Looking back on the street corner.
「ニール! 女の子が呼んでるぞ!」
「誰?」
「確か…ラングリッジのお嬢さんだって」
「……出てくる。後は頼んだ」
その名前に、期待してしまったのは事実だ。
宿舎を出て、見慣れた濃紺の髪を探す。外にはあまり人がいないから、すぐに見つかるものかと思ったが。
「ニールさん」
後ろからの呼び声に振り向く。想像していた声と違っていたのは当たり前だった。
そこにいたのは婚約者の妹。
「…久し振りだね、リーン」
「ええ、お久しぶりです。姉さんじゃなくてすみません」
姉と同じ金色の目を細め