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春の予感

今日は2月4日、立春。

「に(2)し(4)」の語呂合わせから、
「西の日」と定められている。

冬の終わりを告げ、春を連れて来る西風。

風の神様といえば、日本では『風神雷神』の風神様が浮かぶが、西洋における風の神はギリシア神話の風の神たち。アネモイ Ἄνεμοι, Anemoi,  と呼ぶらしい。

主要なアネモイは4柱。

東風 エウロス  Εύρος, Euros 
いかなる季節とも関連づけられていない

西風 ゼフュロス Ζέφυρος, Zephyros 
春と初夏のそよ風を運ぶ

南風 ノトス Νότος, Notos 
晩夏の豊かな秋を運ぶ

北風 ボレアス Βορέας, Boreas 
冷たい冬の空気を運ぶ

西風の神ゼフュロスは、アネモイの中で最も温和で、春の訪れを告げる豊穣の風として知られており、
虹の女神イリスの夫でもあった。


20代より愛用している香水がある。
「フィレンツェの百合」の別称を持つ「Iris」。

アイリスは、ギリシャ語で「虹」を意味する。
花言葉は「恋の使者」。
天上と地上を結ぶ虹の橋を渡り、神々の使徒を務めた虹の女神イリスに由来して名づけられた。

彼女は空と海の女神でもあり、
世界に雲を氾濫させるため必要な水を与え、
「虹」という姿で出現する。
太陽が地球と天国を統一するように、
イリスは人類と神々の間を繋げてきた。

世界の一つの終わりから、
その他の世界へと風の速さで移動し、
深海から黄泉へも足を運んできただろう。

古代エジプトでは、アイリスの3枚の花びらは、
「信仰・知恵・勇気」の象徴とされており、
王家のシンボルとして、ファラオの墓やスフィンクスの額を飾る浮彫に描かれている。

ギリシア神話における女神イリスは、
エジプト神話に登場する女神イシス(Isis)。

イシスは永遠の処女であり、処女のまま神=ホルスを身ごもったことから、イシスがホルスに授乳する様子や処女受胎などが、イエスの母・マリア信仰の元になったともいわれている。

アイリスの香りには、王や神になるための秘密が隠されているのかもしれない。

馴染みの芳香を空に向かってワンプッシュしてみる。
ゴールドのボトルから現れた美しいアーチ。
身に纏った途端、自然と花笑みがこぼれた。