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【小説⑥】神さまと我が子のおしゃべり聞いちゃった。〜おかあさんが笑顔になる10の法則〜〈第二夜〉

第1話はこちら。


自分を許し、愛す。

これはフィクションです。

神さま「呪いを解く方法は簡単じゃ。一つ目は自分を許して、いっぱい愛することじゃ」

これ簡単そうで難しい。
私はどーしても自分を責めちゃう。

今日もイライラしちゃった。
やると決めたことをできていない。

毎晩なんかモヤモヤした気持ちで
眠りについてる。

むむさん「許して、愛するって?」

神さま「言葉のまんまじゃ。毎日うまくいく人はおらん。失敗はいいことなんじゃが、みんな失敗した自分をたくさん責める。

ただただそんな自分を許すんじゃ。そしてそんな自分を愛するんじゃ

その「ただ許す」が難しいの。

神さま「これが出来ないという大人は多い。そういうときはな、一度目を閉じるんじゃ」

むむさん「閉じたよ!」

神さま「例えば誰かにイライラしたとしたときはこうするんじゃ」

きょきょさんも目を閉じてみた。

神さま「まず深呼吸をする。呼吸を整えるんじゃ。呼吸と心は繋がっておる。呼吸を整えると心も落ち着くんじゃ。そして心の中でこう呟く。

イライラした自分も許して、愛します”と。
気持ちが落ち着くまで何回でも繰り返すんじゃ」

え、本当に?
そんなことでいいの?

でも今回の宿題をやったときも
すごく前向きなことが起きた。

きっとこれも効果があるんだ。
やってみよう。

神さま「あとな、こう思うんじゃ。失敗することやイライラすること、“全てが人間らしくて可愛い”とな。

失敗するということは、より人間らしくなっているということじゃ。素晴らしいことなんじゃ」

失敗は人間らしくて可愛い...か。
確かに子どもにもそう教えたいな。


今を集中する。

むむさん「深呼吸すると落ちつくね!」

神さま「そうじゃろ。呼吸と言葉。これにはすごいパワーがあるんじゃ」

むむさん「すごいね!お母さんにも教えてあげる!」

神さま「ぜひそうしてあげなさい。そして自分を大切にする方法はもう一つあるぞ。それは今に集中することじゃ

これはどういうことだろ。
今に集中って具体的にどうすること?

私も今に集中してるつもり。

将来が心配だからこそ
今という時間を大切に使って
一生懸命仕事をしているし

むむさんの将来が心配だからこそ
今ちゃんとしつけをしないと、と意識してる。

これは今に集中できてないかな?

むむさん「今を集中するってどういうこと?」

神さま「そのまんまの意味じゃが、まずひとつ現代の人たちは『今』ではなく、『過去』や『未来』に囚われている。それは、今に集中出来ておらんな」

あ、私だ。
私は「未来」に囚われてる。

それはいけないこと?

神さま「人生とは、“今”の積み重ねじゃ。未来を意識しすぎて、今笑えないで暮らしている人がたくさんいる。しかも、そんなに考えていた未来なのに、思ったような未来が来ないことの方が多いしな」

ドキ。
図星をつかれた感覚。

どれだけ今を犠牲にして
未来のために仕事をして貯金をしても
正直不安は無くなってない。

子どもたちにしつけをしても
正直思った通りにいくことは少ない。

むしろ悪い方向にいってる気がする。

神さま「未来なんてどうなるか分からん。5年前の想像通りになっているかな?」

あ、全然だ。
めめちゃんが産まれて2人目を子育てしてるって
5年前は思ってなかった。

神さま「10年前にこんなに日本人のほぼ全員がスマホを持つ未来が来るってほとんどの人が信じてなかった。そんくらい未来は不確定なんじゃ」

スマホが出た当時
「私は一生ガラケー使う!」なんて言ってたな。

神さま「どうなるか分からない未来に不安がり、“今”の笑顔がなくなるならば、今に集中して楽しんだほうが良かろう」

むむさん「途中話ついていけなかったけど、最後のはたしかにそうかもしれない!」

今に集中か。
将来の子どもたちを不安がるより
もっと今の子どもたちをみてあげないといけないのかもな。


まずはご飯に集中する。

神さま「今を集中するために、いい練習方法がある」

むむさん「なになに?」

神さま「ご飯を集中して食べるんじゃ

ご飯?

むむさん「ごはんちゃんとこぼさず集中して食べてるよ!」

神さま「ほっほっ。確かにこぼさないことも大切じゃ。けどキミはテレビを観ながらご飯を食べてないかい?」

むむさん「う...と、と、時々ね!」

わ、私も時々スマホを見ながら食べちゃう。

神さま「何かをしながら食べるのはやめて、一口一口に集中する。例えば焼き魚を食べるときも、よーく見て、匂いを楽しみ、ゆっくり口の中に運ぶ。ゆっくり噛みしめて味わうんじゃ」

むむさん「え!めっちゃ時間かかりそう!」

神さま「時間かかってええんじゃ。みんな食事を“作業”だと思ってる人が多すぎる。

食事は命をいただく、感謝の時間じゃ。時間かけていただくのが当たり前じゃ。

ご飯を作業として食べている人は、他の暮らしも作業としている場合が多い。そうなると、心がどんどん乱れてくるのじゃ」

心にズバズバ刺さりすぎる。
苦しいくらい。

確かにご飯は毎日しなくちゃいけない作業
だと思っていた自分がいる。

神さま「集中して食べるとな、心の底から美味しさを楽しめる。それだけで幸福度が増すんじゃ

しかもな、ご飯に集中してるということは
そのときは不安なことを考えることができないから、心が落ちつくんじゃ


荷物を持ちすぎている。

神さま「ご飯をはじめとして、集中する良さを経験したら、他の暮らしについても同じように集中してみる。掃除も集中すると、心のゆとりが出来やすいぞ」

むむさん「やってみる!」

さっきの“作業”という言葉が響いたな。

私は「暮らしを作業」としていてきたかもしれない。
うん。明日からちょっと意識して全ての当たり前の日常に集中してみよう。

神さま「これが自分を大切にするために重要なことじゃ」

むむさん「自分を許して愛すること。今に集中すること」

神さま「素晴らしい。でもなそれを知っていても出来ない人がいるんじゃ」

むむさん「出来ないって、自分を許したり、今に集中することを?」

神さま「そうじゃ」

そうなんだよね。
神さまの言ってることはすごく分かる。
そして実践しようとも思う。

けどなんだか出来る気がしないの。

忙しい毎日の中で、自分を許せるかな。
今に周できるかな。

自信がない。

神さま「そこで今夜の最後の話じゃ。自分を許したり、今に集中出来ない理由じゃ」

神さま「うん。なんで?」

神さま「それは心に荷物を持ちすぎているんじゃ

心に荷物を持ちすぎている...

初めて聞く言葉だけど
なんとなく言ってること分かる気がする。

神さま「心の荷物を下ろすには、自分が何を持ちすぎているのか知る必要がある。

逆に言えば持ちすぎてる荷物を下ろせば、こんなに軽くていいのかなと思うくらい、心にゆとりができるぞ」

私の心は何を持ちすぎているんだろう。

#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門

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