第1話はこちら。
自分を大切にできなくなる呪い
今夜も神さまの幸せの授業が始まった。
確かにそうかもしれない。
ボランティアの人たちもまずは自分の生活を第一に考えることが大切って聞いたことがある。
「自分のことは置いといて今大変な人たちを救うことが優先だー!」と張り切っても、続けられなくなったら意味がない。
私もそうだ。
家族のため、子どもたちのためと
毎日頑張ろうって思ってるけど
結果自分がしんどくなり
コントロールできなくて
家族にイライラしちゃってる。
確かに直接的じゃないけど
私たちがそう教えちゃってるかもしれない。
困っている人がいたら助けてあげなさいって
いうのはもちろん大切なことだけど
そのときの自分の状況にもよるのに
それをちゃんと教えてあげられてない。
今のままだと
自分を犠牲にしてでも
どんなときでも人のために動きなさい
って教えてるのと同じだ。
自分を大切に出来ない理由。
うん。そうなの。
まさに私。
たまに自分にご褒美だー!とかするけど
なんか違う。自分を大切にできてる気がしない。
私も、こわい...
3つの呪い
ここで神さまお得意の黒板を出現させた。
その黒板にはこう書いてあった。
自分を大切にできなくなる呪い...か。
私もしっかり学ばないと。
人の目を気にしすぎる。
あ、そうなんだ。
歌が苦手なの気にしてたんだ。
私たちの前では元気にいつも歌ってたけど
本心は違ったりするんだ。
確かに音程は外れてるけど
私たちを笑顔にしてくれる最高の歌声なのにな。
あ。神さま。またいい言葉。
むむさんは本当に素直だな。
比べすぎている。
あ、私はよく分かる。
インスタで
めめちゃんと同い年のママのアカウントを
ついみちゃう。
そして
「あぁ、この家族はいつも旅行に行ってる」
「可愛い服を毎回着せてあげてる」
「この子はもうしゃべってる」
「ちゃんと座って一人でご飯食べてる」
とかつい比べてる。
私たちには私たちの幸せがあるのに
人の暮らしと比べて勝手にヘコんでる。
確かにこれも自分を大切にできてない
ひとつのきっかけになってる。
先の心配をしすぎている。
これは間違いない。
だって不安だもん。
お金が足りなくなっちゃったらどうするの?
むむさんが勉強できなくて将来困ったらどうするの?
将来の心配は全然なくならない。
だから無理してでも働かなくちゃって思うし
子どもたちが嫌がってもちゃんとしつけないといけないと思ってる。
夢か。
私もイラストレーターになりたいって
小学生のとき思ってた。
けど小学校高学年あたりから
イラストレーターになりたいっていうのが
恥ずかしくなった。
あ、これも人の目を気にしてるからか。
そして中学生のとき
イラストレーターになるのが怖くなった。
将来生活していけるのかなって。
でも正直少し後悔してる。
一度でもイラストレーターを
本気で目指せばよかったなって。
結果、お父さんや子どもたちに会えたから
いいんだけどね。
でも今思えば当時は将来の心配をしすぎて
自分の想いを大切にしてなかったな。
自分を許し、愛すること。
今を大切にすること。
きっとこれにも深い意味があるんだろうな。
#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門