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【水星の魔女】ガンダム素人が「Red:birthmark」を読み解きたい【歌詞考察】

閃ハサの[Alexandros]の「閃光」考察から相変わらずガンダム知識が成長していない私。

「水星の魔女」はずっと気になっていたものの、見た人全員が阿鼻叫喚してる地獄に突っ込みたくない…思っていたが、2期のEDがアイナ・ジ・エンドちゃんと大好きな凛として時雨TKのコラボは見るしかない!

と言うわけで、曲からガンダムに入る希少種が地獄の最中に降り立ちました。

曲が好きでn回もリピした後にようやく意を決して見始めた「水星の魔女」ですが、1話見るごとに歌詞の意味が理解出来てしまうのが苦しくて、今にも窒息死しそうな感覚に陥っています。

凛として時雨ファン目線に近いですが、考察含む自分なりの思ったことのまとめとして気になった箇所をピックアップして書いていきます〜。タイトルの通りガンダム素人なので、解説動画や記事を読みながら書いておりますのでお手柔らかに。

参考した解説↓

(クワイエット・ゼロが難しくて難しくて…あと人間関係はともかく、組織関係も難しい…)

歌詞考察

1番

もう消えた 夢の花が黄色く咲いて 棘になる

「もう消えた 夢の花」=亡くなったミオリネの母。トマトは黄色い花を咲かせるため、母が遺したトマトのこと。

「棘になる」は、トマトの茎に出る棘を「気根」といい、土が固いなどが原因で水分が不足しているため、茎から水分を摂取しようと出現するそうだ。

つまり社長令嬢が故のミオリネ自身の「窮屈さ」を表現しているのではないだろうか。

傷だらけの願いを超えて 君を守れる? 最果てで

1期最終回で父が「生存確率が高い方を選んだ」とミオリネを命懸けで庇ったシーンがあるが、「生前から何としても娘を守る」と言うレンブラン夫婦の約束のことではないだろうか?

おそらくだが、ノートレット(ミオリネの母)は、22話まで来ても死因が明かされていないことから、植物の遺伝子研究が原因で口封じのために何者かに殺された可能性が上げられる。

もしかすると、ミオリネの母はいずれ目をつけられる(殺されなくとも拘束など)ことをあらかじめ分かっており、そのため”植物に遺伝子コードを組み込む”と言う超人的な技術を駆使したのかもしれない。

求めて 求めて 失っている
無色の自分に気付いて絞めつけた

学園では手に入れたいものは”決闘”で決着をつけるというルールで行われるので、負けて「失う」か勝って「手に入れる」のどちらかである。

実際にその意味も含まれるだろうが、「求めて 失っている」は原作小説の「失うものを数えるより、掴みたいものを数える方がずっといい」と、劇中のグエルの台詞「奪うだけでは何も手に入らない」の対比や同意義にもなっているとも思える。

またスレッタは母の操り人形なので、無色の人間=スレッタとも言える。

赤色の感性が美しく見えて

トマトの花言葉は「感謝」と「完成美」なので、「赤色の感性(完成)が美しく見えて」は「水星の魔女」においてのトマトを間接的に表現したのかもしれない。

そして、その歌詞の裏側だ。

ミオリネのためにとはいえ躊躇なく人を殺めたスレッタは道徳観が歪んでしまったまま、スレッタは血だらけの手で笑顔でミオリネに手を差し伸べる。

この時のスレッタは、直前自分を守るために容赦無く敵を撃ち殺した母を目の当たりにしたせいで、同じくスレッタも「人を殺した」より「ミオリネを助けた」事実に軸がシフトしてしまった

そのせいでスレッタは一時的でも赤い血飛沫が美しく見えてしまったのではないだろうか。

曖昧な正義 突き刺した

「曖昧な正義」はガンダムの存在だとする。

ミリオネの「ガンダムを医療で人を救う」か、「ガンダムを武器にして人を殺す」か、使い様によってはエアリアル/ガンダムは正義にも悪にもなる。

己が産み出す痛みが 運命と溶け合う
call me distortion

アイナが「call me distortion(私を歪みと呼んで)」と囁くように歌う。

ここでだ、私がこの単語に疑問に持つ理由は「あのTKがdistortionをそのまま”歪み”と訳すのか?」という点である。

①「収差」

単語の意味としては歪み、歪曲がメジャーであるが、ここでは「カメラの収差」に着目したい。

収差とはカメラ用語ではレンズによる屈折により色のブレやボケ、歪みが起こることである。

収差は全体的なカメラの手ぶれとは違い、撮影した瞬間では気が付かないことが多く、スルーしがちである。そうしたノイズはレタッチした時などに気がつくことが多い。

ここでは「一見して分からないような細かい歪みに気がつけるか?」が重要なポイントなように思う。

スレッタはエアリアルのことを相棒のロボットではなく「家族のよう」と言っていたが、学園に来てから占いで「母から知らされていない兄弟姉妹がいる」ことを指摘されたり、水星ではスレッタにとって”普通”だと思っていたことが、学校に来てから次々と”普通ではなかった”ことが明かされる点も含まれるのではないだろうか?

②エフェクターの歪み

ここでもう1つ、TKはギタリストだ。

TKはギターの音を歪ませるエフェクターを愛用しており、歪み系のエフェクターは主に「オーバードライブ」や「ディストーション」が主流だ。

当たり前だが、TKがエフェクターを踏まなければギターの音色も変わらない、すなわち人間が動かさなければ機械は動かない。

ここで「スレッタの意志が無ければエアリアルも動かない」と言いたいところであるが、エアリアルを操るスレッタは母の言いなりであるため、本当の意味でエアリアルを操っているのは母のプロスペラであると思う次第である、第22話の途中までは。

これらを踏まえて「call me distortion(私を歪みと呼んで)」の本当の意味が「母親に間違った道を教えられたとしても、人殺しと呼ばれてもいい」だったら?

ねえ 許してよ
このナイフは美しい君の未来なのに
痛くなっちゃうから

「ねえ 許してよ」はここもミオリネの前で殺害したトマトシーンに対してのスレッタからミオリネへの謝罪

「ナイフ」=ガンダム、「美しい君の未来」=ミオリネが夢見るガンダムが医療で人を救う世界、「痛くなっちゃうから」=敵とは言え人を殺してしまったスレッタ/エアリアル。

2番

もう消えた 夢の花が黄色く咲いて 棘になる
アザだらけの絆がほら痛みを超えて溶けていけ

「アザだらけの絆」には他にも「ガンダムの呪い」の意味も含まれていると思っており、歴代の戦士たちも今まで”ガンダム”で戦ってきたと思うが「水星の魔女」では使用を禁止されているため、今までの戦績を「絆」と言うワードを使っていると考えている。

その後に続く「溶けていけ」は、エリクトの人格がエアリアルに溶け込まれている事実。

XIIに舞い散る細胞

「XIIに舞い散る細胞」は第5話、占いでは「スレッタには兄弟姉妹がいる」という結果で、その石の出た場所が「12」だったシーン。舞い散る細胞=姉のエリクトであることは確かであろう。

そして「エレクト(スレッタの姉妹)は12人いるのではないか?」という推察である。

「12」という数字は何かしらに使われることが多く、例えばギリシャ神話のオリンポス十二神や、星座や十二方位、仏教の十二神将、日本の干支など国を超えて様々である。

ではギリシャ神話の1柱、ヘルメースははどのような神であるのかご存知だろうか?

水星の神様、そして英名はマーキュリー。

 掠れた夢
無色の君を操るサイボーグの眼

「掠れた夢」=クワイエット・ゼロの阻止に対する厳しさ、「無色の君」=スレッタ、「サイボーグの眼」=エアリアル(ガンダム)/モビルスーツ。

完全な偽物(フェイク) 突き刺した

EDの映像では、エアリアルがスレッタを突き刺すシーンがあるが、ここは母のプロスペラ目線だと推測する。

EDの映像通り”最悪の未来”を想定した場合、エアリアルが用済みとなったスレッタを突き刺す、いや、プロスペラがエアリアルを利用して突き刺し殺すよう仕向ける展開が考えられる。

つまり、プロスペラにとってはスレッタは偽物の娘(愛)。

掠れた私の歪みに抱かれてみてよ
hold me distortion

1Bメロの「call me distortion」の対比となるが、2Bメロでは同じ意味をリフレインしている。ここで先ほどの「ディストーション」とはまた別の視点から話をする。

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第19話で「スレッタはガンダムに乗るためただけに作られた姉のエリクトのリプリチャイルド(クローン)」であることが判明。

プロスペラが愛していたのは長女のエリクトで、作られた娘のスレッタは本当の母の愛情を受けないまま育ってしまっていた。

1期から何かとよくすれ違いを起こしていたスレッタとミオリネだが、「掠れた私の歪みに抱かれてみてよ」=頼って欲しいと「hold me distortion(歪んだ私を抱き締めて)」=頼りたいと考えられる。

ねえ 許してよ この愛撫は鮮やかな君の未来なのに
痛くなっちゃうんだよ

サビはプロスペラ目線に戻るとする。

愛撫を「愛情表現」とすれば、劇中のセリフ「スレッタは自由に生きていいのよね」=「この愛情は貴方のため」と意訳出来る。

前後の「ねえ 許してよ」も「痛くなっちゃうんだよ」は全てプロスペラの偽善。現時点ではスレッタに対して何とも思ってもいないだろう。ここで先程の「完全な偽物(フェイク)」もかかってくると思う。

一度母→ミオリネ&スレッタ→母に目線を戻す歌詞構成にすることで、「スレッタが母親から逃れられない状態(監視状態)」を表現しているのでは無いだろうか。

ラスサビ

片眼で見る夢には 抱きしめたいものなんてない
君の手を繋いで2つで見させて

1サビの「片眼で見える夢なんか欲しくもないものばかりだ」から「片眼で見る夢には 抱きしめたいものなんてない」と確信しているため、「2人で叶える夢だから意味がある」と意訳出来る。

Red:birthmark 脱がしてよ

ここでタイトル回収、「Red:birthmark」とは直訳すると生まれつきある赤いアザだ。

2Aメロの「XIIに舞い散る細胞」のギリシャ神話から続けたい話がある。

もし推察通りエリクトが12人いた場合、スレッタは13人目の子どもである。

西洋では13と言う数字は不吉とされており、スレッタは劇中から分かるようにようにプロスペラのプロジェクトのために生み出された不遇の子である。

(ギリシャ神話では13番目の神・ユダがキリストを裏切った話や、また日本でも十三塚や十三重塔など13は死者を意味するため不吉とされ、建物では13階を作らないなど暗黙のルールが界隈には存在するそうだ)

そう考えると、残念なことに赤い髪のスレッタ=赤いアザ=無い物にする/邪悪な存在と考えることが可能だ。

しかしだ、そんな知りたくなかったスレッタの宿命を取っ払うのがその後に続く「脱がしてよ」である。

視点を広げて「Red:birthmark」を「宿命」と意訳するとする。

不遇の子として生まれたスレッタだが、22話後半で母の無謀なプロジェクトを止めるために、慣れないモビルスーツに乗り、痛みを乗り越え、1人で母を止めようと歯向かうほどに自立していた。

一方で父に振り回され続けてきたミオリネは、元は自分の1人の力で地球に逃げようとしていたが、スレッタに出会うことによってあの気が強いミオリネが心を許しはじめ、会社を設立し、次第に人に頼るようになった。

スレッタにとっては母からの、同時にミオリネは父からの縛りの脱出。「脱がしてよ」はお互いにお互いの宿命からの逃れること。

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そして、一番の問題は最後のフレーズだ。

もう消えた 夢の花が 赤く輝く 星になる

意訳は「ミオリネの母の残したトマトが、黄色い花から赤い実となった」。

ところで、今まで東京喰種の「unravel」やチェンソーマンEDの「first death」を担当してきたあのTKがそんな浅はかに言葉を選ぶだろうか?

クワイエット・ゼロの目的が「戦争のない世界にする」なのは素晴らしい理念であると思うが、その方法が簡潔には「ネットワークで人格を操作する」と言った人権を無視したものである。

おそらく「戦争のない世界にする」と言う理念は実際は表向きで、真の目的は娘のエリクトを永遠の存在にするため、プロスペラが絶対的権力を持って世の中を支配にすることだろう。

つまり、クワイエット・ゼロの1番の問題点は、世の中の秩序が無くなること(世の中が機能しなくなる)では無いだろうか。

その点を踏まえて「赤く輝く=トマトが実る=プロジェクトの成功」と「星になる=プロジェクトの消滅」、その前に「赤く輝く=人間の血飛沫」「星になる=死」と仮定する。


さて、次は誰が犠牲になる?

最終回放映後の追記:

エリーはぬいぐるみに人格を移し、まさかの全員が生き残る想定外のハッピーエンドで終幕。

最終回目前では「赤く輝く=人間の血飛沫」「星になる=死」と仮定したが、「赤く輝く=赤いトマト=スレッタの誰も失いたくないという願いが実った」「星になる=クワイエット・ゼロの消滅」というピースのことだっったと思う。

ああ私は騙されていたんだ、TKの異質な存在に、その才能に。


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