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【基礎編:キメ】「なんだか化粧ノリが悪い…」それってキメの乱れが原因かも?!

こんにちは!COCO.libraryのまなかです!

今年は暖冬傾向とは言われていますが、それでも湿度の低い乾燥状態が続いていますよね。
例年通り、お肌の乾燥が気になるのは変わりないかもしれません。

そして、そんな季節には以下のような症状に悩まされていませんか?
● スキンケアや洗顔の時にお肌がゴワゴワする
● なんだか化粧ノリが悪い、化粧して時間が経つと粉をふいている…
● 乾燥が気になり、美容カウンターに駆け込んだら「キメが乱れている」と言われた

この季節になると「キメが乱れている」と言われたことがある人は多いと思います。
しかし、そもそもキメが何かわからなかったり、なぜキメが乱れてしまったのか、キメが乱れていることで肌にどのような影響があるのか疑問に思った方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、
キメとは何か、キメが乱れる原因とケア方法について解説していきます。


「キメ(肌理)」とは?

「キメ(肌理)」とは、肌表面に存在する凹凸のことです。
凸部分の”皮丘”と皮丘を取り囲む凹部分の”皮溝”が細かく並び、紋様のように見えます。

図1:キメの構造

美容カウンターなどで「キメが乱れている」と言われたことがある方もいらっしゃると思いますが、キメが乱れているとはどのような肌状態なのか説明していきたいと思います。

キメの乱れた肌

キメの乱れた肌とは、皮溝が浅く、皮丘の境目が曖昧な状態のことを言います。
実は、キメの細かさ(皮丘の数)は生まれながらのもので、変えることはできません。皮溝が浅くなると皮丘同士が平坦にくっつき、大きな塊となって凹凸が四角形や平行四辺形のような形で不揃いに並んでいる状態になってしまいます。
このようにキメが不揃いになると、拡散反射光が低下し見かけや肌触りが悪くなることで、肌がゴワゴワしたり化粧が均一に伸びず化粧ノリが悪くなります。

キメの整った肌

一方で、キメが整った肌とは、形のそろった凸部の皮丘と凹部の皮溝が細かく規則的に並んでいる状態のことを言います。

キメを整えたらどんな良いことがあるのか?がわからない方に、説明していきたいと思います。

● ツヤのある肌になる
ツヤのある肌を実現するには、肌表面の鏡面反射と、内部からの拡散反射を増やすことが必要であると報告されています¹⁾。
そのうち拡散反射を増やす方法の1つとして、キメを細かくすることが有効だと言われてる²⁾ことから、キメが整っているとツヤのある肌と認識されやすくなると考えられます。

● 毛穴の目立ちにくい肌になる
また、別の研究では、肌が乾燥すると毛穴周りのキメの形状が変化し、毛穴を目立たせると報告されています³⁾。
このことから、乾燥が改善されキメが整った肌では、毛穴が目立ちにくい状態になることが推測されます。

図2:キメの状態(イメージ)

キメが乱れる原因とは?

キメが整うことのメリットはご理解頂けたと思うので、次はなぜキメが乱れるのかについて原因をみていきましょう。

1.乾燥

キメの乱れの原因のひとつに、急激な乾燥環境下での角層収縮があります⁴⁾。
角層収縮によって、皮丘の形状が小さくなり、皮溝がひっぱられることで浅くなったように見え、キメが粗く乱れた状態になります。

2.皮膚への刺激

例えば、
・過度にピーリングを行うなど肌に負担がかかるスキンケア
・肌を強く擦るようなマッサージなどで肌を摩擦すること
・紫外線などの外部刺激
などにより、バリア機能が低下すると乾燥や炎症を引き起こしてしまいます。それによって、必要な角層が剥がれ落ちやすくなってしまったり、古い角層が蓄積して、ターンオーバーが乱れます。
その状態では、角層が正常な状態ではないので、水分を与えても乾燥状態が続き、キメが乱れてしまいます。

3.生活習慣の乱れ

睡眠、食生活、ストレス、運動不足などの生活習慣の乱れは、血行不良にもつながります。血行不良になると、ターンオーバーが乱れ、必要な角層が形成されない、または、古い角層が長く停滞してしまうことで、キメが乱れてしまいます。

4.加齢によるターンオーバーの遅れ

年齢を重ねると、肌のターンオーバーの周期も遅くなります⁵⁾。
これにより、古い角層が長く停滞し、剥がれ落ちないことでキメが乱れる原因につながってしまいます。

キメを整えるために重要なことは?

肌のキメが乱れる原因は、上記の4つが複合的に関わっていると考えられます。これらの原因に対処するには、日頃からキメを整えるケアをしておくことが重要です。
そこで、日頃から行えるケア方法をいくつかご紹介します。

1.保湿

乾燥を改善するためには、バリア機能を担っている因子(細胞間脂質・NMF(天然保湿因子)・皮脂)の役割を補うことが重要です。
バリア機能を補う成分としては、「セラミド」「アミノ酸」「スクワラン」があります。
これら成分が配合されているスキンケア化粧品で、水分を十分に与えて、水分が蒸散しないように油分で蓋をしましょう。

お肌のうるおいを保つ機能や成分について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

2.刺激を避ける

スキンケアのお手入れ中に過度に肌に触れることが刺激になることもあります。洗顔時には汚れをごしごし擦って落とそうとするのではなく、よく泡立てた泡やジェルなどで肌に極力触れないように洗顔することがおススメです。
また、それ以外にも、紫外線を浴び続けると乾燥やターンオーバーの乱れにつながるので、日焼け止めや日傘を使うなどの紫外線対策は必要です。

日焼け止めの塗り方が分からないという方はぜひこちらの記事もご覧ください。

3.生活習慣の改善

全てを実行するのは難しいとは思いますが、なるべく規則正しい食生活や睡眠を取り入れて血行を改善しましょう。血行が悪いと古い角質と新しい角質が入れ替わるためのターンオーバーが乱れてしまいます。
血行改善のためにも、お仕事の合間や休憩中に軽くストレッチしてみることもオススメします。

湯船に入るだけでも肌状態の改善効果が期待できるので、まずは湯船に入る習慣を取り入れてもいいかもしれないですね。
詳しくはぜひこちらの記事もご覧ください。

4.ターンオーバーへのケア

紫外線などの外部刺激を日々受けていること、加齢によって肌に必要な成分などが不足してくることで、ターンオーバーが遅れていきます。
よって、前述したように、保湿・紫外線防止対策・過度な刺激を与えないこと、血行を良くすることを、日常のケアとして取り入れることが重要です。


今回は、お肌の「キメ」とは何か、その原因とケア方法について解説しました!
キメを整えると、お肌のごわつきや化粧ノリを改善するだけではなく、様々な効果が期待できることが理解していただけたと思います。

ぜひこの記事を活用してキメを整えるケアを始めてみてください。


(参考文献)
1)肌のつやの評価法の開発と皮膚表面形態がつやに与える影響の解析, 舛田勇仁他, J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn., 51(3), 211-218, (2017)
2)肌の透明感測定とその対応化粧品の有用性評価, 舛田勇仁他,  J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn., 39(3), 201-208, (2005)
3)キメの形態と頬部の毛穴目立ちとの関連性, 藤原信太郎他, 日本香粧品学会誌, Vol.39, No.3, pp.173–176(2015)
4)キメの解剖学と、美しいキメを維持する角層縮み抑制剤の開発, 青木宏文他, フレグランスジャーナル, 42(2), 18-24 (2014)
5)力学的視点から見た肌の老化とシワの関係, 桑水流理他, 生産研究, 59(2), 36-39, (2007)

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