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私たちは、正気を失っている。

皆さんは、何気なく手に取った本が、「これまでの考え方を一変した」という経験はあるでしょうか。

私は先日、そんな本に出会いました。


今話題の「人新世の資本論」です。


資本主義を説明するときに、神の見えざる手という言葉をよく聞きます。
「個人個人が自分の利益を追求することによって、神の見えざる手に導かれるかのように社会全体の利益にもなっている」と。


そして自分は、資本主義が社会を良くし、環境問題も含めて世の中のあらゆる問題を解決してくれるものだと考えていました。

しかし、この本では現在の資本主義を終わらせなければならない、そうしないと環境危機により地球が破壊されると提言しています。
このまま企業や個人が利益を追求した場合、世の中がどうなっていくのかを、私たちは知らなければいけません。

この本の冒頭に、以下のようなことが書かれています。
「SDGsは、大衆のアヘンである」と。
SDGsは、企業のアリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背けさせる効果しかないと。


確かに、私の会社でもSDGsの取り組みをしているのですが、その内容と言えば、会社に自動販売機を置き、その売り上げを途上国に寄付すると言うものです。
一方で、会社は経済活動を行い、多くのCO2を排出しています。
そして会社や役員は、SDGs のマークを掲げ、地球環境のことを考えているとしたり顔です。

ここに矛盾を感じます。


そして、ある経済学者の言葉を引用して、以下のようなことも書かれています。
「指数関数的な成長が、有限な世界において永遠につづくと信じているのは、正気を失っている人か、経済学者か、どちらかだ」と。
そして、著者は言います。
私たちは、「正気を失っている」のかもしれないと。


各国が経済成長を争い、より豊かになろうとしています。私たちは、どこまで豊かになれば気が済むのでしょうか。そろそろ気づかなければいけない時だと感じました。


最近で言えば、静岡県熱海市の土砂災害、中国のウイグル問題など、資本主義のシステムから発生する問題は枚挙に暇がありません。


そして、先進国が経済発展している一方で、途上国に多くの問題が転嫁されているのです。


この本の中では最終的に、脱成長コミュニズムを推進するべきと書かれています。


経済成長減速させ、限りある資源を皆で共同管理することを掲げています。


そして、3.5%の人が同じような考えの下、立ち上がれば、その動きが大きなうねりとなり資本の力が制限され、脱炭素社会も実現される違いないと言っています。


ぜひ皆さんも、この本を読んで何かを感じてみてください。


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