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人が”たまる”ための条件(その4)


「たまり場」とは何か。

そして「たまる」とは何か。

そのことについて様々な検討を加えてきました。中でも前回は、たまり場とたまり空間の関係性について書きました。


たまり場・・・・人がつい集まってしまう物理的な場のこと
(場所に重きをおいている。移動できない。)


たまり空間・・・人が集まることによって生成される空間のこと
(人に重きをおいている。移動できる。)

みんなが一般的にたまり場って呼んでいるものも、実は2つに分けてしまった方が考えやすいのでは?という思いから書いてみました。


そして今日は、”たまり空間”について書いてみたいと思います。


目次
・ただの集団が”たまり空間”へと変わるための条件
・あなたが居る空間が”たまり空間”かどうかを調べるたった一つの方法
・まとめ


ただの集団が”たまり空間”へと変わるための条件


たまり空間(たまり空間の説明についてはこちらから)は、人々が集まることによって作られる空間です。
しかし、単に集まっているだけではたまり空間は生成されません。


人が集まっていても、周りが初対面ばかりだと、どうしても緊張してしまうものです。これは”たまっている”とは言えません。



私はこれまで”たまる”ということは、意図せずそこに留まってしまうことであると述べてきました。その時の心理状態は、その空間にいること自体がとても心地よい、ということです。


では、こうしたたまり空間はどのようにして生成されるのでしょうか。



私が思う”たまり空間が生成されるための条件”は大きく2つです。

・そこに集まっているメンバー全員の性格がわかっている
・メンバーがお互いのことを信頼している


そこに集まっているメンバー全員の性格がわかっている

例えば、絵画教室や英会話教室など初めて行くイベントや教室というのは、どうしても緊張してしまいます。

「何を話せばいいの…」
「わからない所あるけど、となりの人に聞いていいのかな…」


こうした場面は、イベントや教室の雰囲気ばかり気をとられ、誰かに話しかけられるのを待ってしまう、受け身の姿勢になってしまいます。このような空間では、心から落ち着くことはできません。自分自身が心地よいと感じるためには、そこに集まっている他のメンバーの性格や”空間のノリ”を知っておくことは必須です。


メンバーがお互いのことを信頼している

よく理想の異性として挙げられる
「お互い別々のことをしていても気にならない人」

これは、たまり空間においても重要なことです。「そこにいても気にならない」というのは、「いてもいなくても気にならない」という意味ではありません。

相手がそこにいることで、「ここで作業したら怒るかなぁ?」とか「私といるの楽しくないのかな」といった相手への気遣いをあえてしなくてもよい人のことを指します。これらは、お互いのことを信頼していなければ成立しません。

そのため、心地が良くなるためにはお互いのことを信頼している、ということが前提となります。


この2つの大きな条件を満たしていれば、集団が単に集まっているだけでなく、たまり空間ができる可能性はあります。裏を返せば、集団が単に集まっている状態というのは、潜在的にもそこに緊張関係が存在している、ということになるのかもしれません。



あなたが居る空間が”たまり空間”かどうかを調べるたった一つの方法


あなたがカフェで友人とコーヒーを飲んでいたとして、その空間が”たまり空間”かどうか、というのはなかなか判断がつきにくいと思います。

(私もよく、「ここに私が居なくてもいいのでは?」と思うことがあります。笑)


しかし、その空間が私にとって最適なたまり空間かを簡単に判断する方法が1つあります。


それは、



ふと時計を見たとき、「あら、もうこんな時間」と思ったかどうかです。



たまり空間は、心地がよい空間である、ということは何度もお話していますが、本当にその空間が心地よい空間ならば、時間が経つのが非常に早く感じてしまうものです。


これは脳科学的にも証明されていることで、人は何も考えなくてよいと時間が経つのが早く感じる傾向にあるそうです。朝食や通勤のような過去に経験したことがある事柄は、特に意識して考えたりすることも少ない(情報処理量が少ない)ので、脳が過去の経験から自動処理をしてくれる、というものです。

たまり空間ではお互いのことを知っている、そして信頼していると”お互いの会話をすべて記憶する”というよりは”ダラダラと話す”ような事が多いかと思います。そのため、その空間としての情報量が少なく、時間が経つのが早く感じてしまいます。


「この間は楽しかったけど、何の話してたっけ?」ということ、ありませんか?


対して、初対面の方との会話は、お互い緊張関係にあり「○○出身」や「××の仕事をしている」といった情報量が多いので、脳が自動処理できず、時間が経つのが遅く感じてしまいます。


すなわち、ふと時計を見たとき、

「あら、もうこんな時間」


と感じるということは、それほど時間が経つのが早かった=心地よい証拠、ということになります。


まとめ


今日はたまり空間の条件とその判断方法について書いてみました。

たまり空間ができる条件
・そこに集まっているメンバー全員の性格がわかっている
・メンバーがお互いのことを信頼している

あなたの居る空間が”たまり空間”かどうかの判断方法
・「あら、もうこんな時間」と感じたかどうか


”たまる”ということは、「あくまで体感」という部分が多いので、こうして客観視して、頭で理解していくことも大事な作業のひとつかもしれません。



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