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クリスマス・イブの思い出

 12月24日。クリスマス・イブ。

 子どものころは、その日には心がワクワクしたものだ。この日は大抵小学校の終業式で(今は違うみたいだけれど)、学校は午前中に終わった。

 母親はいつものように仕事で夜にならないと帰ってこない。

 昼間はいつものように、寒空の下を友だちと走り回り、しかしその日は少し早めにぼくは家に帰ってくる。

 夕方には、ぼくはこたつに入りながら、クリスマスの特別アニメなんかのテレビを見て過ごすのが好きだったのだ。

 心象風景として、こういうのがとても鮮やかにぼくの心に残っている。

 

 石油ストーブとこたつがあって、その直接的な暖かみが、今思うととても心地よかったのだなぁ。
 今は、こたつはあるけれど、石油ストーブの代わりはエアコンになってしまっているので、暖かさもぼんやりとつかみどころがない気がする。


 母親が帰ってきてからの夕飯なので、割と遅めではあったが、その夜のメニューは骨付きのチキンの照り焼き。みそ汁の代わりにコーンスープが出た。
 それがぼくにとってのクリスマスになる。どこかとてもキラキラしていたのを覚えている。


 こういう風景が、何年くらいあったのだろうか?
 10年以上あったようにも思えるけれど、実はもっと短い期間だったのかもしれない。

 でも、クリスマス・イブになると、今でもそんな風景を思い出すのだ。

読んでいただいて、とてもうれしいです!