WOLSAM説明

「混ざり合わせる」がコミュニティ拡大の鍵

近年、ビジネスでも注目され、バズワードにもなっている”コミュニティ”を改めて問い直し、考えてみる試みです。本稿は、コミュニティ拡大について、特に”質”を担保したまま、拡大していくためにはどのような方法があるのかを考えていきます。(そもそも、なぜ拡大するのかという話はまた別の機会に記します)

申し遅れましたが、渡邊と申し、仲間とともに、WOLSAMという任意団体(2020年に一般財団法人を設立予定)を1年半運営をしています。
*個人noteはこちらです。
WOLSAMでは、「こころに素直に」なる瞬間を作るという目標を達成するために、大学生や若手社会人を対象に、「好き」で繋がるコミュニティを運営し、様々なイベントを企画しています。
(詳しくはこちらのHPをご覧頂けると嬉しいです。)
イベントは、ボードゲームやキャンプ、旅、映画を観る、内省系のワークショップなど様々にあります。
前置きが長くなりましたが、WOLSAMで、それぞれのイベントをどのように、全体としてのコミュニティに昇華させているのか、そこから、質を担保したまま、コミュニティを拡大していくためには、何の要素が必要と現時点で見えてきたのか、簡単に書かせて頂きます。

①WOLSAMでは、それぞれのジャンル毎にイベントを単発で終わらせるのではなく、複数回開催し、まず、ジャンル毎のコミュニティを醸成することを目指しています。

その際に大切なのは、参加者の構成比だと感じています。
全員新規参加者だと、参加者は増えてコミュニティの人口は多くなるけれど、コミュニティとしての”結束力”はあまり高まらない。
一方で、毎回同じメンバーばかりだと、”結束力”は高まるけれど、メンバーが増えず、コミュニティが拡大していかない(拡大を考えていないコミュニティの場合それで良いのですが)危惧があります。
感覚値ですが、各イベント毎に、半分は過去参加者、半分は新規ぐらいの割合が丁度よい気がしています。もう少し述べると、過去参加者のうち、三分の一が何回も来てくれるユニークユーザーだとさらに良い気はします。
ここは感覚値で、WOLSAMでもまだ実験中で、最適な構成比は常に仮説検証しながら、考えています。

②各ジャンル毎にコミュニティが醸成できてきたら、次にそのコミュニティを同時多発的に作ります。WOLSAMでは、「好き」で繋がるコミュニティを掲げているため、ボードゲームやキャンプ、映画、スポーツなど、モノやコトで分けていますが、ここは年代や地域など何でもありだと思います。

各コミュニティの”結束力”を高めたり、イベントの企画立案、集客は、Facebookのグループ機能を用いています。
近年、Facebookはミッションステートメントが更新された関係で、グループに力を入れており、かなり様々な機能が拡充されています。
このオンライン上でのコミュニティ醸成は、現在実験中で、また改めてまとまり次第、紹介させて頂きます。

③最後に、各コミュニティを混ざり合わせます。


各コミュニティ内のイベントは定期的に開催するのですが、続けていくと、この人はボードゲームには来る、この人はキャンプには来る、みたいに○○さんはこのジャンルには来るけれど、他には来ないというように、固定化してしまいます。というのも、それぞれのジャンル毎にコミュニティを作っているので、当然といえば当然となります。

そこで、WOLSAM全体としてのコミュニティを醸成するために、ボードゲームのイベントに複数回来てくれる人を、映画のイベントやキャンプのイベントに誘うなど、別ジャンルのイベントに招待していきます。
そうすることで、興味のあった、ボードゲームから入ったけれど、映画のイベントの面白さを知った、そこで顔馴染みができたから、定期的に行くようになったなど、どんどん参加性が増していきます。

その際に、大切なのはタイミングと順番で、どのくらいに、どのコミュニティを誘うかは人により異なるので、その人の関心事や、イベント、コミュニティへのコミット度を見て、適切なアプローチが必要です。(ここもまだ体系化するために試行錯誤中です。)

①〜③を地道に重ねていくと、目に見えては分かりにくいですが、適度な薄い関係性の全体としてのコミュニティができてくる気がします。
コミュニティの拡大も、
(1)その人の興味のある単発イベントから誘う
(2)徐々に適切なタイミングと順番で、参加性を上げていく
というように、”質”を担保したまま拡大が可能となるのではないか、という仮説を立てています。また、各コミュニティ内で話が盛り上がった際や参加性が高いメンバーを巻き込み、新たなイベントを立てていくことで、より参加者を巻き込んだ形式での拡大もできると考えています。

コミュニティ運営の、理想状態として掲げているのは、「WOLSAMの企画するイベントなら、面白いだろうし、行ってみようかな」そう思って頂けることです。
好きなアーティストの曲をまずは聞いてみるように、好きな作家の小説をまずは読んでみるように(もちろん、その中で特に好きな曲やピンとこない曲はあるとは思いますが)、そんな状態を目指しています。

上で記したことは仮説で、現在検証中のことです。
検証中のことを、この場に記すことに忍びなさもありますが、今後もより深めていく過程であることをご理解いただけると嬉しいです。
何かの参考になりますと大変幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?