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「もしも願いが叶うなら」と、48時間考えたら、予想外の答えに、辿り着いた。

わたしは、自分の人生に、執着がない。今も、昔も、そう思っていた。

幼少期から、父の絶対政治のもと、育った。事前に決めた通りに、スケジュールが進まないと、お決まりの、怒号が飛ぶ。自分以外の家族が、談笑していようものなら、「全員、この家から出ていけ」と、窓から、物を投げ捨てたこともあった。

自分の忘れ物は、持たせなかった、家族のせい。自分の遅刻は、忠告しなかった、家族のせい。自分の過ちは、すべて、愚かな、家族のせい。とまでは、さすがに、思っていなかったのかもしれないが、わたしは、30歳を超えた、今でも、父親が、怖くて、怖くて、たまらない。

感情むき出しの父親に、土下座してでも、許しを乞わなくてはならない。わたしの、最初で、最後のトラウマは、父だ。

社会に出てみて、少し、わかったことがある。父は、極端に、外面が良い。至極、真っ当で、理性的な人間を演じてきたのだろう。いや、演じすぎたのだろう。その歪みが、内側の人間と、自分自身を蝕み、皺寄せた。数年前に、躁うつ病の診断が、下された。

精神疾患は、遺伝と、生育環境の両面が、影響する。案の定、わたしも、大人になるにつれて、生きにくさを抱えて、人生ハードモードに突入していった。

恐らく、父にとっても、自分の父親(祖父)からの遺伝と環境が、その気質の、根幹を成している。もう、これ以上、誰にも、引き継ぎたくない。その思いが、今のわたしを、形成している。

「父親とは、真逆の人間と、結婚しなさい。」母の口癖だった。しかし、人間は、育てられたようにしか、育てられない。それは、自分自身のことも。

ろくでもない人間を、傍に置いて、その不自由さのなかに、歪んだ安心感を、見出すようになっていった。どれだけ、自分をすり減らし、財布の紐を緩めて、感情のリミッターを切ったか、分からない。※記憶にございません。

成績だって、悪くない。顔だって、スタイルだって、それほど、悪くない。(ごめん、今日だけは、許して。)それなのに、我が人生、全然イージーモードじゃない。ハードモードで、コンテニューしたの、誰だ、まったく。

いまだに、幼少期のトラウマに苦しめられて、現世を生き抜くには、少しばかり繊細すぎて、夢も、目標も、特技も、趣味も、特にない。体力も、免疫力も、子宮も(×エロティカル、○メディカルの方)、視力も、宜しくない。なにより、ヒト属ヒトが、嫌いだ。

自分の人生に、思い入れもなく、「もしも、願いが叶うなら」なんて、青写真を描くことすら、忘れて、生きてきた。たまたま、noteの募集お題を見つけたので、2日間、慣れないお題を考えあぐねた結果、予想外の結論に至った。

「もしも、叶うなら、もう一度、自分に生まれるのも、悪くない。」

子宮頸がんの定期健診後は、決まって、「もっと何か、出来たかもしれない」と、打つ手ないくせに、打った手を後悔する。(クラップユアハンズ。)

その後悔を、プチョヘンザしながら、毎回必ず、スターバックスコーヒーを訪れて、ケーキを、むしゃむしゃ、頬張る。(昨日から、どれだけ、ケーキ食べるの。)噛みしめた後悔と、やり遂げた達成感と、ほんの少しの恐怖心を、3か月に1杯の、ほうじ茶ティーラテで、流し込む。

そのまま、オーストラリア産の牛タンと、いくらの醤油漬けを買って、愛亀に、見せびらかしながら、少しばかり、豪華な夕食をいただいた。

今日、学生時代の友人から、子供の写真が、送られてきた。柔らかくウェーブした髪の毛が、お母さん(友人)によく似て、とてもとても、可愛かった。この子の、健やかな成長を願わずには、いられない。

今のわたしにはない、幸せが、間違いなく、そこには、存在している。嫉妬してしまうほどの、幸せが、この世界には、たくさん散らばっている。そこにあるのは、間違いなく、誰かの幸せだ。

でも、検診が終わるたびに、「これでまた、3か月、シャバで生きられるぅ~」って、前足プチョヘンザするのも、水槽の横の、小さなクリスマスツリーを、怪訝そうに見つめる、愛亀の顔を眺めるのも、

社内メールの文章を、限りなく、エッセイ風に仕立てて、誰が最初に怒るだろうかと、ロシアンルーレットしてみたり、愛亀水槽の横で、少しだけ、豪華な夕飯を食べるのも、そこに、幸せを感じている、自分が、今日も、ちゃんと存在している。

デパコスを、買い漁ったときよりも、愛亀のシェルター(@398円)を買ったときの方が、何倍も、温かい気持ちで満たされた。満足感って不思議な、生き物。

ウィークポイントって、挙げ出したら、キリがない。ストレスの自家培養って、意外と、簡単なんだよね。まだ見ぬ、別の人生を、想定外に、苦しみながら生きるくらいなら、住み慣れた自分の人生を、もう一度、生きてみるのも、悪くないかも、と思った話。

来世の第一志望は、もちろん、亀だけどね。

流れが穏やかで、陸地にも、自由に登れて、天敵のいない清流で、愛亀とは、亀同士で、のんびり暮らしたい。愛亀は外来種だから、鉄腕ダッシュで、グリル厄介にならないことを、祈りながら。

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