J2(J3)降格って、ビジネス的にもまずいの?

本日で明治安田生命Jリーグの全日程を終えた。

J1では川崎フロンターレの2連覇やJ2では12年振りに京都サンガがJ1昇格を果たした。

新型コロナウイルスの影響を感じさせない、盛り上がりを見せたシーズンであった。


一方で当然降格するクラブも存在する。

今年は、4クラブがJ1からJ2へ、J2からJ3へ降格をした。

「降格」

ファンからしたら、最も避けたいことである。

応援するクラブは常に高いレベルで戦って欲しい。


しかしふと思った。

「降格」ってビジネス的にもまずいのか?

なんとなく悪い影響がありそうなのはわかるが、実際に数字上で、影響があるのかは意外と知らない。


そこで、「降格」が収益にどれだけ影響を与えるのか調べてみた。


直近2シーズンは、新型コロナウイルスの影響を受けているので、その前の2018年シーズンに降格したチームの2018年と2019年の比較を行った。

(*Jクラブ個別経営情報開示資料2018年、2019年参照)


Jリーグクラブの収益の柱は3つ。
①Jリーグ配分金(放映権料など)
②入場料収入
③スポンサー収入

この3つの収益を比較してみたい。


まず2018年シーズンにJ1からJ2に降格したクラブは柏レイソルとV・ファーレン長崎。

◼️柏レイソル 

①Jリーグ配分金(放映権料など)
 2018年:7.08億円
 2019年:2.08億円
 増減:マイナス5憶円

②入場料収入
 2018年:4.49億円
 2019年:4.14億円
 増減:マイナス0.35億円

③スポンサー収入
 2018年:19.68億円
 2019年:22.06億円
 増減:プラス2.38億円

◼️V・ファーレン長崎

①Jリーグ配分金(放映権料など)
 2018年:3.63億円
 2019年:2.77億円
 増減:マイナス0.86億円

②入場料収入
 2018年:4.07億円
 2019年:2.57億円
 増減:マイナス1.5億円

③スポンサー収入
 2018年:11.83億円
 2019年:15.57億円
 増減:プラス3.74億円


2クラブともJリーグ配分金と入場料収入は減少

スポンサー収入が増えているのは、スポンサー契約が長期に渡る契約であったり、シーズンが終わる前に来期の契約を結ぶケースが多い為、降格の影響を翌年は受けないのかもしれない。

また2クラブともに大企業がスポンサーについている為、他クラブの場合は状況が変わってくるだろう。


続いてJ2からJ3へ降格したクラブはロアッソ熊本とカマタマーレ讃岐。

◼️ロアッソ熊本

①Jリーグ配分金(放映権料など)
 2018年:1.6億円
 2019年:1.28億円
 増減:マイナス0.32億円

②入場料収入
 2018年:1.06億円
 2019年:0.83億円
 増減:マイナス0.23億円

③スポンサー収入
 2018年:4.31億円
 2019年:3.66億円
 増減:マイナス0.65億円

◼️カマタマーレ讃岐

①Jリーグ配分金(放映権料など)
 2018年:1.47億円
 2019年:1.17億円
 増減:マイナス0.3億円

②入場料収入
 2018年:0.74億円
 2019年:0.45億円
 増減:マイナス0.29億円

③スポンサー収入
 2018年:2.68億円
 2019年:2.41億円
 増減:マイナス0.27億円


こちらの2クラブは見事にJリーグ配分金、入場料収入、スポンサー収入の3本柱全てで減少。



このように、「降格」はビジネス面でも悪い影響を与えているのだ。


柏レイソル、V・ファーレン長崎はスポンサー費用は増えていたものの、あくまでも翌年には1年でJ1に昇格することを期待してのことだろう。

万が一、数年間下のカテゴリーに居続けることになれば、スポンサー費用の減少も免れない。


昇格・降格は経営陣にとっても大事な問題なのであった。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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