第1話はこちら。
親の本当の役割。
きょきょさんは
質問するのに少し躊躇した。
しかし思い切って言葉を発した。
ドキドキした。
親がこんな質問していいのかと。
親として頼りないことを
自分で認めるような気がして。
でも次の神さまの言葉で
涙が溢れた。
親になったから今まで
ずっと切れなかった緊張の糸が
プツンと切れたような気がした。
フッと体と心が軽くなった。
神さまはやっぱり魔法が使えるんだ。
すごいな。
幸せの土壌を耕す。
幸せの土壌?
あ、そうかも。
勉強しないと幸せになれないと勝手に思って
無理やり勉強させたり、
いや、もっと昔からだ。
ご飯中歩き回ってるとき
このままだと将来こんなんじゃきっと困ると
叱って泣いてでも座らせた。
「抱っこ」と言われても
抱っこ癖がついたり、甘えん坊になると思って
泣いて言われても抱っこしなかった。
でもそれは
私が勝手にむむさんの心に入って
花を咲かそうしてたんだ。
むむさんが私の笑顔を願ってること。
神さまの話を一生懸命聞いてること。
聞いたあとしっかり実践していること。
むむさんはすごかった。
想像以上に成長していた。
すでに立派な花を咲かせようとしてる。
むむさんはちゃんと自分で
花を咲かせることができる。
そう信じることがこれから
私には必要なんだ。
子どもは親の鏡。
親が花を咲かせようとしないということは
理解できた。
幸せの土壌ってなんなんだろう?
あ、今までの授業...。
黒板を出し、その詩を浮かび上がらせた。
私が笑顔になったらむむさんは笑顔になる。
私が幸せだったらむむさんも幸せになる。
なんとも分かりやすい。
逆に私がいつも不安がってたら
むむさんも不安がるようになるし
人にイライラしていたら
むむさんもいつか人にイライラするようになる。
ということは
私たち親の役割は...
信頼。
神さまはパッと
黒板の文字を変えた。
子育てって、
むむさんの将来のことを考えて
いろいろ準備することだと思ってた。
きょきょさんは一気に
子育てがシンプルに感じられた。