いします。