『罪と罰』⑥ 老婆殺人計画浮上
さて、前回の続きです。ラスコーリニコフは、ドゥーニャが自分を犠牲にしてルージン氏と結婚をしようとしていることに憤りますが、ふと、そもそもの原因が自分にもあることに気がつきます。仮に、いずれ良い職業につけたとしても、当分はその目途も立たない。そんな自分の状況を皮肉に自虐しつつラスコーリニコフは言います。
早く手を打たないとドゥーニャがルージンと結婚しなくてはいけなくなる。あるいはそうしなければ、極貧の中でつぶれてしまう。そういう焦る気持ちと共に、ラスコーリニコフはこう考え