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〔1〕「社長の暴走を止めるのは君だ!COOよ、組織を守れ!!」

組織のトップに立つ社長の力強い決断は通常、
会社を前進させるエンジンとなりますが、
 
時に迷走して….
知り合いの社長やコンサルタントの話を鵜呑みにして…
読んだ自己啓発本に感化されて…
 
暴走する性質があります。
 
特に創業社長、起業家気質の方は、
『思い立ったら今すぐやりたい』
『ビジネスはスピードだ』

というタイプが多いので仕方がないと言えば
仕方がないのですが、
それに振舞わされてしまう社員にとっては迷惑な話ですよね。
 
大体の場合は、
スピードと称して
ただの行き当たりばったり
だから
困ったものです!!
 
社長の右腕と呼ばれる
COO(最高執行責任者)をはじめ、
管理職、現場のリーダーポジションの方は
 
『せっかく進めているプロジェクトが
形になってきたのに、
ここで社長の戯言に付き合って
新しいことに手をだしたら、
リソースが分散して、
どっちも失敗しちゃうよ…
また暴走かよ。勘弁してくれよ!』

 
と思ったことは
一度や二度では済まないでしょう笑
 
この暴走を止めるのは、
COOと呼ばれるナンバー2/右腕ポジションの仕事です!!

 
暴走を冷静に見極め、
必要な対応を速やかに行う責任があります。
 
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このnoteブログ「COOエクスペリエンス」では、
現役のCOO であり、
COOの育成〜教育研修をしている
実際の経験に基づいた内容になっています。
 
厄介なマネジメント問題に立ち向かうための
活きた現場の知恵や戦術を、
お伝えしているので、
フォローして頂けたら嬉しいです。
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早速、今日のテーマ本題に入っていきます。
 
COOは社長の言動と行動をパターン化し、
暴走前の初期兆候をいかにして識別し、
組織にとって最善の行動をとっていけば良いのか?


社長が暴走する前の初期兆候。

社長は、
強力なリーダーシップとビジョンで
会社を牽引していきますが、
時としてその情熱が暴走し、
組織にリスクをもたらすことは、
先ほどお伝えしました。
 
ここで重要な役割を果たすのがCOOです。
 
社長の行動が単なるリーダーシップの発揮なのか?
それとも、お得意の暴走の始まりなのか?

 
見極める必要があります。
 
あなたの社長が暴走する時には、
ある程度は決まったパターンがあるはずです。
思い出してみましょう。
 
暴走の初期兆候には、
どのようなものがあるのでしょうか?

 
ここでは一般的な例を紹介しておきます。
 
最も多いのは、
《意思決定が急激に一方的になり始める!》
 
協議や議論の余地を残さず、
社長自身の意見を押し通して、
[命令・通達]のように社員を強引に
動かそうとしている時は警戒が必要です。
 
次に、
《社内外からのフィードバックを受け入れなくなる!》
 
この傾向も、
暴走リスクのサインになります。
 
これには、顧客からの意見、市場の動向、
さらには役員・幹部だけではなく、
現場の社員からの懸念事項も含まれます。
 
続いて、
《社長が異例とも言えるような
大胆なプロジェクトを立ち上げようとする。

それに伴うリスクはどうするのか?」
と質問しても曖昧な返答しかしてくれない。

現実的なリソースやタスクについて質問しても
「それはお前達が考えてなんとかしろ」と言い出す》
 
業界の標準や過去のデータを無視して前進することは、
暴走の兆候としてわかりやすいですよね。
 
人望がない社長がやりがちです…
 
 
最後に抽象的な言い方になってしまいますが、
《社内の士気や職場の文化に悪影響を与えるような行動や決定が増えた》
 
これも
暴走のサインとして認識しましょう。
 
社長の決定が社員のモチベーション低下や
離職率の増加に直結している場合、
これはCOOが介入し、
状況を正すタイミングかもしれません。
 
これらの兆候を見極めるために、
COOは常に耳を傾け、社員の声に注意を払い、
各方面の動向に敏感である必要があります。
 
社長が暴走する兆候を捉えたら、
組織が崩壊する前に、
COOがそのバランスを取るのです。
 
実際に社長が暴走してしまうと、
組織が崩壊する可能性もゼロではありません。

 
その為には、
どのように社長に現実を伝えていくのか?
が重要になります。
 
つまり、
COOには必須のスキルとして
交渉術を磨く義務があります!

COOの交渉術

成功する組織のCOOは、
社長との橋渡し役を担い、
重要な意思決定においてバランスをとっています。
 
このデリケートな役割に交渉術は不可欠です。
 
COOが持つべき交渉術は、
ただ単に社長に「ノー」と言うことではありません。

 
相手の意見を尊重しつつ、
組織の利益を守り、
可能な限り最善の結果を引き出す交渉術が求められます。
 
まず重要なのは、
社長に対してもオープンマインドで臨むこと!
 
社長の意見や提案に耳を傾け、
理解を示すことで、信頼関係を築きます。
 
信頼があれば、
社長もCOOの提案に耳を傾ける可能性が高まります。
 
意外と思われるかもしれませんが、
”社長とCOO同士が対立構造”
になっている組織が本当に多い!!

 
社長がCOOのことを
ただのドリームキラーだと思っている。

そのような関係性では物事が上手く進みません。
 
このケースの場合は、
COOの方が折れなければダメです!

「どうせ、また変なこと言うから、
今回も社長を論破して否定して、
暴走を止めよう!」

というネガティブ前提で
対話をしてはいけません!

 
あくまでも
常にオープンマインドで対話しよう!!
と自分に言い聞かせて下さい。
 
そのうえで、
交渉においては、明確な目的と、
それを達成するための
論理的なアプローチが求められます。
 
ただ単に社長の言うことを
否定するだけなら一般社員でも出来ますからね…

COOという立場上、
社長が言い出したことを否定・止める場合は、
必ず納得出来る理由を伝える。
もしくは代替え案を提示しなければなりません!

 
社長を否定するなら、
社長が思いついたことを止めた方が
会社にメリットが多いことを伝える。

もしくは、
提案する代替え案が会社にとって、
どのような利益をもたらすか?
を示す交渉をするのが
組織を担うCOOの重要職務です。
最高執行責任者ですから。
 
交渉の際には、
事前に準備を怠らないことも重要です。
※突発的に呼ばれてしまい、
いきなり対話するシーンが多いのはわかっています。
だからこそ、常にシュミレーションを怠らず、
何を言われても良いように毎日、事前準備をし続けろ!
という話です。
 
その為にデータや事実は常に把握しておきましょう!
 
データや事実に基づいた提案は、
感情に流されることなく、
合理的な議論を進める助けとなります。
 
また、柔軟性を持ちつつも、
組織の核となる価値観や目標からは
ブレない姿勢を貫くことが重要です。
 
もちろん交渉は、
時には妥協ラインを設けなければ、
ただの言い合いになってしまいます。

 
だからこそ、
すべてを一度の交渉で達成しようとせず、
段階的に進めて行っても良い!

というマインドセットを持っておきましょう。
 
気持ちが楽になり、
最終的な目標に向けて着実に進むことが
可能になります。
 
交渉の結果については、
透明性を持って共有し、
全員が同じ方向を向いて進むことが出来たら
最高の組織ですよね。
  
優秀なCOOと呼ばれる人材は、
芸術の領域と言えるような
交渉力を持っています。

組織全体の調和と成長を促進し、
社長の暴走を止める為の、
繊細でありながらも
力強いコミュニケーションが出来るCOOは
何処の経営者も喉から手が出るほど欲しい人材でしょう。

組織内の同盟を形成する

経営陣内での同盟関係は、
社長の暴走に対抗する上で強力な戦略になります。
 
同盟は、個人の力を結集し、
一人では成し得ない成果を出すために必要なものです。
 
では、
どのようにしてCOOは組織内で同盟を築き、
暴走する社長に対処するのでしょうか?
 
まず、
COOは他の経営陣や幹部、
現場の役職者を中心に関係を深め、
信頼を築く努力をルーティンワーク
にしましょう。
 
これには、
定期的なミーティングや非公式な会話を通じて、
彼らの意見や懸念を共有することが含まれます。
 
互いに情報をオープンにすることで、
経営陣としての一体感を強化し、
共通の目標に向かって行動する基盤を作ることができます。
 
次に、
COOは社長の提案がもたらすリスクについて、
データと事実を元にした客観的な分析を提示し、
同盟を形成するメンバーに
その影響を理解してもらう必要があります。
 
この工程をいれるだけで、
同盟一丸となって行動することが可能になるので、
社長の暴走が止めやすくなります。

早い話が『根回し』です!
 
加えてCOOは
社長以外の主要なステークホルダーと
関係を築くことも重要になります。
 
彼らは組織の外からの目線で意見をしてくれます。
暴走する社長に対して、
クリティカルな意見を伝えてくれる存在です。

※関係を築いていないと、
社長の太鼓持ち的な動きをされて
厄介な存在になる為、
体制によりますが、
この作戦が諸刃の剣になってしまう
組織もあるかもしれません。
 
いずれにしても、
同盟を形成する際には、
共有の価値観や目標に基づいた行動が必要です。
 
COOは、
組織の中核をなす価値観や長期的なビジョンに基づいて、
同盟を結ぶメンバーと行動計画を策定し、
それを実行に移すリーダーシップを取っていきましょう。
 
組織内での同盟関係が単なる政治的なプレイではなく、
会社全体の利益を追求するためのものであることを
明確に伝え続けましょう!

※ここを伝えずに
「言わなくてもみんなわかってるはず…」
で進めてしまうと後々、
同盟メンバーの中で”欲に目が眩む奴”が現れて、
あなたを社長に売る可能性があり、
立場が危うくなります。

だからこそ、面倒くさがらずに、
「会社全体の利益を追求するもの。結果、社長も喜ぶことが前提〜」
同盟/行動だと言うのを伝え続けましょう!!

COOが果たすべきリーダーシップ

無事に社長の暴走を止めた。
もしくは暴走しちゃったけど、
被害が少ないうちに終息出来た。
 
この時、
COOのリーダーシップが
会社の方向性を決定づけることになります。
 
社長の暴走を止めた英雄になり、
信頼と尊敬が集まってくる
はずです。
 
COOは、
日常的なオペレーションを管理する以上の役割があるのです。
 
社長は、もっともらしい話だけを
偉そうに発言していればなんとか威厳は保てますが、
COOは社長の右腕として現場に出る機会が多い為、
背中を見られる機会が社長よりも圧倒的に多い。

ビジョンを定義し、組織文化を形作り、
チームを刺激し、目標を達成する姿を
背中で示さなければなりません。
 
社長とは、また違った
リーダーシップが求められるのです。
 
COOのリーダーシップは、
社員一人ひとりが持つ可能性を引き出し、
彼らが自身のキャリアと組織の将来に対して
肯定的な見方を持てるようにしましょう!
 
そのうえで、
COOは組織を成長させ続ける為に、
常に戦略的な思考で生活しなければなりません。
 
組織が直面する課題を乗り越えるための方針を示すとともに、
社員が自信を持って行動出来る環境も
作っていかなければなりません。
 
直面する課題は多岐にわたりますが、
COOが示すリーダーシップは、
会社を正しい方向へと導くための基盤となります。
 
力強く、思いやりをもって、
決断力を発揮することで、
会社は前進し続けることができるのです。
 
社長の暴走を止めるという困難な局面でも、
組織の未来を見据え、
冷静かつ効果的な判断/行動をとっていきましょう。
 
それが、
真のリーダーシップの証であり、
COOの存在意義なのです。
企業のバランスを取りながら、
絶えず舵取りをしていきましょう!
 
今日のnoteがCOOや経営者、リーダー達が
職務を果たすために少しでもお役に立てたら幸いです。
 
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実践的なノウハウをまとめています。

ぜひご自身の経験と結びつけてご活用ください。
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会社が立ち上がるのはCEOの力ですが、
その後、会社が伸びるかどうかはCOO次第です!
 
みんなの為に人柱になってあげて下さい。
職場の平和のために〜犠牲になるのがCOO /ナンバー2の役目です笑

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