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地球や人に良さげな素材や加工について

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サスティナブルとかオーガニックとかビジネス用に都合よく使ってない?とか、これからちょっと有望そうな技術とか紹介というか備忘録的に。
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日高屋の中華ソバに喩えるTシャツのこと

日高屋の中華ソバに喩えるTシャツのこと

水も人手もセーブできて廉価なTシャツ

手摘み(過酷な労働)の超長綿使を使って毛羽が少なくなるコンパクトヤーンやガス糸をシルケット加工(糸段階と生地段階がある)施し双糸に仕立て薄手のテロっとした光沢のある天竺編みで立体裁断でって謳ってるTシャツにどれほどの価値があるのか、全てのプロセスを認知している繊維の技術者としてちょっと??の部分あり。

水も少なくて害虫にも強く農薬も少なくて済む遺伝子組み換

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無水染色の技術について

無水染色の技術について

繊維の染色業水をたくさん使う、廃液がたくさん出る、それをキレイにして循環させるろ過装置が必要。結果、電気もたくさん使う。いかにもコストがかかり環境負荷も大きい故に、日本の染色業は廃業に追い込まれつつある業種ということができます。残っている染色工場は逆にいうと超優秀な工場です。

一方、発展途上国の染色業は廃液を綺麗にして地球に戻しているところもあるが、往々にしてそのままの廃液を垂れ流す。これの方が

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原理主義か世俗主義か〜オーガニックコットンの認証について

原理主義か世俗主義か〜オーガニックコットンの認証について

2つの認証機関この商品はオーガニックコットンを使っていますよ〜と証明を出してくれる機関は2つあります。GOTS(Global Organic Textile Standard)とOCS(Organic Content Standers)。OCSは以前はOEと呼称していました。

上記のリンク先が英語サイトなので難しいですね。日本オーガニックコットン協会がGOTSについてまとめてくださっています。

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オーガニックコットンは減り続ける!?

オーガニックコットンは減り続ける!?

コストが合わないと誰も買わないという身も蓋もない話をします。

そもそもコットン(綿花)の年間総生産量はどれくらいかというと2018年で2600万tくらいです。ソースはこちら。 日本化学繊維協会の資料です。

かたやオーガニックコットンはというと、ちょっと古いデータですが2016年で、11万t くらいです。ソースはICAC (国際綿花指紋委員会)元専務理事のテリー・タウンセンド氏が寄稿した論文「オ

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