解法のMethod

「数学」では、与えられた問題を解けたときの高揚感が、次への源泉となります。 解を求める…

解法のMethod

「数学」では、与えられた問題を解けたときの高揚感が、次への源泉となります。 解を求めるための「解法」は、様々なアプローチの中から選択し、組み合わせて生まれるのです。 解法へのアプローチを「Method」として、解説していきましょう。

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【数列】漸化式〈4型〉 特性方程式

「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 漸化式の「基本4型」をまず整理しましょう。 〈4型〉 a[n+1]=p*a[n]+q ・qが無ければ等比数列。pが無ければ等差数列。 ・残念ながら、そのどちらでもない。 [Method] これは、最も多く出題される型でしょう。漸化式の代名詞的な存在で、a[n+1]とa[n]を仮にαとおく「特性方程式」を用います。 a[n+1]とa[n]を同じ値におくことは、違和感を感じる学生も多いと思いますが、変形のために利用す

    • 高校数学【確率分布・正規分布】〈6〉 正規分布

       「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。 新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。  では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。  ここからは、分布とその性質です。まずは、〈正規分布〉です。 〈正規分布〉 ・反復試行・検査では、「二項分布」となることは前節で学びました。 十分大きな回数を繰り返すと、事象の起こる確率と起こらない確率(排反事象)がどんどん等しくなっていきます。つまり、平均値を中心・ピークとして

      • 高校数学【確率分布・正規分布】 〈5〉 二項分布

         「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。 新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。  では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。  ここからは、分布とその性質です。まずは、〈二項分布〉です。 〈二項分布〉 ・これまで学んできた通り、「確率分布」を作るところからが始まりでした。ただ、例えば、袋の中から玉を取り出し、また戻すといった反復試行では、事象の起こる確率をp、回数を n回とすると、  P(x) = nC

        • 高校数学【確率分布・正規分布】 〈4〉 標準偏差

           「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。 新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。  では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。  次は、序盤最後になる〈標準偏差〉です。 〈確率分布〉→〈平均値〉→〈分散〉→〈標準偏差〉 =σ(x) ・例えば、文章題で事象によっては、本、cmとか、単位が付くことがあるよね。「分散」には単位が付けませんが、「標準偏差」には単位を付けて答えます。 ・標準偏差 σ(x) = √V

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          高校数学【確率分布・正規分布】 〈3〉 分散

           「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。 新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。  では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。  次は、〈分散〉です。 〈確率分布〉→〈平均値〉→〈分散〉 =V(x) ・「分散」とは事象に該当する対象の散らばり具合を表す数値です。平均値の近くに集まっているかどうかを数値化します。大きければ散らばっていて、小さければ平均値の近くにまとまっているというイメージです。 ・ところが

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          高校数学【確率分布・正規分布】 〈2〉 平均値

           「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。 新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。  では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。  次は、〈平均値〉=〈期待値〉です。 〈確率分布〉→〈平均値〉=〈期待値〉 =m =E(x) ・「平均」が一般的ですよね。数学では、「平均値」と名付けられています。「事象が起こる割合=確率=期待が、だいたい平均的にこれくらい」 という値です。 ・例えば、サイコロを振った時に出る目

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          高校数学【確率分布・正規分布】 〈1〉 確率分布

           「数学B」分野のうち、【統計】分野について解説します。 新課程では必須の学習内容ですが、まだまだ高校での指導方法が確立していないんだよね。  では、端的に、わかりやすく、解説していきましょう。 まずは、〈確率分布〉です。 〈確率分布〉 ターゲットになる事象とその確率の「表」 「確率分布」と名付けられてはいますが、「広がりのある分布」ではなくて、「表」のイメージで良いと思います。まずは、「表」を完成していきましょう。 [解法] ① 点数だったり、回数だったり、問題には、

          高校数学【確率分布・正規分布】 〈1〉 確率分布

          【数列】漸化式〈2型〉 等比数列

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 漸化式の「基本4型」をまず整理しましょう。 〈2型〉 a[n+1]=r * a[n]  これも基本で、一見で「等比数列」に見えて欲しい型です。 [Method] 「一見で等比数列」 ・前の項にrをかけると、次の項になる。 連続する2項の比が一定なので、公比rの「等比数列」ですね。 [解法] a[1]=aとすると、公式から、 a[n]=a*r^(n-1)

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          【数列】漸化式〈9型〉 番号を合わせる

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。ここからは、全14型を順に取り上げて行きましょう。ただし、全ての型は、「基本4型」を用いて解いて行きますので、まずは、「基本4型」のマスターから。 〈9型〉 番号を合わせる・n*a[n]、(n+1)*a[n+1]の整式 ・a[n]/n、a[n+1]/(n+1)の整式 [解法] 1)n(n+1)で割ったり、かけたりして番号と係数等を合わせていく 2)番号が揃えば、その後の解法は、「基本4型」を利用することが多い。

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          【数列】漸化式〈8型〉 S[n]→a[n]

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。ここからは、全14型を順に取り上げて行きましょう。ただし、全ての型は、「基本4型」を用いて解いて行きますので、まずは、「基本4型」のマスターから。 〈8型〉 S[n]→a[n]・S[n]=‥‥の型をしていて、a[n]などで表されている整式 ・漸化式の条件である、a[1]=a の記述がないのが特徴 [Method]  S[n]とは、初項から第n項までの和を表します。  漸化式は、基本的に「初項」と「隣接2項間a[n+

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          【数列】漸化式〈7型〉 q^(n+1)で割る

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 ここからは、全14型を順に取り上げて行きましょう。ただし、全ての型は、「基本4型」を用いて解いて行きますので、まずは、「基本4型」のマスターから。 〈7型〉 q^(n+1)で割る 例)a[n+1]=p*a[n]+q^(n+1) ・右辺の末尾に指数q^(n+1)がある型です。 [Method] 漸化式の右辺の末尾に、(n+1)乗、n乗などの指数があるとこの型になります。 左辺がa[n+1]であることから、(n+1)

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          【数列】漸化式〈6型〉 逆数→特性方程式

           「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 ここからは、基本4型を使いながら、全14型を順に取り上げて行きましょう。 〈6型〉逆数をとる→特性方程式 a[n+1]=a[n]/( p*a[n]+q)、a[1]=a ・a[n]が単独で分子にあり、分母がa[n]の一次式になっている型です。 ・分母の最後が1ではないqであるとき、「特性方程式の解法」になります。 [Method]  漸化式の右辺が分数になっていて、「a[n]が分子に独りぼっち」なときは、この型で

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          【数列】漸化式〈5型〉 逆数→等差数列

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 ここからは、全14型を順に取り上げて行きましょう。 ただし、全ての型は、「基本4型」を用いて解いて行きますので、まずは、「基本4型」のマスターから。 〈5型〉逆数をとる→等差数列 a[n+1]=a[n]/( p*a[n]+1)、a[1]=a ・a[n]が単独で分子にあり、分母がa[n]の一次式になっている型です。 ・分母の最後が1であるため、「等差数列」に帰着します。 ・例題のように、分子の係数と分母の定数が同

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          【数列】漸化式〈3型〉 階差数列

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 漸化式の「基本4型」をまず整理しましょう。 〈3型〉 a[n+1]=a[n]+b[n] または a[n+1]-a[n]=b[n]  nが複数含まれていて、わかり難い型です。 ・連続する項の差がb[n]である。 階差がnの式、つまり、数列を成しているので、階差数列が{b[n]}であると考えます。 よって、解法は「階差数列」ですね。 [Method] 階差数列は、よく出題されるのですが、なかなか習熟が進まない型です。

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          【数列】漸化式〈1型〉 等差数列

          「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。 漸化式の「基本4型」をまず整理しましょう。 〈1型〉 a[n+1]=a[n]+d または a[n+1]-a[n]=d  これは、一見で「等差数列」に見えて欲しい型です。 [Method] 「一見で等差数列!」 ・前の項にdを足すと、次の項になる。つまり、dが公差ですね。 ・連続する項の差がdである。 いずれかの視点で連続する2項の関係を見抜いてほしいです。 2項の差が一定なので、公差dの「等差数列」ですね。

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