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僕らの時代のジェンダー ②

 カラフルデモクラシーの11月は「僕らの時代のジェンダー」。堅い話からゆるい話まで、盛り上がりましたよ!

男だから、女だから・・・

おるっくす みんなはさ、男だから、とか女なんだから、とか言われたことある?

たんたん あるある。小さいころだったけど、道で男子と混ざって遊んでたら女の子なのにだらしないよって言われたり、女の子だから上品にしなさい、みたいなことは叔母さんとか叔父さんとかに言われてた。最近はあんまりいわれないけど・・・。

まーちゃん 女の子なんだから料理できるようになった方がいいんじゃないって言われたことある。それは自分の料理能力があまりにも低すぎるってのもあるかもしれないけどね。

ゆの 日常的に言われるけどな。親は心配して言ってくれてるわけだから、あんまり違和感はないな。それに、女の子としてっていうより、人としてって良く言われるかも。

おるっくす あー、なるほど。それは確かに言われて当然かも(笑)。でも、女の子なんだから料理ができるようにっていう理屈、よく考えると「え、なんで?」ってならない?なんで、女の子だから料理?

ゆの なんか親やおばあちゃんとかから言われると、心配して言ってくれてるんだろうから嫌だとは思わないけど、よく考えると不思議だよね。

たんたん 割と日常的に、使うよね。そういう言葉って。

もやし 「男の子だから泣くな」っていうのは別にいいんじゃないかと思うんだけど。男は強いんだ!って小さいことか誇りに思ってたりするんじゃないの?

おるっくす その点についてなんだけど、資料とか最初の話で上げたのは、女性が受けてきた被害の話が多かったと思うんだけど、実は「男らしさ」に男性たちが苦しめられてきたんじゃないかっていう側面もあるんだよね。アルコール依存症患者のの9割が男性らしいんだよ。そうなる理由が「男は泣くな」にあるって言われているんだよ。小さい子って、なんか嫌なことがあると言葉にならなくてワーって泣くじゃない。その時に親が「痛かったねー、つらかったねー」って言葉をかけてあげることで初めて、その言葉にならない感情が「痛い」「つらい」っていうものであることがわかるようになるんだって。これが感情の社会化。多くの男の子は小さいころに泣くと親から「泣いちゃだめよ。ほら、男の子なんだから、痛くない!つらくない!」って言われて育つ。そうすると感情の社会化がうまくいかないんだって。そうすると大人になっても、自分のつらい気持ちや悲しい気持ちを表現するのが苦手になって、結局お酒を浴びせるように飲んで、子供のように退行化して、周りにケアを求めようとするんじゃないかといわれてるんだよ。

 過労死も男性が多い。これも、自分がつらいときに「男なんだから」っていう自分と周りの圧力で誰かに助けを求められないっていうことが大きな理由になっているんじゃないかって言われてるんだよね。

 確かに日常的にあふれてて、普段はあんまり違和感感じないことも多いと思うんだけど、よくよく注意してみると結構「なんで?」っていうことってあふれてるんじゃないかなー。僕がよくあるのは「女子力」っていう言い方あるじゃん。

ゆの よく無いって言われるは・・・・。

おるっくす 女子力って例えば、料理ができるとか、お菓子を作るとか?

もやし ハンカチを持っている(笑)。

ゆの それは持っておこうよ。

もやし ここが(ズボン)がハンカチだもん。同じ布だから。

ゆの まー、そうだけど・・・(笑)。

おるっくす なんか、僕らの周りではさ、もやしが「僕女子力あるぜ」みたいなこと言ってたり、女子に何かを押し付けるような使い方じゃないから、あんまり変な気もしないかなって思うんだけど、よくよく考えてみると、なんで「お菓子を作るのは女子」「ハンカチを持ってるのは女子」「料理するのは女子」なの?って思わない?

もやし そうやって育ってきてるから当たり前に感じるけどね。でもそれいったら「なんで日本人は肉じゃなくて魚を沢山食べてるんだろう」とか「なんでフグ食べてんだろう」とかそういうのと同じ感じじゃない?

おるっくす ま、確かに習慣の問題っていう意味では同じだよね。ただ、肉じゃなくて魚を食べてることでつらい目に合ってる人とかがいないのに対して、女子だから、男子だからっていうのに縛られてつらい目にあっている人がいるっていう所は違うけど。

もやし うん。今までの「当たり前」ではあるよね。でも、その当たり前を疑う人が今出てき始めて、それで変わっていってるんだろうね。

ゆの もう「女子力」とかは深い意味はなくて、ただの名称見たい形で使われてるよね。「料理する人」「お菓子作る人」「ハンカチ持ってる人」みたいな人たちの能力を表すのが「女子力」っていう言葉なんじゃない?女だから男だからっていうよりも・・・。

おるっくす うん。最近はそういう意味合いで使われてるかもね。少なくとも僕らの周りでは。でも、僕たちはすごい恵まれた環境で生きてるんだよね。(注:カラフルデモクラシーのメンバーは現時点でみんな同じ学校。多様なメンバー求む!!)

普段人間関係を作るときに、みんなの中で性別って重要?

たんたん 全然重要じゃないな。

もやし 重要ではないけど、男子と女子では少し違うかもしれない。

おるっくす はたから見てると君、あんまり変わんないけどな(笑)

もやし あ、うん。変えないようにしてる。

うちょこ んー、話題が合うとかそういう意味では、男子とより友達になりやすいかな。スポーツの話とか。

おるっくす じゃあ、スポーツ好きの女子とかなら関係ない?

うちょこ うん。別にスポーツ嫌いでも仲いい人いるし、あんまし関係ないかも。なりやすい、ってのはあるけど。

もやし 男子に対してできて女子に対してはできないことはあっても、女子に対してできて、男子に対してできないことはないかも。あとは、相手が気にしてるんだろうなって思ったらこっちも気にするし、相手が気にしてないんだなって思ったらこっちも気にしない。

まだまだ残る性差別

おるっくす 世の中の僕ら世代の人たちはこのジェンダーをどんなふうに感じてるのかなーっていうデータを探したんだけど、「女子高生が感じるジェンダーバイアス ジェンダーに関する女子高校生調査書2019」っていうガールスカウトがとってる調査を見つけたの。それみて結構びっくりしたのも多かったんだけど、いくつか紹介するね。

「普段の生活で性的な嫌がらせを受けたり見たりしている女子高生は62%」。

もやし 多いな・・・。自分が受けてるってこと?

おるっくす 自分が受けてるだけじゃなくて、メディアとかで見るっていうのも含めての数字みたい。一番多いのはメディアみたいだね。ついでインターネット、公共の場所っていう風に続く。

メディアで・・・(上記資料より抜粋)

・メディアは女性に対して差別的な表現をすることがある。
・番組でデートの場面が出てくるとき、リードするのは基本男性の俳優。女性はいつも受け身な構成。
・女性が襲われることを題材にするドラマや映画が多い。
・ちかんされた女性に対して、スカートが短いからなど、女性のせいにするコメントがある。
・タレントとかが、胸が強調されるような衣装を着せられている。
・テレビには、男性司会者が中心的役割で、女性が補佐的な役割で登場する番組が多い。
・ニュース番組で、男性アナウンサーやコメンテーターは年齢が上の人が登場し、女性の人は若い人が多い。
・カメラで女性を映す時、足元から顔までゆっくり映したり、短いスカートの足元からのアングルもある。

とかがあげられてる。

インターネットで・・・

・ YouTubeで女性が投稿していたら、ブス、デブなどの誹謗中傷のコメントがたくさんある。
・ 女性の体を強調するような画像や広告。
・ インターネットの広告欄に、女性が乱暴を受けるなどのマンガやゲームの広告が表示される。
・ 性的なマンガの広告が出る。
・ 有料〇〇サイトのような、女性を売るようなページ(〇〇は女性関係)。
・ SNSで名前やアイコンが女性で、その人が目立ち始めると、リプ(返事)やコメントで性的なことを言われる。女性ということを隠して発言しないといけない。
・ Twitterでは、アカウントが女性だと分かるとフォロワーが増えたり、メッセージがたくさん届くことがある。
・ Twitterの質問箱にはセクハラが多すぎる。
・ Twitterで「ヤりたい」と書かれた。
・ Twitterで性差別についてのツイートをよく見る。
・ SNSで、ラブホテルに行こうと誘われたり、チャットエッチをしたいと言われることがよくある。

公共の場所で・・・

・エスカレーターで下から写真を撮られる。
・ 盗撮
・ 電車の中でのちかん(多数)。
・ 電車や人ごみの多いところ。
・ 街を歩くとナンパされる。男性はほとんどされない。すごくいや。
・ コンビニに男性向け成人雑誌が堂々と置かれている。
・ 水着姿の女性が表紙の雑誌が、コンビニなど、誰もが使う場所で売られている。
・ 不審者にあったとき。

その他の場所でっていうのも、ちょっとびっくりしたのがあった。そんなことあるんだ、と思って。


・ アルバイトで狭いところで必要以上に体を密着させてくる。
・ 医療機関(医業類似行為)に受診しに行った時に服の中に手を入れられた。
・ 医業類似行為において体を必要以上に触られる。
・ 男友達に無理矢理セックスさせられた。

ゆの 医療機関はひどいな。

もやし 無理やりってのもひどいな。どういう状況なのかな。

おるっくす 最後のなんかは、今話題になっている「性的同意」の話も絡んでくるから、そっちも勉強せにゃならんよね。日本では性行為をするってことに同意できるとされている年齢が13歳なんだよね。今年それを見直そうっていう動きがある。

 あとは気を付けにゃならんのは、日本の謎の文化で「いやよいやよも好きのうち」っていうのがあるようなんだけど、(僕らの周りじゃあんまり聞かないけどね)それも違うよ、って「No means No」「いやって言ったら嫌」なんだよっていうのをしっかり知らしめていかないとっていう動きもあるよね。

この辺も、男性の意識のアップデートが必要な点なんだよね。この話はまたじっくり考えないといけないテーマだね。

メディアの扱いってのは意識してみるといろいろあるよね。

うちょこ 確かにね。

おるっくす みんなはこういうのは変えていった方がいいと思う?

もやし 変えてほしいと思う人がいるなら変えていった方がいいと思う。

ゆの 需要があれば変わってくんじゃない?私はもはや男女とか別にどっちでもい。どっちだってやりたいことやるし。今の性別の壁にぶつかったことないからな。

「男だから、女だから」は合理的?

おるっくす Ko too 運動ってのがあったんだけど、知ってる?靴と苦痛をかけた言葉なんだけどね。会社で女性だけがパンプスを履くことを強制されていること(規則が明確になくても、暗黙の了解や慣習的に決まってしまっている。)に対しての抗議のムーブメントなんだよ。こういった差別ってまったく合理性がないじゃん。

もやし 最初からそういうルールがあります、パンプス履く人だけ雇いますって言ってればいいんじゃない?

ゆの 私もそう思っちゃうな。

おるっくす でもさ、合理性がないのに一方の性に苦痛を強いることは全く理にかなってないし、あらかじめ決めてたらいいんじゃない?っていうけど、それを決める人は誰?っていったら男性なんだよね。そこに女性の声が入っていて決まったことなら、まだましだけどさ。

 そいういう慣習だからしょうがない、っていう意見もあるかもしれないけど、その慣習作ったのも男性社会なんだよね。

もやし そうだよね。会社の採用とかでも男が基本選別してるから、男性が昇進しやすいっていう構造はあるのかな。

 でも、男性と女性ではやっぱり能力は違うと思うから、ある程度分けるのも合理的なんじゃないかとも思うんだけど。

おるっくす 確かに能力の差はあるけどさ、男性だから、女性だからっていって分けられることじゃないんじゃないかな。

 例えば数学の学力は男性が高くて、女性の方が低いっていうデータはあるみたいなんだよ。だけどそれってあくまで男性、女性でそれぞれ平均をとったデータであって、男性の数学があんまりできない人と、女性のめちゃくちゃ数学できる人を比べたら、断然女性の方が能力が高かったりするでしょ。会社で人事とかするときにも、本当は男性だから女性だからっていうくくりを無くして、個人本位で考えたほうが合理的だと思う。だって、男性だからっていう理由だけどあんまり能力のない人を登用しちゃうより、女性で能力のある人を登用したほうがいいでしょ。

ゆの 私は過小評価されるならその分頑張ればいいって思うけどね。例えば医学部の入試の話だったら、0.いくつかかけれるならその分頑張ればいいじゃん。

もやし 大学の方針としてあらかじめ決めてあって、そういう風に公表されてたらしょうがないんじゃない?

おるっくす 実際にあったのは公表せずにやってたわけだし、明らかに問題だよね。でも、そういう風にも考えられるのか。

 でも、女性の点数は男性の点数よりも低く評価しますって決めて公表してたとしても、なんでそういう風に決めたのかっていうことを考えてみると、「女性は結婚出産子育てで働かなくなっちゃうから」っていうことでしょ。

 ちとまってよ、なんで子育て女性がやるってことになってるの?男性も一緒にやればいいじゃん。確かに妊娠出産は女性しかできないけど、でも産休ぐらいの休みなら、男性だって急病とか事故とかいくらでも可能性あるじゃん、ってことになるでしょ。一見合理的に見えるかもしれないけど、背景にあるのはこういう性別役割分業的な考え方だよね。

もやし 日本の今の社会の風潮的に、まだ女性の方が仕事を辞める可能性が高いから、女性は採用しづらいって判断してるんでしょ。

おるっくす そう。でもそういう風に判断してるのは誰?っていったらこれまた男性だ。まったく変わらない。

もやし そこだよね。

うちょこ 自分は男だけど、逆の立場だったら嫌だし、どうして?って思う。けど、制度としてそういう風に決まってたら、しょうがないって思うかも。

 テレビの女性の扱いとか映し方の話も、ディレクターとかプロデューサーとか決定の場に圧倒的に男性が多いっていうのが問題だよね。

なにが能力か?

ゆの 何を能力って捉えるかが問題なんじゃないかな。持続的に働くことっていうのを能力って捉えたら、出産の可能性がある女性よりも男性の方が能力があるって考えられるかもしれない。育休は確かに男性がとってもいいけど、産休は女性がとらないと意味ないわけで。そういう所を換算してしまうと、女性の方が能力がないっていう風に考えられる。

おるっくす 産休を取るっていうのはマイナスの能力なのかな。確かに出産は女性しかできない。産休とったらその間会社の仕事はできないけど、でも子供は生まれないと困るでしょ。僕らがこれから生きていく社会、結構子供が生まれるかどうかにかかってるって思わない?年金、介護、そういう問題って、やがて大人になっていく子供が少ない、少なくなることが大きな問題じゃん。

 確かに短期的に考えれば産休で女性が仕事を休むことは企業にとって不利益な面もあるのかもしれないけど、大きな目で考えると子供が生まれないとその会社も従業員いなくなってつぶれるんだよね。

だから、出産することを能力でないって考えるのは違うんじゃないかな?

もやし どうしても目先の利益を考えちゃうんだろうね。

身近なとこからアップデート!

おるっくす 社会問題の話っておそらく自分から遠く離れたことっていう風に感じることが多いと思うんだけど、この話はある意味でみんなが当事者の話なんだよね。だから、変えたい!って思ったら毎日の生活の中から、アップデートしていけるんじゃないかな。

 たとえば言葉遣い一つとっても、「奥さん」「家内」とかって普通に使うかもしれないけど、これって「女性は家庭」っていう感覚からくる言葉だよね。こういう言葉を「お連れ合い」とか「パートナー」っていう風に変えてみるとかね。ちいさなところから変えていけるなって思う。

もやし なんか、違うものが同じになる必要はないと思うんだよね。やっぱり女性は女性だし、男性は男性だし。でも、そこに差別が生まれてどちらかが不利益を被ってしまうっていうのが問題なんだよね。

余談

まーちゃん もし男性も子供を産めるようになったら産みたい?

もやし えー、今だったら僕産みたくない。っていうか産めないと思う。痛みに耐えられなそう。

相手に産んでほしいって言われたら・・・。あ、いや想像できない(笑)。

僕さ、正直女子がうらやましいって思った事ないかも。

ゆの ほんと。私は男子がうらやましいって思ったことある。

女子一同 あるある。

もやし あ、でも、女子がうらやましいって思ったわけじゃないけど、なんかおしゃれしたいって思ったときとかに、男子だとなんか冷やかされたりする気がする。女子だったら普通に受け止められるけど。化粧とか。

うちょこ 僕が急に化粧してきたらびっくりされるよね。

まーちゃん 確かに女子の方がファッションのバリエーションはあるかもね。

おるっくす まー、最近はいろんな服装の人いるから変わってきてはいるんだろうけどね。


おそらく、こういった価値観は多様化していっているのではないかと思います。それでも社会の中に深く深く根付いている価値観を日常の中から見つけ出して、これからもその価値観を残していくのがいいのか、あるいはアップデートしていった方がいいのか。一人一人がじっくり考えられるといいのかな、と思いました!

              colorful democracy  松浦 薫

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