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つまり、「そのまんま」で良かったのだ

何かを克服するのをやめた。

「至らない」という世界に住んでいたときは、

「克服する」ことが美徳だった。

人望が無い自分ではいけないと

イベントを主催して人を集めたり、

いかにもかっこいい大人を演じたりした。

苦手な人がいるのは

自分の考え方未熟だからだと、

自己啓発セミナーに通った。

だけれども、

苦手な人は苦手なままで、

一人でいたいスタンスが変わることもなかった。

“フリ”をしたところで、

一体「大人」とはどんな人なのかますます見えなくなった。

分かり合えない人とは分かり合えないままだし、

無理に近づいても健康を害すだけだった。

「話せば分かる」はイリュージョンだった。

そこで、

苦手を克服し、

大人を目指し、

強い人間になるのをやめた。

今の私は、

大人でもないし、

苦手なものだらけだし、

貧弱だ。

これは、

何かを克服しようと努力をし始める前の自分と、

全く変わらない。

全く同じなのだ。

努力してよかったことは、

「変わらない」ということが分かったことだ。

つまり、

そのまんまで良かったのだ。



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