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まなかい ローカル72候マラソン

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まなかい… 行きかいの風景を24節気72候を手すりに 放してしるべとします。                                        万葉集        …
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2020年7月の記事一覧

小暑;第33候・鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)

小暑;第33候・鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)

夏の土用に入った 

そして今日は水無月の新月 朔 

太陽系全体で見れば 地球が土星と結んでいるらしい

かなり「土」である

人を意味する”homo”はラテン語の”humus”からきているという 土という意味だ 聖書でもアダムは土から神によって作られたとされる”human”も“home”も同じ語根だとされている

ということは

“stay home”の”home”は 家でもあるが、故郷、もっ

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小暑;第31候・温風至(あつかぜいたる)

小暑;第31候・温風至(あつかぜいたる)

都心の氏神様の杜で蝉の声をこの夏初めて聴いた 境内の小さな畑では藍が青の滲んだ緑濃い葉を広げてきた 

月桃の花も咲いた

この日はまっすぐ南下し 三浦半島へ向かった お庭の現場の下見

今まで馴染みがなかった土地だけど

「半島」という響き 海に迫り出しているというだけで魅力的だ

しかも地質学的にかなりユニークな土地 何十億年も前に差し込まれたフィリピン海プレートと太平洋プレートによる鬩ぎ合い

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小暑;第32候・蓮始開(はすはじめてひらく)

小暑;第32候・蓮始開(はすはじめてひらく)

鎌倉地方での仕事の合間、ちょっと余裕ができたので思い立って、、、いや何を思ったか覚園寺へ。その名前しか咄嗟に出てこなかった不思議。

どうしてこの日この時間にこの場所だったのか。

僕はほぼ一人で仏様やこのお山と向き合った。

仏様の多くは蓮台座つまり蓮の花の䑓にお座りになっている。この世で得業を積み、清らかな心で成仏すると極楽の蓮華の上に転生化生するという。

このイメージはあまりに美しい。

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夏至;第30候・半夏生(はんげしょうず)

夏至;第30候・半夏生(はんげしょうず)

夏至の三つの候は、薬効の高い薬の植物ばかり。

「乃東枯」「文目華」そして「半夏生」。

次候の「文目華(あやめはなさく)」のアヤメにサトイモ科のニオイショウブも含めているだろうと考えればだけど、とはいえ目でみて美しいとか、何か心地よさを感じるとしたらそれだけでもう薬だろう。そうするともう全て自然界には薬でないものはないということになる。

この時期までに田植えは終わらせておかないと収穫は期待でき

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夏至;第29候・菖蒲華(あやめはなさく)

夏至;第29候・菖蒲華(あやめはなさく)

ノハナショウブ。

江戸時代に伊勢系、江戸系、肥後系など、たくさんの品種が作出されることになる日本に自生する花菖蒲の親。カキツバタや陸生のアヤメはむしろその野性味が尊ばれたのか、変わり種が少ない。ハナショウブの園芸品種の多さは別格だ。

アヤメの仲間はどれも万緑に紫が映え、五月雨の露に色っぽくもある。葉の形は刀に見立てられるように、空を指す様子が凛々しい。

田んぼを作るような湿地にかつてはたくさ

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