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原理主義か世俗主義か〜オーガニックコットンの認証について

2つの認証機関

この商品はオーガニックコットンを使っていますよ〜と証明を出してくれる機関は2つあります。GOTS(Global Organic Textile Standard)とOCS(Organic Content  Standers)。OCSは以前はOEと呼称していました。

上記のリンク先が英語サイトなので難しいですね。日本オーガニックコットン協会がGOTSについてまとめてくださっています。

OCSの単独の分かりやすい説明サイトがないのですが、こちらが割と分かりやすく説明されています。

オーガニックコットンの定義

 1 農薬や化学肥料を3年間使用していない土壌に、
 2 遺伝子組み換えでない種を撒いて、
 3 殺虫剤や除草剤などの農薬を使わず栽培する

前回のコラムでもお伝えしたように、オーガニックコットンの生産量は全コットン生産量の0.4%しかありません。なぜ、この程度しか普及しないかというと高いから。とはいえ、オーガニックコットンの必要性を訴えるなら、多少高くてもそんなに風合いが良くなくても兎に角たくさん使ってもらう戦略が必要ですね。

ここで2つの考え方があります。

①純度の高いオーガニックコットン(使用率が70%〜100%)で生産量を増やす
②使用率5%以上でOK。少しでも安く流通させ、結果として生産量が増やす
GOTSとOE

①がGOTS、②がOCS(旧OE)です。

原理主義か世俗主義か

オーガニックコットンと謳うなら純度が高くないとダメ。名ばかりのオーガニックは認めない!というのがGOTS。いわば原理主義ですね。どうしても高価になります。

対してオーガニックコットンを出来るだけ安く多くの人に購入してもらうために、ちょっとだけオーガニックでも認めようぜというのがOCS。こちらは世俗主義。安く供給できるけれど、オーガニック使用の文言が欲しいだけの企業にいいように利用されるかも。

どちらもそれぞれ間違っていないように思います。この2つの方法論が並行して採用され、オーガニックコットンが栽培され、結果として全生産量の0.4%となっているという事実があるだけです。

最後に、オーガニックコットン製品を販売されている代表的な企業さんをご紹介いたします。

PRISTIN(アバンティさんのブランド)

アメリカやインドで厳密に管理されたオーガニックコットン を用いて、紡績から製品までメイドインジャパンを貫き、漂白をせず染料も使用しないコットンそのままの色(生成り)を採用。

私も繊維製品の企画者ですが、オーガニックの分野には畏れおおくて参入できません。お高いですが、アバンティさんの哲学に共感される方はぜひ。

イオンのオーガニックコットン

 こちらは庶民の味方。イオンさんです。オーガニックコットン100%のもあればオーガニックブレンドの商品もあります。商品は全て海外製。安くて色鮮やかでアイテムも充実。


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