背中の痛みと嫁のいたわり
ピキッ・・・
重い物を変な体勢で持ち上げると
たまに背中の筋肉を痛めてしまう。
痛めてしまうと憂鬱の日が始まる。
起きていても、寝ていても痛むし
体を動かすことがイヤになるしで
行動に制限がかかる感じが残念だ。
先日、久しぶりにまた痛めてしまった。
「嫁ちゃん、ごめん、背中痛めたみたい」
嫁に謝るのは、前回迷惑をかけたから。
痛いときは、寝て治すのが一番早いと
私はひたすら休養に専念していたのだ。
洗い物くらいはなんとかできるのだが
買い物や床掃除なんかがキツくダルイ。
単純に、嫁の家事負担が増えてしまう。
今回もそうなることを見越して謝った。
「そっか。じゃあ、お風呂入ろう」
お風呂?嫁が意外なことを言い出した。
体を温めて、はやく治そうってことか?
「わたしがケアしてあげるよ」
そんなこんなでお風呂。自宅のお風呂。
「痛いのはここデスカー?ぐいぐい」
「ぐおおお!そこ、そこです」
嫁のリラクゼーションスパが開幕した。
身体を念入りに温めてもらったあとに
嫁による背部マッサージが敢行される。
ひとしきり終えたら湯船に何かを投入。
どうやら発汗作用のある入浴剤らしい。
「さあさあ、入って温まろううね」
「うおおお!暑い!あったかい!」
じっくりじんわり湯船に浸かった私。
マッサージの余韻も相まり私の体は
かなりイイ感じにポカポカしてきた。
「じゃあ、体拭いたらベッドに寝てね」
「え、まだなにかしてくれるの?」
いつも就寝しているベッドにうつ伏せになり
体の力をだるんだるんに抜く。ああ心地よい。
これでズキズキと続く背中の痛みがなければ。
「それじゃあ仕上げのマッサージね。ぐりぐり」
「ぐおおおお!痛いです!痛いです!ぎゃああ」
お風呂のマッサージは単なる序章にすぎない。
本番はこれからってワケだ!
「お客サーン、ドコが痛みますかー?ココかー」
「だからそこ!うぉおおお!そこですよおおお」
断言できるけど、このとき今年一番絶叫した。
涙も出たし鼻水も出た。汗はきっと冷や汗だ。
そこから10分ほど、頭から臀部にいたるまで
全身マッサージを嫁が行ってくれたのだった。
そういえば言ってなかったけど
嫁は、マッサージをたまにしてくれる。
それが抜群に上手い。少し(かなり)痛いが。
「はい、おしまい」
「・・・あ・・・」
「あっ、しんでる」
「いや生きてるよ。ありがとうございました…」
「いいってことよ」
盛大にわめき散らして痛がった私だけど
施術(?)後、痛みはだいぶ引いていた。
「なんか、背中がとってもいい感じだよ」
「すっごく凝り固まってたからね、筋肉」
嫁いわく、背中を痛めているときというのは
背中の筋肉がへんに強張っているものらしい。
その強張りをほぐして取ってあげたとのこと。
事実、前回は一週間ほど続いた背中の痛みが
今回はたったの二日で超回復した。マジかよ。
「夫くんが寝込んでるとつまんないからね」
オーマイガー、なんという嫁。最高の嫁様よ。
今度はお返しにヘッドスパをやってあげよう。
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