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くせ毛も自分

 昔、サラサラのストレートヘアにあこがれてました。
 くせ毛は伸びてくると膨らむし、湿気が高くなっても膨らむし、髪もうまくまとまらないしで、いつもめんどくさいなぁ、と思ってました。
 思春期のころには、サラサラのサーファーカットをしてみたいなぁ、なんて想像したりしてましたけれど、ぼくの髪質では伸ばせば伸ばした分、横や上にかさばってしまって頭が大きくなるばかりなので、この髪を嫌ってましたね。

 散髪屋にいけば、
「その髪質、いいね」
 とよく言われたりしましたが、当の本人は全然で、どうにかストレートヘアになれないものか、と思っていました。

 ところがいつからか、そんな自分の髪質が自分の中で受け入れられていて、気が付くとそのウェーブのかかった髪が嫌いじゃなくなっていたのです。
 というかむしろ、好きになってきたのですね。

 昔はあれほど嫌だったのに、不思議なものです。

 成長の過程で、自分のアイデンティティを確立していくのだと思いますが、いつしかこの髪も自分のアイデンティティのひとつなのだと認識できるようになったのかもしれません。

 そしてそれは、髪のことだけではないな、と思いました。

 昔はぼくは、どちらかといえば自分のことがあまり好きではなかったかもしれません。

 でも、今になって感じるのは、
 「案外自分のこと好きかも?」
 ということです。

 もちろん、今でも失敗したり、なんでこうしてしまったんだろう?と後悔したり、そんなことばかりですが、それでもそのうち、それが自分なんだから、と肯定できるようになってきた気がします。

 生きているうちに、心が図太くなってきたのでしょうか(笑)
 それもあるかもですが、何となく自分が思う自分の姿と、本当の自分の姿とのギャップが小さくなってきたのかもしれないですね。

 これも、色んな経験を積み重ねてきた結果なのでしょう。
 経験って大切なのだな、と今になって想います。引っ込み思案にならず、もっと積極的に色んな経験をしていたら、もっと早くにこんな境地になれたのかもしれないな、と思ったりしますが、でもこれがぼくなんですね。
 これがぼくにとっての最短距離だったのかもしれませんね。

 でもまだまだ道半ば。

 これからも色んな経験を積んでいきたいものです。



読んでいただいて、とてもうれしいです!