ころがき

映画と本と、あと旅行とエッセイが好きな私、大学生です。あ、猫は大好きです。適当に垂れ流…

ころがき

映画と本と、あと旅行とエッセイが好きな私、大学生です。あ、猫は大好きです。適当に垂れ流しのnoteをやってゆきます。

最近の記事

佐賀旭『虚らな革命家たち』

元々連合赤軍に興味があったこともあり、するすると読み進めていった。 森恒夫の赤ちゃんの誕生日を祝う、未発掘だった手紙が冒頭で紹介されていて、朝ま山荘事件後のメディアからしか彼を知らない私にとって、そのギャップは俄然次も読みたい欲を増しましにさせた。 相好を崩す森とか想像できない… けれど、読後感にはどこか尻すぼみを感じてしまった。 それは、作者の問題関心である現代の若者の政治認識に帰結しているからか。 著者は最後で、暴力をもって既存の権力に立ち向かおうとする者たちを完全に否定

    • 『動物農場』

      最近読んで一番引き込まれた本。 何が怖いって、もちろんナポレオンを筆頭とする暴力的閉鎖社会のトップ層もそうだけど、一番怖かったのは過去を忘れていく動物たち。 全ての前の時代に起きたことを、上にうまいこと言いくるめられていくうちに「そうだったっけ?」という意識にまで落ちている状況。 もちろん、口八丁で他の動物を洗脳する豚たちは悪だ。 けれど他の動物たちの、「思い起こそうとしない行為」も十分それ相応の結果を生んでいるのではないだろうか? そしてロバのベンジャミンのように、全てを冷

      • むしゃくしゃすると過食

        なんだか語呂が良い。 「むしゃくしゃすると過食」。 ウィーンに留学に来て1ヶ月経った。 大抵は順調に、生活を送っていた。 けれどつい最近、普段の食事量にに見合わないほどの過食をしてしまった。 そこで気づいた。私は何かむしゃくしゃすると、食に逃げる傾向があると。 そんなわけで今回は反省として、①なぜむしゃくしゃしたのか、②なぜ食べ過ぎたのかの二つの問いに分けて自身の行いを振り返ってみる。 ①むしゃくしゃの原因 ・インスタのストーリーで流れてくる、友人が他の友人と楽しんで

        • どうして?

          ウィーンの街中を散歩する中で、自分がどうして歴史に触れているのか考えてみた。 自分に質問していく。 Q. 歴史は好き? A. どうだろう… Q. 歴史は嫌い? A. 嫌いじゃない。むしろ好き。 Q. どうして? A. どうしてだろう… こんな風に。 近藤聡乃の『A子さんの恋人』という漫画でお気に入りのセリフがある。 「なんで好きなのかはうまく言えないね、なんで嫌いなのかは言えるのにね」。 私の場合、なぜ嫌いではないのかもまだ言語化できていない。 けれど、「歴史は

        佐賀旭『虚らな革命家たち』

          ウィーン留学日記①到着後一週間を経て

          ウィーン大学に交換留学で来ました。 1週間前の私: ・どこ行っても絵になるやん! ・どんな物みても円安で一瞬躊躇う。 ・街の中歩いてたら、ドイツ語以外に中東系やラテン系などいろんな言語耳に入る。(地区によっても大きく違う気がする。10区とかはイタリア語もよく聞こえる) ・うーん、お腹ゴロゴロ!オリエンテーション初日とか、ゴシック特有の尖塔の先で胃を突かれているのかと思うくらい腹痛やばく、大学前の階段で座り込み。(治った今、ネオ・ゴシックのヴォティーフ教会も安心してみられる)

          ウィーン留学日記①到着後一週間を経て

          映画「ひろしま」

           1953年の8月某日、広島のある高校の教室で、女子生徒が鼻血を垂らし気絶した。検査の結果、彼女は7年前に受けた原爆の後遺症によって白血病を患っていることが判明した。  数日後、担任教師は教室にて原爆について話し合う機会を設ける。教師は戦後に広島へやってきている設定であり、彼の視点は私たち観客の視点と重なり合う。私たちは彼を通して、1945年の8月6日を見てゆくのだ。 教師は問う、「この中で、原爆を受けた者はどれほどいるか」。教室の三分の一の生徒が手を上げる。次に、女子生徒が

          映画「ひろしま」

          『気狂いピエロ』

          女は太陽、男は海となった。 彼の地にて、アメリカを殺そうとしたものは、時代によって、自らの命までもを犠牲にせねばならなかった。

          『気狂いピエロ』

          『Red』

          雪の中に見えるあか。 ふたりを乗せたボルボは、トンネルを静かに走ってゆく。 そこには、真っ赤な命があった。

          「ジョジョラビット」

          誰かの靴ひもを結ぶという行為、それは、まさに、愛の行為である。 愛する人が、しっかりと地に足を踏みつけられるように、そして、できるだけ転ばないようにとの祈りを込めて。 今、世界には、愛が必要だ。 歴史に正面から眼差しを向けることができる、私たちの寛容さが試されている。

          「ジョジョラビット」

          『海辺のポーリーヌ』

          物語は、海辺の片田舎で一夏の休暇を過ごすために都会からやってきた二人の女から始まる。 まだ恋に憧れを抱く幼いポーリーヌ、薄紫色の紫陽花を背景に彼女はまだどこか未熟さを捨てきれていない。 一方豊かなブロンドを持つマリオンは夫と別れたばかり、どこか疲れた様子だ。 海辺で彼女たちは三人の男に出会う。 一人は自身をつまらない男だと自ら認めてしまっている、残念な男。若くてハンサムなくせに、いや、若くてハンサムだからこそ彼は彼自身を持て余している。 もう一人は中年の、ふくよかな

          『海辺のポーリーヌ』

          『メリーに首ったけ』

          ある番組で、私がとっても好きな中村倫也さんがオススメしていたこの映画。 紹介文には「エッチなロマンティックコメディ」とあったので、「どうせアメリカのものだからどぎつい下ネタばっかりなんだろうなぁ」などなど気だるげに思いながらとりあえず視聴開始。 うん、確かにキャメロン・ディアス演じるメリーはものすっごくキュートだ。冒頭のシーンから、彼女の溌剌とした才気あふれるオーラがプンプンである。(ちょっと気持ち悪い言い回しか?)きっと、あなたがテッドじゃなくても、ヒーリーじゃなくても

          『メリーに首ったけ』

          『バルタザールどこへ行く』

          陰鬱な空気の中で誓い合った幼い男女。 時は降り、少女は犯され、男たちは逃げる。 そしてバルタザールはどこまでも、どこまでも、少女の影を振り落とすかのようにその時を生き、世界に飲み込まれていった。

          『バルタザールどこへ行く』

          『飛行士の妻』

          パリを舞台に、飛行士の妻を中心に、物語は渦を巻きながら滑らかに進んでゆく。 離婚した両親を持つ子供にありがちな少し達観した15歳の女の子の言葉に、20歳の男は惑わされ、25歳の女の子は鼻で笑ってみせる。 誰もが誰かに対する決定者になりたい。 それでも今日は、自分のことさえも分からないまま、一日をとうとうと流してゆく。

          『飛行士の妻』

          the First City Boy

          the First City Boy

          『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』

          アフロディーテ、アテナそしてアルテミスに愛された、ひとりのスコットランド女王メアリー。 彼女は若く、美しくそして知性に溢れた女性であった。 一方、イングランドの女王、名はエリザベス。 彼女はニケに愛された。 そして、世界に冠たる大英帝国を築き上げた女王として、その名を今日まで轟かせている。 私たちは、このふたりの女王を通して一体何を知る事ができるのだろうか? 国のために命を捧げた彼女たちに思いを馳せ、「いつの世も生きづらい女性たち」といった風な憐憫のレッテルを手向

          『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』

          誰そ彼時

          誰そ彼時