マガジンのカバー画像

今日のココ日(ココルーム日記)

285
毎日が人生劇場、ココルームの日々をほぼ毎日、Facebookで投稿しているココルーム日記(ココ日)。ココ日が一番はじめに投稿されたのは2021年11月のこと。それから5ヶ月経った…
運営しているクリエイター

#KAMAGEI

2022年1月21日

今日のココ日(ココルーム日記) 釜ヶ崎に住むオッチャン、慶次郎さんが、今日ココルームにコーヒーを淹れに来てくれた。 慶次郎さんは今月28日から始まる大阪関西国際芸術祭に参加するココルームの展示場で釜ヶ崎コーヒーを振る舞う予定で、その練習を兼ねて味をみてほしいという。 慶次郎さんの淹れるコーヒーは、まさに釜ヶ崎らしいガツンと苦みが冴え渡る深煎りの味わいだった。 ただ、彼のコーヒー以上に僕が興味を持ったのは、彼がコーヒー道具と一緒に持ってきた古びた鍋だった。 「これ、なに?」 「

2022年1月20日

今日のココ日(ココルーム日記) 「最近なぁんにもやる気がおきひんのや」 今朝、スーパー玉出のチラシで作ったコヨリでお城や通天閣を組み立てる釜ヶ崎のオッチャンが、ココルームに来るやいなやそう言った。 いつも「あんた東京行って悪いことばっかりしてきたんやろ」など冗談を言っては僕をからかうオッチャンが珍しくしおらしいので、僕は少し心配になった。 「オッチャン、どうしたん?コーヒーでも飲んで気分転換してったら?」 僕は最近友人から届けられたばかりの浅煎り豆を使ってコーヒーを淹れた。

2022年1月19日

今日のココ日(ココルーム日記) 今日は関わっているアジアの詩集作りのために「うんこさんの話」という釜ヶ崎在住のオッチャンが書いた詩を英訳していた。 これはココルーム代表の假奈代さんが編み出した「こころのたねとして」という手法を使って、その場で出会った二人が一組になりお互いの話を聞きながら詩を作り合うというやり方で出来た作品だ。 この詩を書いた岡本さんは掘り方と呼ばれる掘削作業のプロだった。 2013年からココルームに来るようになり、以来釜ヶ崎芸術大学の講座のレギュラーとして、

2022年1月18日

今日のココ日(ココルーム日記) いつもココルームを元気な声と陽気な笑い声で盛り上げてくれている自称「おしかけスタッフ」のゲンちゃん。 何事にも全力で取り組んで、ココルームに来た頃は右も左も分からずてんてこまいだったまかないご飯の準備やゲストハウスの運営も、今や現場の中心になって切り盛りしている。 ゲンちゃんの行動は常に全力であるがゆえに時々僕たちがびっくりするようなハプニングになったりもする。 ゲンちゃんがココルームにやってきてまだ間もない頃。 ゲンちゃんはバザーを売り上げる

2022年1月17日

今日のここ日 [期間限定メニュー、ぜんざい] 最近大阪に越してきて、大阪は東京より暖かいなぁと油断していたら大変! どんどん寒くなり、帽子にマフラー、ダウンを着込んで仕事をする日々です… そういえばココルームのキッチンにある食料品入れを整理していると小豆がたくさん出てきたのでぜんざいを作ってみました ぜんざいに入れたお餅は、ココルームによく来てくれるアベカナちゃんが差し入れてくれた「山形の女もち」! 噛んだときの弾力が抜群、つるつるの喉越しでとても美味しいと評判です。(アベカ

2022年1月16日

今日のココ日(ココルーム日記) ココルームを盟友と思ってくれているラッパーのSHINGO★西成が独立して最初に作ったアルバムとポスターやチラシを持って来てくれた。 SHINGOくんは自分のYouTubeのロケにココルームを時々使ってくれていて、ココルーム代表の假奈代さんともお互いへの信頼とリスペクトで結ばれている。 SHINGOくんが困窮者のための米を3トン以上集めた去年の夏の米カンパライブにはココルームも呼んでもらって、SHINGOくんの呼びかけに応えて集まった強者パフォー

2021年1月15日

今日のココ日(ココルーム日記) 「テンギョー さん、現場はどう?最近わたしココルームにいられる時間がほんとに少なくて申し訳ない。」 「そうだねぇ。げんちゃん頑張ってインターンたちと現場を支えてくれてるし、相変わらず人手不足でヒリヒリしてるけど、現場の風通しは良いと思うよ。」 「いよいよ風愉ちゃんが1月15日から正規スタッフになるしね。ココルームも次のフェーズに入ってく感じやね。」 「ほんとだね。大変な状況だったけど、よく沈没せずにここまできたなぁ。」 「わたし毎回「もうダメか

2022年1月14日

今日のココイチ(ココルームの一枚) 船場の展示会場で丸裸になったアバター(吉田さん)とアバターが着る着物を繕う本体(ココルーム代表)。 展示作業、いよいよ大詰めです。 (撮った人:テンギョー)

2022年1月13日

今日のココ日(ココルーム日記) 「それ、なんですか?」 釜ヶ崎地域に暮らす人のための社会的つながり事業を行うひと花センターでココルームがコーディネートする書のワークショップの時間に、「六秒待て」と書かれた紙を見て僕はそれを書いたオッチャンに聞いた。 「これか?喧嘩せんコツや」とオッチャンは答えた。 「六秒っていうのが肝なんだね?」 「そうや。カッとなってもグッと六秒こらえろ、そしたら気が変わるからっちゅうことや」 「なるほどねぇ」 「そう簡単にはでけへんけどな」 オッチャンは

2022年1月10日

今日のココ日(ココルーム日記) 今日も朝から船場での展覧会用に展示物の準備に勤しむココルーム一同。 ココルームのスペースを丸ごと展示するために、持っていく物量が半端なく多い。 ヨコハマトリエンナーレの展示物やさいたま国際芸術祭に出展した作品も揃ってきた。 倉庫や物置きからどんどん昔の物品が出てくるので、それらを次々に洗っていく。 掃いたり拭いたり運んだり、ココルームはまるで年末大掃除の雰囲気になった。 ふと庭を見るとお掃除スタッフのしょうゆちゃんがせっせとゴム長靴を洗っていた

2022年1月9日

今日のココ日(ココルーム日記) ココルームではよく色々なところから「あぁっ!」という叫び声が聞こえる。 その声のシリアスさから何か重大なことが起きたのではないかと周りは声の主を緊張の面持ちで見つめるのだが、たいてい大したことではないのだ。 ただ声音のシリアスさが尋常ではないため毎回嫌でも注目せざるを得ない。 今日も夕飯時にフロントからゲンちゃんの「あーーーっ!!」という叫び声が響いた。 食卓の準備をしていた皆んなはすわ一大事かとフロントにいたゲンちゃんに「どうしたっ?!」と声

2022年1月8日

今日のココ日(ココルーム日記) ココルームが釜ヶ崎芸術大学として出展する大阪関西国際芸術祭の開催が今月28日に迫ってきた。 会場となっている船場のビルにココルームをまるっと持っていくような展示になる。 今日は代表の假奈代さんが朝から展示するゴミ箱や井戸の模型に色塗りをしていた。 どんな色でどう塗るとココルーム的デザインになるのか僕には分からないが、假奈代さんのひと塗りひと塗りで見事にココルームらしい色の世界が生まれてくる。 インターンの学生や常連さんたちも加わって作業は着々と

2022年1月7日

今日のココ日(ココルーム日記) ココルームは毎朝ラジオ体操の後、「朝のご機嫌うかがい」と呼ばれる朝礼をやっている。 ご機嫌うかがいの時間にその時の気分や体調を正直に他の人たちと共有することで、仕事中にしんどくなったり、つい自分で自分の機嫌がとれず不機嫌になってしまっても、無理せず周りに助けを求めることができやすい環境作りを心がけている。 とは言え昨晩見た夢の話や朝食べたものの感想などをざっくばらんに話せる場でもある。 今日のご機嫌うかがいには、年末からココルームに宿泊してくれ

2022年1月6日

今日のココ日(ココルーム日記) 昨年末にココルーム代表の假奈代さんが突然「この場所、ココルームの名前は来年4月に釜ヶ崎芸術大学になります!」と発表してから約二週間が過ぎた。 スタッフたちは4月に備えて電話対応を「こんにちは、ココルームです」から「こんにちは、釜ヶ崎芸術大学です」にさっそく変更した。 一見簡単なようで「カマガサキゲイジュツダイガク」をスラスラ言おうと思うと結構難しい。 僕は電話に出る直前、ひと呼吸置いて口の中の筋肉を整えたりしている。 誰よりも明るく大きな声でコ