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コンシーラーの私

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2019年11月の記事一覧

コンシーラの私(第六章)

コンシーラの私(第六章)

クラブチーム

私は、高校時代の部活にフットボールを選んだ。ちょうど、なでしこジャパンが、
世界一を獲った頃だったから、勢いで入部してしまった。チームメイトから瑠璃は
最高の天才ドリブラーになれるとか言われて、ポジションは、攻撃的ミッドフィルダーとして活躍した。チームも結構強くなって、全国大会まで出たから、大学では、もうフットボールはいいかなと思っていた。

だけど、インスタで見つけた、アジア系イ

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コンシーラの私(第五章)

コンシーラの私(第五章)

あるバイト

大学も落ち着いてきて、時間もできてきた。ショッピングをしていると、あるセレクトショップで見つけた、手作りのコートが目に飛び込んできた。「これ、欲しい。」

刺繍もちゃんとしてあって、ウール100%のコート。コートから温もりを感じた。でも、値段が10万円。さすがにお父さんやお母さんにおねだりできる価格ではない。それだったら、バイトを始めよう。わたしは、昔から人見知りだったから、うまく人

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コンシーラの私(第四章)

コンシーラの私(第四章)

英語レッスン

大学に行きつつも、なにかまなぼうと思って、英会話教室に通うことにした。家から電車で20分の都会にも出れるし、帰りに好きな、ケーキ屋さんでケーキとお茶もすることができるし、海外のファーストファッション巡りだってできるから、都合が良かった。

英会話教室は、いわゆる大手のところを選んだ。入る前に受けた英会話能力は普通より下。外国人を目の前にすると、映画で観ていた大好きな俳優さんたちのよ

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コンシーラの私(第三章)

コンシーラの私(第三章)

第三章 まなび

大学での勉強はというと、一年のときから、知り合いになった教授のもとで、簡単なレポートを作成して、プレゼンテーションをしていた。教授は、北欧で博士号を取得したためか、私からみて、頭のやわらかい人のように思えた。教授の授業は、
まず、自分で課題を考え出さないといけない。

教授は、いつも自分で物事を判断するように言っていた。「IKEAを見てみるとわかるだろう?自分の空間をいかに住みや

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コンシーラの私(第二章)

コンシーラの私(第二章)

第二章 新感覚旅行

大学生活は楽しくもあり、辛くもあった。毎日、高校の定義された勉強じゃなくて、役に立つ新しい知識が増えていくし、新しい目標を持って、自分が大人になっていくことを少しづつ感じることができたから、楽しかった。だけど、大人になるということは「大学のあと、どうするの?」と漠然だけど、襲い掛かってくる社会の大海原と対峙する恐怖感が襲い掛かってくる。焦りとどうしていいかわからない、わだかま

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