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【小説①】神さまと我が子とのおしゃべり聞いちゃった。〜おかあさんが笑顔になる10の法則〜〈第一夜〉

おかあさんがおかあさんで
本当によかった。

だいじょうぶだよ。
だいじょうぶ。

おかあさんだいじょうぶだよ。
ぼくが守るからね。

だいじょうぶ。
だいじょうぶ。

おかあさんだいすきだよ。

むむより。

私は涙が止まらなかった。

頑張りすぎなくていいんだ。
スッと心が軽くなった。

これからはもっと
隣の大切な人たちと笑顔で生きていける気がした。

この文章はフィクションです。

【簡単なあらすじ】
小3の男の子むむさんともうすぐ2歳の女の子めめちゃんの子育てをお父さんと毎日奮闘するきょきょさん。

きょきょさんは育児、家事、仕事と
忙しい日々を過ごしていて、言うことを全然聞かない子どもたちに毎日イライラしていた。

でももちろん可愛い子どもたち。
寝顔を見ては毎晩後悔。

ある日息子のむむさんが、家族が寝静まった深夜に、リビングで誰かと話してるのに気づいた。

そっと覗くとなんと相手は神さまだった。

「おかあさんの笑顔をもっと見たい」
そんなことをいうむむさんが、神さまからいろんな話を聞いていた。

「ぼくがおかあさんを笑顔にする!」
むむさんはなんと“幸せ”や“子育て”の本質を神様に教わっていた。

その話をこっそり聞くきょきょさん。
聞けば聞くほど涙が止まらなくなっていった。


【第一夜】神さまとのおしゃべり?

それはとある深夜のこと。
月明かりが窓から差し込んでいる。

きょきょさんはなぜか
ふと目が覚めた。

しばらく布団に入ったまま
上を向いてぼーっとしていた。
小さな時計の針の音だけが耳に入ってくる。

と思ったら時計の音の他に
何か聞こえる。

ん?声?
リビングで誰か喋ってる?

むむさんとお父さん?

明日も学校なのに
こんな夜遅くにおしゃべりしてるの?
はぁ。お父さん、何考えてるんだよ...あ。

イライラしている自分に気づいて
嫌な気持ちになった。

最近、よくイライラしてしまう。

今日も
やることをやらずに遊んでるむむさんを
怒鳴ってしまった。

なんでこんなにイライラさせるの?
なんでこんなに私はイライラしちゃうの?

子育てってほんっっっっと、難しい。
そんなイライラしてしまう自分が嫌いだった。

可愛い寝顔をみては
「ごめんね。明日は優しくするね」と毎晩思う。

けどそんな心構えはどこへやら。
「早く起きなさい!」と朝からしっかり怒鳴ってる。

愛してるからこそ、必要なこと。
自分にそう言い聞かせてる。

怒りたくないなと思いつつも
さすがに早く寝させないとと
リビングの2人に注意しようと起き上がったそのとき...

「神さま、今日はどんなこと教えてくれるの?」

え?神様??

横を見ると、
2歳のめめちゃんの隣で
お父さんが大きな口を開けていつも通り
寝てるではないか。

むむさんは誰と喋ってるの?
え?神様???どゆこと?

頭が混乱した。
冷静になれないままだけど

ドアに耳をあて
おしゃべりに耳を澄ましみた。



神さまとの約束。

むむ「ねぇ神さま。今日も魔法使ってるの?」

神さま「使っておるよ。そうじゃなきゃきみは今頃眠くて眠くてたまらないはずじゃろ」 

むむ「全然眠くない!」

魔法!?そんなこと...
でもそれのほうが少し納得いく。

現在深夜2時すぎ。
小3のむむさんがこんな時間に起きていられるはずがないもんな。

ということは
むむさんと話してるのは本当に神さまなの?

神さま「今日もまずは約束の確認じゃ」
むむ「うん!」

神さま「約束のひとつ目はなんじゃったかな?」
むむ「このことを誰にも言わない!」

神さま「うむ、すばらしい」

むむさんはいくつか神さまと約束事をしていた。

①この出来事を誰にも言わないこと。
(言ってしまったらこのおしゃべりはおしまいで、記憶も消されてしまう)
②おしゃべりは毎月30日の夜2時から行う。
(魔法で神さまが起こしてくれる。お父さんとお母さんと妹にも起きない魔法をかけてある)
③毎月30日に神社にお参りにいくこと。そのとき神社のゴミ拾いをすること。

あ、確かに今日は4月30日。

むむさん学校から帰ってきたらそそくさと出かけていったな。あれは近所の神社に行ってたんだ。確かになんでかゴミも持ち帰ってきてた。(疲れてたから何も言わなかったけど)

ひとつ気になることがある。

お父さんとお母さんと妹にも起きない魔法がかけてある?私起きちゃってるけど...

気になったがおしゃべりが続いているので
慌てて耳を傾けた。



神さまとおしゃべりの理由。

むむさん「今日は何を教えてくれるの?」

神さま「今日で2回目だが先月のことは覚えているかな?」

むむさん「んーとね...忘れちゃった!」
神さま「誤魔化さないのが素直でエラい!」

このおしゃべりの会は今日で2回目なのか。
何が目的なんだろう?

神さま「そもそもなんでわしがキミの前に出てきたかは覚えているか?」
むむさん「それは覚えてる!ぼくが神社でお願い事したから!

お願いごと?なんだろう?

神さま「どんなお願いだったかな?」

むむさんは大声で答えた。

おかあさんにもっと笑顔が増えますように!

え!?わ、私の笑顔!?

神さま「ほほほほ。元気でよろしい。魔法をかけてなかったらお母さんに聞こえてるところじゃな」

むむさん「へへ。つい」

神さま「前回の話は、おかあさんを笑顔にするのは、わしではなくキミ自身だ。だからわしは笑顔にする方法を伝えるからな、という話をしたんじゃよ」
むむさん「そうだった!」

神さまとおしゃべりしてる理由は
私の笑顔の為だなんて。

イライラばかりしてるの
やっぱりむむさんも感じてたんだ。

ごめんね。

そしてむむさんの優しさと成長に
胸がキュっとなった。

神さま「じゃあ今日から、“お母さんを笑顔にする方法”を具体的に教えていくぞ」

そしていきなり
神さまの“笑顔になる幸せの授業”
リビングで開催されることになった。

第2話 鏡の法則。

第3話 幸せは目の前にある。

第4話 夫への感謝。

第5話 自分を大切に出来なくなる呪い。

第6話 自分を許し、愛す。

第7話 荷物を下ろして軽くなる。

第8話 心からの幸せ。

第9話 本当の親の役割。

最終第10話 我が子からのお手紙。

#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門

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