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コンシーラの私(第三章)

第三章 まなび

大学での勉強はというと、一年のときから、知り合いになった教授のもとで、簡単なレポートを作成して、プレゼンテーションをしていた。教授は、北欧で博士号を取得したためか、私からみて、頭のやわらかい人のように思えた。教授の授業は、
まず、自分で課題を考え出さないといけない。

教授は、いつも自分で物事を判断するように言っていた。「IKEAを見てみるとわかるだろう?自分の空間をいかに住みやすくするかよく考えている。北欧の冬は本当に寒い。だから、考える時間が多いんだよ。」

「自分の空間をいかに心地のよいものにするか、試行錯誤を繰り返す。最終的には、温かみのある家具や小物が出来上がる。だから、自分で考えることを繰り返すことは、最終的に、自分を守るためなんだ。」そう言われ続けた。

だから、私は私なりになりたい自分を追い求めだした。社会でいかに共生していけるのだろうか。そんなことをおぼろげながら考えながら、レポートをこなしていた。何枚かレポートを作成していくうちに考えることの楽しさを見つけた。「どうして?街にはタピオカドリンク屋さんがあふれだしたの?」「それはね、日本にはお茶屋さんがコーヒーショップだけで、お菓子のようなタピオカドリンクはなかったからだよ。」

そんな風に課題を見つけては、自分で答えを見つけようとしていた。

見えない大海原も、いずれその謎が解けていくんじゃないか?そんな期待を持って、なまびを続けた。

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