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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2018年6月の記事一覧

だってフィーバーなんだもの

だってフィーバーなんだもの

こんにちは、笹塚です。今日からロードショーだった映画「猫は抱くもの」を観てきました。前情報なし、予備知識なしで観たのですが、

わたし的にどストライクでした。

正直、万人ウケはしないと思いました。前衛的というか、さまざまなチャレンジや工夫が散りばめられていて、観る人を選ぶ印象でした。でも、わたし的にはフィーリングにビシバシくる、クリエイティブな作品だと思いました。あとね、

キイロがかわいすぎる

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短歌 優しさ 十首

短歌 優しさ 十首

優しさは真綿となってその首に巻きつくために存在してる

忘却はなだらかな線を描いてやがてあなたの鎖骨に刺さる

愛してる愛してたまだ愛してる 振り子の等時性を疑う

曇天でよかった私もう少し誰も呪わず生きてゆけそう

錠剤の半分がもし優しさであるならあなたの喉に焼きつくはずだ

「WC」これなんですがトイレではなくてワールドカップなんです

優しさと牙を抜かれただけのこと違

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短歌 中央線 十首

短歌 中央線 十首

街中のネオンサインを消し去って残る文字こそ私の名前

泣きながら生まれてきたしこの頃は笑ってみても咎められない

通過駅に懐かしい名を見つけて頭の中で絶叫をする

繋ぐ手に嘘偽りはありません 冷や汗動悸 いいえときめき

東京をドヤ顔をして通過する中央線に宿る郷愁

いくつもの終わりを見てる線路上をなめらかに行くぼくたちの罪

歴史家が興味深いと言っていたエッグタルトの正し

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短歌 梅雨 十首

短歌 梅雨 十首

情報のソースを出せと責められてあなたを好きな理由が滲む

傘の花咲く街を行くふたりきり こうも雨では影も伸ばせぬ

特急の窓に打つ雨の滴がそれでいいよと囁いている

雨の夜に巣食った油断をこれから恋と呼ぼうか馬鹿と呼ぼうか

手放した思い出たちが暴れてももう大丈夫君がいるから

願い事の数だけ息がしづらいと知ったときから強くなれたよ

雨音がワルツになれば二人して悪という字

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