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ひとに頼る練習

一人で何でもできる時期は、

人に何かを頼ることを

なんだか恥だと感じたり、

面倒だから自分でやった方が早いと思ったりする。


実際、

小さな子供のころを過ぎれば、

たいがいの事は一人でやっていけるようになる。

人生の大半は、

「自分のことくらいは自分でまかなえる時代」だと言える。


しっかりした人なら

死ぬまで自分の身の回りのことを

こなす人だっている。


そうなると、

ひとに頼るほうが

練習がいる。


自分でできることをわざわざ人に

お願いするのだ。


なんのためか。


一人でやっていたことを

二人でやると、

思った以上に大きな結果になるということを

体験するためだ。


例えば

一人で考えて何かを作るよりも、

二人で知恵を持ち寄って作り上げたほうが

盲点を補い合うことができるので、

さらに精度が上がる。


一人でできても、

そこには死角と盲点がいっぱいなのだ。


単体で完ぺきといえるほど、

人間は精巧にはできていないのかもしれない。



ひとに頼る練習をしたほうがいい理由はもう一つある。


人生は、

「上り坂、下り坂、まさか」

に満ちていて、


思ってもいない出来事が急に起こることがある。


例えば私の場合は、


母が急に認知症になり、

多くの人の手助けが必要になった。


自分一人では

まったくらちが明かず、

色んな人に頭を下げて

自分ができないことを頼んで回った。


ここまで

自分を無力と感じたことはなかったが、

そこで初めて

人に頼る感覚をつかんだ気がした。


それまでは、

どちらかというと

周りを突っぱねて、

孤高の人を気取っていた節があった。


おかげでずい分と頼み下手になってしまい、

本当に協力が必要な時に

うろたえるしかなかった。


自分でできることも、

わざわざ人に頼ってみる。


人に頼る練習は、

日頃からしておいたほうがいい。




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