【小説①】神さまと我が子とのおしゃべり聞いちゃった。〜おかあさんが笑顔になる10の法則〜〈第一夜〉
私は涙が止まらなかった。
頑張りすぎなくていいんだ。
スッと心が軽くなった。
これからはもっと
隣の大切な人たちと笑顔で生きていける気がした。
【第一夜】神さまとのおしゃべり?
それはとある深夜のこと。
月明かりが窓から差し込んでいる。
きょきょさんはなぜか
ふと目が覚めた。
しばらく布団に入ったまま
上を向いてぼーっとしていた。
小さな時計の針の音だけが耳に入ってくる。
と思ったら時計の音の他に
何か聞こえる。
ん?声?
リビングで誰か喋ってる?
むむさんとお父さん?
明日も学校なのに
こんな夜遅くにおしゃべりしてるの?
はぁ。お父さん、何考えてるんだよ...あ。
イライラしている自分に気づいて
嫌な気持ちになった。
最近、よくイライラしてしまう。
今日も
やることをやらずに遊んでるむむさんを
怒鳴ってしまった。
なんでこんなにイライラさせるの?
なんでこんなに私はイライラしちゃうの?
子育てってほんっっっっと、難しい。
そんなイライラしてしまう自分が嫌いだった。
可愛い寝顔をみては
「ごめんね。明日は優しくするね」と毎晩思う。
けどそんな心構えはどこへやら。
「早く起きなさい!」と朝からしっかり怒鳴ってる。
愛してるからこそ、必要なこと。
自分にそう言い聞かせてる。
怒りたくないなと思いつつも
さすがに早く寝させないとと
リビングの2人に注意しようと起き上がったそのとき...
え?神様??
横を見ると、
2歳のめめちゃんの隣で
お父さんが大きな口を開けていつも通り
寝てるではないか。
むむさんは誰と喋ってるの?
え?神様???どゆこと?
頭が混乱した。
冷静になれないままだけど
ドアに耳をあて
おしゃべりに耳を澄ましみた。
神さまとの約束。
魔法!?そんなこと...
でもそれのほうが少し納得いく。
現在深夜2時すぎ。
小3のむむさんがこんな時間に起きていられるはずがないもんな。
ということは
むむさんと話してるのは本当に神さまなの?
むむさんはいくつか神さまと約束事をしていた。
あ、確かに今日は4月30日。
むむさん学校から帰ってきたらそそくさと出かけていったな。あれは近所の神社に行ってたんだ。確かになんでかゴミも持ち帰ってきてた。(疲れてたから何も言わなかったけど)
ひとつ気になることがある。
お父さんとお母さんと妹にも起きない魔法がかけてある?私起きちゃってるけど...
気になったがおしゃべりが続いているので
慌てて耳を傾けた。
神さまとおしゃべりの理由。
このおしゃべりの会は今日で2回目なのか。
何が目的なんだろう?
お願いごと?なんだろう?
むむさんは大声で答えた。
え!?わ、私の笑顔!?
神さまとおしゃべりしてる理由は
私の笑顔の為だなんて。
イライラばかりしてるの
やっぱりむむさんも感じてたんだ。
ごめんね。
そしてむむさんの優しさと成長に
胸がキュっとなった。
そしていきなり
神さまの“笑顔になる幸せの授業”が
リビングで開催されることになった。
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