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心と体をつなぐ技|ココカリ心理学コラム

高校の同級生がオーナーとしてマッサージ店をオープンさせた。開店祝いを兼ねて訪問し、料金を払って指圧師さんに施術してもらった。とても気持ちが良かった。全身マッサージなんて20年前のタイ旅行以来ではないだろうか。普段から肩が凝らないのが自慢だったのだが、揉み始めの段階で「全身の筋肉がガチガチに張ってますね」と言われてしまった。どうやら私は自分の体に鈍感らしい。

心技体という言葉がある。スポーツ界隈でよく使う言葉で、精神力(心)・技術(技)・体力(体)の総称である。心技体の充実とは、身体がしっかり発育し体力があり、高い技術を身に付け、心が落ち着いている様を指す。

心理学的に「心技体」の言葉をみると、漢字の並びが面白いと感じてしまう。心と体を繋ぐのは技なのだ。芸は身を助けるじゃないけど、例えば呼吸法は腹式呼吸で自律神経を安定させる技であり、ジョギングで考え事がまとまったり心が落ち着くのは、心拍数や走る行為に主たる注意が向いて、余計なことを考える隙間がなくなるからだ。マインドフルネス的な「今ここ」に意識を集中させる技術が働いている。元々、心と体は一心同体なのだが、衝撃的な出来事や体調の変化等によって割と簡単に切れてしまう。そんな時は意図的に技術で心と体を結べるといい。

指圧師さんと世間話や体のメンテナンスについて話しながら施術を受けていると、45分なんてあっという間に過ぎてしまった。美容室で話の合う美容師さんに髪を切ってもらいながらおしゃべりしていると、意外とこれがストレス解消になっているあの感じ。体をほぐされながら、心もほぐしてもらった。

心理屋は心理療法と言葉の技で、クライエントの心と体を整えていきたい。