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ことのはいけばな’22

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文藻の琳派たれ!7年を経てこの言葉に出会った。花立てるように歌も立てたい。 花と歌を同時に活ける。ローカル72候マラソン。 *歌つくり人の皮脱ぎほう法華虚
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2022年3月の記事一覧

ことのはいけばな’22 春分 第12候『雷乃発声』

ことのはいけばな’22 春分 第12候『雷乃発声』

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

【蕾】…「蕾」という漢字。「雷」が入っておる。

*紫の雷鳴とよもす蕾かな咲きいづる音遠雷に似て
        
*むらさきの雷鳴とよもす蕾かな花咲きいづる遠き闇より

*さくら花暗やみ裂いて石群れのかみなりの春呼び交わす聲

*でんでんと裂ける十字のひしめきて花ひらくとき虹彩

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ことのはいけばな’22 春分 第11候『桜始開(さくら はじめて ひらく)』 3・26〜

ことのはいけばな’22 春分 第11候『桜始開(さくら はじめて ひらく)』 3・26〜

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

ビルの間に狂えるほどに咲くさくら大き墓場の谷に住むひと

谷底の狭い空埋め咲ききそう光透かして青さ映して

ことのはいけばな’22 春分 第10候『雀始巣』3・21〜 

ことのはいけばな’22 春分 第10候『雀始巣』3・21〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

稲村ヶ崎のお庭にて

ことのはいけばな’22 啓蟄 第9候『菜虫化蝶』3・15〜 

ことのはいけばな’22 啓蟄 第9候『菜虫化蝶』3・15〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

 春の海が見たくなった。最近読んだ岡野弘彦『伊勢国魂を求めて旅した人々』や、渡部泰明『和歌とは何か』、中沢新一『虎山に入る』などからさまざまな影響を受けたから。

 山ねむる山のふもとに海ねむる
 かなしき春の國を旅ゆく(牧水)

 3・11からの動揺は春がやってくるたびで、風土

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ことのはいけばな’22 啓蟄 第8候 『桃始笑』3/10ー 

ことのはいけばな’22 啓蟄 第8候 『桃始笑』3/10ー 

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

11年目の3.11がやってくる。

暴力と殺戮も無くならない。
戦争はしませんという誓いを揺るぎないものに。

それにしても、だましだまし各地に造られた原発はいかにも脆そうで、
この弓形の列島は腫れ物のようにされている。四つのプレートに挟まれたあまりに危うき列島。

啓蟄の次候は「

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ことのはいけばな’22  雨水 第6候 『草木萌動』2/28〜 

ことのはいけばな’22 雨水 第6候 『草木萌動』2/28〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

赤坂氷川神社花活け教室「はなのみち」第5季も最終回。タイトルは「紅匂う」とした。
修了生みんなと、この季最後の「めぐり花」。3色の菱餅に因んだ器には、桃、雪柳、菜の花、ラナンキュラス。

ことのはいけばな’22  啓蟄 第7候 『蟄虫戸啓』3/6ー 

ことのはいけばな’22 啓蟄 第7候 『蟄虫戸啓』3/6ー 

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

【ひとまわりちがいの弟】

啓蟄の日に生まれたる弟の背を向け去りぬ泣きべそ隠し

年ゆかぬ弟一人旅をしてホームに落ちしみやげ拾えず

ひとまわり年のちがいし弟の光冠の年に指輪を交わす

【となりでねむるきみ】
セミダブル真ん中で寝るさすが黄身
蝉W真夜中眠子の春のこえ
semi ダ

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ことのはいけばな’22  雨水 第4候 『土脉潤起』2/19〜 

ことのはいけばな’22 雨水 第4候 『土脉潤起』2/19〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

樹々の芽の薄目開けおり春一番真夜中吹ける虎落笛かも

夜の息激しく聞ゆ春一番椹葉こすれ潮の香の飛ぶ

鱗葉の千ゞ石の浪の虎落笛鼓膜のふるえ昏き海みつ

先駆けて土中を奔る春一番芒の牙の紅染めるなり

ことのはいけばな’22  雨水 第5候 『霞始靆』2/24〜 

ことのはいけばな’22 雨水 第5候 『霞始靆』2/24〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字他の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

‘22/2/26 編集工学研究所本楼 惜門会にて 
「送る」は「贈る」、きっといつかどこかでまためぐりあう。花はそのしるし。
心のかわり。かわるがわるで花を翳してマダムを偲ぶ。 

(写真;木藤良沢さん)

ことのはいけばな’22 立春 第3候 『魚氷上(うおこおりをのぼる)』2/14〜 

ことのはいけばな’22 立春 第3候 『魚氷上(うおこおりをのぼる)』2/14〜 

花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。はなとことばを立てて相互記譜。七十二候のことのはとはなの旅。

*春こがね花の粉落ちてさんさんとオフィスは日曜誰もいません

*人知れず豪奢に果つる山ぐみの花誇らしく土に紛れる

*雨ゆきに花粉まじりて春 こがね

*チカチカと山茱萸の花はじけ舞ふ街の霞に花粉まざりて

*満月の珊瑚のごとし山茱萸の春日に爆ぜし花の粉ただよふ

*夕まぐれ赤いつ

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