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平日夜の唐揚げと祖母の想い出の話

ついこの前、平日の仕事終わりに何となく思い立って
唐揚げをつくってみました。

材料を切って下味をつけて汁気を切って粉をまぶしてはたいて油を温めて2度揚げして…と
なかなか手順が多くて大変なのですが、
なんとなく自分で作った唐揚げが食べたくなってしまったんですよねぇ。

味は正直言って、ヘルシオで温めなおしたスーパーのお惣菜唐揚げと変わらないか、むしろ負けたとすら思う。もちろんおいしかったんだけれども。

時間も手間もかかってこんなにコスパが悪いのに、
どうして手作りにこだわったんだろう?

そう考えたときに、ふと亡き父方の祖母のことを思い出しました。

***

祖母はお世辞にも器用とは言えないひとで、
それでも牛乳パックでできた腰掛け椅子(子どもですら座れない)やら
広告を丸めて作った謎のオブジェやら、
なんかほっそいほっそい糸で編んだマフラーだかストールだか判別の付かないものやら、
とにかくなんでも自分で作りたがる人でした。

一度わたしも手づくりの編みぐるみをもらったのですが、なんのキャラクターなのかよく分からない黄色い丸っぽいヒヨコ?で、
目玉がやたらと三白眼だったので妙に怖かった記憶があります。笑

まわりは「こんなもの何に使うんだ」と笑うし、私は祖母に「作るより買ったほうがええんとちゃう?」と言ったこともあります。

でも祖母はにっこり笑って「そうやねぇ。買ったほうがええもんやと私も思うわ」と言いながら、
またいそいそと何かよく分からないものをこしらえていくのでした。

***

あの頃は祖母が何を考えているか分からなかったけれど、今ようやく分かった気がします。

好きだから、つくる。

たったそれだけのシンプルなこと。
できあがった結果じゃなくて、つくる過程や時間そのものが、祖母にとっては大切にしたいものだったんだろうな。
誰かのためじゃなくて、自分のためだけの大切な時間だったのだと思う。

私は仕事への考え方を変えて以来、
時間と気持ちの余裕がちょっとずつ生まれて
自分の本当に大切にしたい気持ちが
少しずつ見えてきたような気がしています。

でも、今を生きる働き盛りの若い人たちって
そういうことを考える時間はあるのだろうか。

仕事柄、時短商品とか商品のかんたん、べんりな側面を訴求することが多いけれど、
そういうものを追い続けて突き詰めていけばいくほど、自分の価値観とか本来大切にしたいことを見失ってしまいそうな気がしています。

もちろんそういった商品が忙しい人たちを救っているのは事実だと思うけれど、
忙しい人たちが背負っている負担そのものを根本から見直すことがそろそろ必要じゃないのかな、とふと思いました。

みんながみんな、自分のために何かをする時間が持てれば素敵だなぁ。

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