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【地域で輝く学生vol.14】兵庫県立大学 SDGsの達成に向けた地域連携と食育の理解・実践

 兵庫県立大学は、SDGsの実現に資する人材、すなわち「豊かな人間性、公共の精神、課題探求能力、グローバル・リテラシーを備え、地域や国際社会で活躍できる創造力と自立性を有する人材」の育成に努めています。
 そんな中、環境人間学部で行われている地域連携活動の一部を紹介します。

地域の産物、日本の文化を守るために~米の栽培からお酒造りまで~

 日本酒は、日本独自の発酵技術の集大成ともいえる高度な技術を用いて作られます。兵庫県は日本酒の生産量日本一であり、酒造好適米の栽培地としても日本一ですが、近年日本酒の国内出荷量が減少傾向にあったところ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により大きく減少してしまいました。地域の産物を守りひいては日本の文化を守ることにつなげるために、学生たちが田植え、稲刈りから日本酒づくりまでに取り組みました。学生が製造に関わった大学ブランド日本酒「う米ぜ!2023」は、茨木酒造や大学生協等の店舗で販売予定です。

田植えの様子
稲刈りの様子
酒仕込みの様子

棚田保全を通じた地域活性化

 棚田は平地の水田に比べて米生産機能が低く、農村の高齢化に伴う労働力不足などの影響で年々放棄されています。棚田保全プロジェクトとして棚田を守る活動を進めるNPO法人「棚田LOVER’s」(代表:永菅裕一氏)の活動に参加して、水田でのマコモダケの収穫等を行いました。マコモダケは、マコモ(Zizania latifolia、イネ科マコモ属の多年草)の新芽が黒穂菌(Ustilago esculenta)に寄生されて肥大したものです。炒め物などに利用でき、新たな地域の産品となりうるため、機能性など研究面でも検討を進めています。藁で綱作りも行いました。棚田の置かれた状況を現地で体験しつつ、楽しみながらも環境保全および農村地域の活性化などを真摯に考えるとても良い機会となりました。

マコモダケの収穫

地域の農産物の栽培の現状と環境と食

 兵庫の在来種を保存する活動を行っている「ひょうごの在来種保存会」の皆さんのご協力のもと、農産物および農産物の栽培の現状を知り、体験を通じて環境と食について学びました。地域で受け継がれてきた野菜としてユウガオ(関東の品種とは異なる洋ナシ形ユウガオ)をキャンパス内の畑で栽培し、かんぴょうに加工して、地域の野菜や食文化について考える機会としました。「貴重な地域の農産物を絶やさないために、後世に繋いで絶やさないようにする必要があると改めて感じた。そのために自分ができることは何か考え、行動したい」という感想が聞かれました。

ユウガオの植え付け
収穫したユウガオの実

 そのほかにもさまざまな地域活動を通して、SDGsの達成に向けた地域連携と食育の理解・実践を行っています。

ひも状に加工したユウガオの実を干して、干しかんぴょうに

寄稿・お問い合わせ先:
兵庫県立大学 教育企画部教育企画課 078-794-6647