短歌 小夜風

新宿へ向かう列車の最後尾 は、る、と口にし小夜風を待つ

ラッシュと逆向きの列車に乗る時の、ほんのりとした愉悦。こんな時間から新宿に向かうのには、ちょっとした理由があって。

その理由を、早くきみに話したくて、駅のホームで私は、すっかり浮き足立っている。

寒さらしい寒さも、今日までらしい。明日からはスプリングコートを常用できるのが、心まで身軽になれたみたいで、とても嬉しい。

春が来たら、たくさん笑いたい。そのために耐えた冬だったと、胸を張りたい。不器用さは変わらなくても、景色は絶えず変化しているから、その一部である私も、きっと変わっていくんだろう。

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