見出し画像

その日の湿度は髪の具合でわかる

天然パーマである。
何を隠そう私は天然パーマの持ち主である。

いい年齢になったくらいからなぜか落ち着いたのだが、今でもその名残は残っているし、25歳くらいまではけっこうな勢いで炸裂していた。

それこそ、幼い頃の写真を見るとびっくりする。
載せることはもちろんできないので例のごとく絵にさせていただこう。




クリンクリンやないか。(当方関西の出身ではありません)



イラストだから、大袈裟に描いたのだろうと思われるかもしれない。
いや、違う。
本当にこんな写真だ。

幼い頃こそ自覚はなかったが、物心ついた頃は友だちと違う髪の毛を毎日気にしていた。
流石に「凪のお暇」の凪ほどとは言わない状態であったが、少女漫画の主人公のようなさらさらのロングヘアー、うねりのないぱっつん前髪にどれだけ憧れたことだろう。夢にまで見たほどだ。



この天パーとの歴史は深く、思春期〜20代前半においてさまざまな思い、人の反応、事件、心の葛藤などなかなかドラマチックな展開がいくつもあるのだが、それは後々語ることにしよう。(いや語らないかもしれません)
ひとまず今日私が言いたいことはこれだ。

天然パーマの人は髪の具合で湿度がわかる。

これに尽きる。


天然パーマというか、くせ毛の人はおわかりいただけることと思う。
湿度を含んだ空気によって、その日の髪型(コンディション)が変わる。
直毛の人には「???」という感覚かもしれない。「いや多少まとまりづらさを感じることはあってもさすがに”髪型”は変わらないでしょう〜」などと思うかもしれない。


湿度で、その日の、髪型が、変わるんです。

昔の私はただひたすらにロングヘアーに憧れていたので、20代前半まではたびたび肩以上に髪が伸びていた。
それも真っ直ぐに憧れていたため、学生の頃のアルバイトを含め自分でお小遣いを稼げるようになってからは、ストレートパーマをかけて真っ直ぐにしていた。
ただストレートパーマや縮毛矯正は今ある髪に対して効果をもたらす人工的なものであり、地肌から伸びてくる髪は当然生まれ持ったパーマである。
忙しくなったりたまたま金欠だったりしてストレートにできないと、すぐにまたウェーブ頭に逆戻りだ。

ある期間、生まれ持った天然の髪のままでいたことがあった。私も人工物で自分を偽ることにほとほと疲れていたのかもしれない。
冬だからと油断していた。
夏場のように汗もかかないし(汗によっても髪型が変わります)、朝多少ドライヤーでなんとかすればまっすぐとはいかなくてもそれなりのまとまりは保っていた。
ある日朝から雨が降った。
職場に行くと、ある先輩が開口一番、
「あれ、パーマかけた?」
お、来たかと思いつつ「かけてないんですぅ」、これ天然パーマでと言おうとしたところで別の先輩が
「天然パーマなんだよね、いいなぁ」
とすかさずフォローしてくれた。その後、
「でもウェーブ具合がかなり違うね、天気によってこんなに違うんだぁ。」
「大違いですよ、その日によって違うんですよ。」
「すごい。日替わりじゃん。日替わりロールじゃん。

(「日替わりロール」という言葉がツボにハマってしまいその後しばらく思い出し笑いした。今も笑いながら書いている。)

日替わり、つまりその日の具合で違う

この場合の具合とは天気である

天気の条件下で髪に大きな影響を及ぼしているのは湿度である。

この”日替わりロール事件”が、「湿度で髪型が変わる」という真理に行き着いた所以だ。
(この日替わりロールの先輩とは十数年経った今でも連絡を取り合っていて、私の数少ない友人のお1人です。本当にありがとうございます。)

前述したとおり、なぜか今私の天然パーマは落ち着いている。
名残はあるがそれは毛先やサイドなど一部分で、むしろ、「この人ちょっとしたアレンジを効かせてきているな」という具合になっている。だから「髪型が変わる」とまではいかなくなった。
ただ、湿度はわかるのである。

私の髪は細くやわらかい。ハリやコシがない。
「ふわふわとしたウェーブ」というと北欧あたりの小さい子どものような、まるで天使のようなものをイメージするかもしれないが、それは違った。
やわらかくてハリがないためにぺしゃっとなりやすい。さらにうねっている。
(これが、サラサラと風になびく髪が物語に映えいくつもの泣ける場面を生み出していた少女漫画の恋愛物語に憧れていた私からするとあまりにかけ離れたものだった。)

このコシのなさ、が、湿度の高い日と低い日でまったく違う。
乾燥した日であればこの髪なりにハリがある。ただ湿気の含んだ空気の日はこれがまるでない。
表現するならば、
「しんなり」「ヘニャヘニャ」「ふにゃふにゃ」「しなしな」
こんなところだろうか。
まるで茹で過ぎたパスタ・・・いや素麺。歯応えがまるでない。
専門家でないのでどういった原理でこうなるのかはわからないが、本当にこのような変化が起きてくる。

そして昨日、私の髪は朝触った時に上記のような感触を覚えた。
おや、今日は湿度が高いな。
そしてその日の夜、雨が降ったのである。
「やっぱり・・・!」


湿度は、髪の具合で測れます。




変な記事、お読みいただいてありがとうございました・・・。


この記事が参加している募集

熟成下書き

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?