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さわやかな諦めとともに進め

「双子ちゃんが小学生になったら塾に行かせるんでしょ?」

なぜか、当たり前のように聞かれた。この手の質問をときどき受ける。

恋愛に興味がなさそうで(過去記事)、一方、娘たちの教育に対する意識は高そうで……、私のイメージってどんなやねん。と、自分でツッコんでいる。

塾は、本人たちが行きたいなら行けばいいというスタンスである。彼女たちが本に親しんでくれたら嬉しいな、とは思う。でも、ドリルも音読本も、無理にはやらせていない。強制はしない。というか、強制なんてできない。

まだたったの6年弱しか子育てをしていない私だけれど、子どもが親の言うなりにならない存在であることはうんざりするほど学んだ。ほんま言うこと聞かん。

今日の大阪は、昨日の雨から一転、抜けるような青空が広がっていた。それなのに、娘たちは「幼稚園にレインブーツを履いていく」と言って聞かない。おろしたばかりのレインブーツで歩くのが嬉しくてたまらないようだった。

結局、娘たちは眩しい日差しのもと、レインブーツを履いて登園した。私はポリ袋に入れたスニーカーを両手に提げて付き添った。レインブーツを履いている子は、園庭で遊べない決まりだからだ。ふたりはクラスメイトに「なんで長靴はいてきたん?」と聞かれ、少々居心地が悪そうな様子。

知らんよ、ママはレインブーツなんて履かなくていいって言ったもんね。内心そう思いながらも黙っていた。

そんなことがしょっちゅう起こる。彼女たちが赤ちゃんの頃は「なんで毎日こうなんだろう」と途方に暮れた日もあった。でも、少しずつ諦めの境地へと距離を詰めてきた。「レインブーツ履くって言って、どうしても聞かなくて。ははは」と、担任の先生に向かってさわやかなまでの笑顔を見せる術も身につけた。それは、私の心を救う技でもある。

勉強でもピアノでも、なんでも、好きなことをしたらいいと思っている。きれいごとではなくて、ほんとうに。しかも、「子どもの自主性を尊重する」という高邁な精神からほど遠いところで、だ。

子育ては、常にさわやかな諦めと手を取りあって進むのかもしれない。

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