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『希望的観測』

2024年6月2日(日)18:32 雨

あちらこちらで干しっぱなしの洗濯物が目に入った帰り道。傘をさした小学生たちがマンションのベランダを見上げている。つられて見上げる。そこにも取り込まれていない洗濯物が…濡れている。


小学生A「あれ、何階の何号室かな?」(希望的観測)

小学生B「あの部屋の人に雨が降っていることを伝えよう!」(希望的観測)

小学生C「でも、前に知らない人の家ピンポンしたら怒られたよ」(絶望的観測)(ヤンチャ)

小学生B「じゃあ、やめとくか」(否定的観測)

で話を締めくくろうとしていたので、

僕R「諦めるな〜。雨降ってますよって小学生たちが玄関に現れたら、みんな感謝感謝だよ」(楽観的観測)


僕R「その素直な気持ちと率直な行動ができるのは今だけなんだ。今すぐ階段を駆け上がるんだ!」(再び楽観的観測)

ピ〜ンポ〜ン!!(インターホン…フォン?)

小学生s「外!雨降ってますよ!取り込むの手伝いますよ」(希望的観測)


って会話をしてたら良いなぁ。と。(楽天的観測の妄想の会話だった)


その部屋は電気が付いていなかった。住人は出掛けているのか。家にいたなら気がつくよな…。つまり、今朝は晴れていたのか⁇僕が出掛けた時には既に降っていたから、知らなかったよ!ハハハ〜。そのマンションには3世帯ほど、洗濯物が干しっぱなしだった。濡れた洗濯物を横目に。

THE BLUE HEARTSの『爆弾が落っこちる時』の替え歌が頭の中で流れた。

洗濯物が濡れている時
何も言わないってことは

洗濯物が濡れている時
全てを受け入れることだ

作詞.作曲:真島昌利(の替え歌)




「noteやれば⁉︎」

と前から友人に勧められていた。
「はっ?俺が?なんで?語彙力ないし、音読苦手読書苦手の誤字脱字だらけの三冠王だよ!そもそも国語というものが苦手(嫌いじゃない)!身の回りには、ものすごく文章力の長けた方々も沢山いるし、僕に文章書く資格ないヨォ」と思っていた。


それでもその友達はnoteをススメテキタ。


押しに負けそう。やってみようかな......、でも何を書けばいいの?映画のこと?芝居のこと?日常のこと?(僕は俳優をやっています)

なんでも良いじゃん。Instagramやってるでしょ、アレみたいに。

でもInstagramは大分自由にふざけちゃってるし、noteって少しハードル高くない?

使い方なんてそれぞれだよ。なんでも良いんだよ。

そっかぁ。
じゃあ、そろそろ29歳になるし20代最後の日々を綴るっていうnoteをやってみようかな。なんて。

えっ!? だから何を書けば良いんだよ?20代ラストだからってなんだよ⁉︎何につけても意味を持たせようとすなよ、俺ぇ!

と自問自答のひとりカラオケへ。
THE BLUE HEARTSの『パンク・ロック』を歌った。

友達ができた 話し合えるやつ

何から話そう 僕の好きなもの

僕 パンク・ロックが好きだ

作詞.作曲:甲本ヒロト


小学生6年生の終わり頃にTHE BLUE HEARTSにドハマりした。その経緯やどんな所に心打たれたのかはブルーハーツファンの先輩方が皆語ってるから僕は語らない。僕が生まれた時にはもうブルーハーツは解散していて世代じゃないってことは確か。それでも、テレビや兄貴、友達の影響ではなく、純粋に自分で見つけたという自負がある...あった。

後に気付いたのは、ブルーハーツは世代を超えて多くの人に影響を与えているバンドだったということ。上京してから、僕と同じような人間が沢山いることに驚いた。インタビューやエッセイを読むと、僕の好きな人たちも皆ブルーハーツが好きだった。彼らの音楽は世代に関係なく、どの世代の人にも響くバンドの一つだった。

ブルーハーツ好きが集まるネットの某コメント欄では、「今中2です。世代じゃないですがブルハ大好きです」とか、「小学生の息子が大好きです」とか、「流行っていた当時はわからなかったけど、70歳になって初めて聴いたら涙が止まらない」といった書き込みがいつの時代も続いている。
囚われるな囚われるな、世代に。

......語らないとか言っておいて結構語ってるじゃないか。


そうか、僕の好きなものの話をすれば良いのか。noteを読んでくれるみんなが友達だと思って話し合うつもりで書けば良いんだ(希望的観測)。じゃあ、僕の好きなブルーハーツのこと書いちゃおっかなぁって。

カラオケの帰り道。

InstagramのストーリーズでAI生成画像で『ALL EYES ON RAFAH』のスローガンの画像が流れてきた。沢山。なんだこれは?多くの人がやっている。『お題に参加する』みたいな感じで簡単に共有できる画像になっているみたいだった。そうか、これで一見関心がないように見える人たちも実は気に留めて目を向けてますって示せるものなのか、と。

そうだったのか、みんな。そうなんだよな。なんて思っていたら、瞬く間に全く違う『お題に参加する』が流行り出した(全く違うものなのかはよくわかっていません、すみません)なんだこれは、なんだこれは、なんだこれは。なんか残酷だ。直接的なニュースを見るより残酷なんじゃないか?

......でも、僕なんかより......そのお題に参加した人たちは。何にも意見を言わず言葉を発さず何にも参加しなかった僕なんかより......
良いんじゃないか?言葉を発さない、何も言わないことの方が…残酷なんじゃないか?



頭に『爆弾が落っこちる時』がに流れた。

爆弾が落っこちる時
何も言わないってことは

爆弾が落っこちる時
全てを受け入れることだ

作詞.作曲:真島昌利


高校1年生の時、芸術の選択授業があった。美術、書写、音楽の3つの選択肢があり、1年生の一年間以外は芸術系の授業が無かった。入学する前に知りたかった。(芸術好きすきィ)

僕はもちろん美術を選択した!
(いや、音楽じゃないんかい!)
(いや、そりゃ知らんやろ!)

その美術の授業中、友達SがTHE BLUE HEARTSの歌詞集の本を読んでいた。

先生:「今の子もブルーハーツ好きなんだね」

友達S:「良いんだよ。ヒロト」

僕R:「良いんだよ。ヒロト」

友達S:「俺、『爆弾が落っこちる時 何も言わないってことは 爆弾が落っこちる時 全てを受け入れることだ』ってのが好き」

僕R:「それ、マーシー」

先生:「そんなこと言われても、爆弾が落っこちて来るのなんて、こっちの人は誰も知らないんだから、受け入れるも何もないでしょう。何も言えないでしょ」

友達S:「そんなこと歌ってねぇーのよ!」

そんなこと歌ってねぇーのよ


僕らの頭上にじゃなくてどこかの国にだって、

爆弾が落っこちる時
何も言わないってことは

爆弾が落っこちる時
全てを受け入れることだ

作詞.作曲:真島昌利


改めて気がつく。
受け入れちゃいけない。絶対。何も言わないなんてしちゃいけない。お題に参加しなきゃ。でも、そのお題に参加することが、何かを言っていることになるのだろうか…?(厭世的観測)いや、なるんじゃないか?(希望的観測)…ならないのか?とにかく、お題に参加せず全てを受け入れてしまったような気がしてしまった僕は出来ることを探した。避難民家族への支援募金をした。

何も言わないはやめよう。受け入れないよ僕は。そんなことに気がついた。


えっと、なんだっけ。
要するに最近こんなことを考えていたから、巡り巡って濡れた洗濯物を眺め何かを言おうとしている(妄想だけど)小学生たちを見て、替え歌が頭に流れたのだった。


そんなこんなで今日29歳になりました(嘘、先月の22日に29歳になっている)。20代最後の日々を綴るという大義の皮を被って、一人の人間のなんてことない日々の出来事を、希望的観測を持って綴っていこうかなと始めてみました。

PS(アイ・ラブ・ユー)


ニュアンスだけでなんとなく使っていた「希望的観測」という言葉。意味を調べてみたら、「論理的な根拠がなく地に足がついてない考え方。確実性に欠ける観測」だって。ひぇ〜。これらが希望的観測に過ぎなくても、なにかを綴ってみよう。



THE BLUE HEARTS『爆弾が落っこちる時』





THE BLUE HEARTS 『パンク・ロック』

吐き気がするだろう みんな嫌いだろ
まじめに考えた まじめに考えた
僕 パンク・ロックが好きだ

中途ハンパな気持ちじゃなくて
本当に心から好きなんだ
僕 パンク・ロックが好きだ

友達ができた 話し合えるやつ
何から話そう 僕の好きなもの
僕 パンク・ロックが好きだ

中途ハンパな気持ちじゃなくて
ああ やさしいから好きなんだ
僕 パンク・ロックが好きだ
僕 パンク・ロックが好きだ

中途ハンパな気持ちじゃなくて
本当に心から好きなんだ
僕 パンク・ロックが好きだ
僕 パンク・ロックが好きだ

作詞.作曲:甲本ヒロト



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