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元気な繊細さん

薄暗い森に迷い込んでしまった。
全く見えないことはないが、暗い。

神経がいやおうなしに昂る。
葉をカサっと鳴らす虫の存在を感じる。
どこか遠くで動物の息づかいを感じる。
足元を見ると朽ちた木々が倒れている。

道と呼べるのだろうか。
木々の間を人ひとり通れる隙間がある。
尖った枝がそこらじゅうに伸びている。
腕を上げて顔をかばい、とにかく進む。

ああ、はやく、この森を抜けたい。

安全で清潔で明るい自分の部屋に戻って
柔らかいベッドにうずまりたい。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

いわゆる繊細さんには
「元気な繊細さん」と
「疲れている繊細さん」の
二種類の方がいるそうです。

私のような鈍感さんと比べると繊細さんの
感受性アンテナはビンビンに感度が高くて
良いものをたくさん感知します。でも
悪いものも同じくらい感知しちゃいます。

そして、同じ空間に
「良いもの」と「悪いもの」がある場合だと
「悪いもの」を優先して感知してしまいます。

冒頭の森のような所に入ってしまった場合は
とにかく危険から自分の身を守るべく
様々な「悪いもの」に集中してしまいます。

たとえ綺麗な花がひっそり咲いていても
愛くるしい小動物が木の間から覗いても
見えません。
見えないというより気にしてる場合じゃない。

つまり
「痛み」とか「ストレス」が多い場所では
「良いもの」を感じにくくなるんです。

そうして
「悪いもの」ばかりキャッチしつづけると
「疲れている繊細さん」になります。

そりゃあ、そうですよね。
心が休まる時がないんですもん。

あ、ちなみに私のような鈍感さんだったら
「悪いもの」にそもそも気付かないので
あんまり疲れないんですよね。
尖った枝で腕を擦っても特に問題ないし
倒木に足をとられても「あぶなっ」で済む。
いい意味でポジティブっていう感じです。

しかし一方で
「元気な繊細さん」もいます。
日々穏やかに笑顔で暮らす繊細さんです。

「疲れている繊細さん」からしたら
なんだよそれ、ズルいぞ!って感じですよね。

じゃあ
「元気な繊細さん」と
「疲れている繊細さん」の
何が違うのかって言ったら
環境が違うんです。

自分にとって「痛み」や「ストレス」が
多い環境だったら、疲れてしまいます。
私のような鈍感さんでも疲れるのだから
繊細さんだったら病気になるレベルです。

つまり
私たち(特に繊細さん)に必要なことは
「痛み」とか
「ストレス」に耐えることじゃなくて

「こういう所が好き」
「私はこうしたいなあ」って
自分の本音をしっかりキャッチして
自分に合った環境を整えることなんです。

具体的に言うと部屋、職場。そして仕事。
もちろん人間関係も。
休日に一緒に過ごす人だってすごく大事。
心を乱す人と“おつきあい”なんてしない。

そういった環境を選ぶことで
「元気な繊細さん」になれるのだと思います。

私のような鈍感さんだって
いい環境だとやっぱり嬉しく思いますもん。


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