最終話ありがとう!ドラマ『ゴールデンカムイ』第九話の感想ッ!
ドラマ版ゴールデンカムイの感想を書くのも本日が最後になります。
寂しいな……。でも最後までしっかりと語らせて頂きます!
最後まで見ましたよ……かぶりつきで。
12月1日に放送されたのは『大雪山』という回でした。
この回の目玉はアシㇼパと杉元の誓いともとれる約束と、鯉登少尉という強烈なキャラクターの登場でしょう。
今回のドラマで注目すべきシーン、杉元とアシㇼパのユクの中で交わされるやり取りが好きです。
原作で初めて見た時、ユク(鹿)の身体の中で吹雪を凌ぐという発想に驚きました。自然の中を生きる者の知恵に感動したのを覚えています。
「心はずっと戦場にいる」
杉元のこの言葉は、原作でもとても印象に残っています。心にずしんとのしかかってくる重い言葉でした。戦争を経験した者にしか分からない、深い苦しみが伝わってきます。
それは旭川に降り立った土方の言葉からも伝わってきます。
発展した旭川を作り上げたのは、戊辰戦争や西南戦争で負けた武士たちなのだと。彼らは「国事犯」と呼ばれ、過酷な労働を強いられます。
勝てば官軍負ければ賊軍。
土方の心もまた戦場に残されたままなのです。
戦争が終わったとしてもきっとその人達の心は戦場に取り残されてしまう。
戦争は一度始まってしまえば永遠に終わらない……。新たな戦争の火種を生んでしまうこともある。そんな恐怖と悲しみを感じました。
ゴールデンカムイに登場するキャラクター達の心は皆、深い傷を負っているのです。そんな彼ら彼女らがあがく物語でもあるから、胸が熱くなるし、目を離すことができません。
「干し柿を食べれば戦争に行く前の杉元に戻れるのかな?」
「全てが終わったら杉元の故郷へ連れていけ」
傷ついた杉元の心にアシㇼパの、幼さの残る優しい言葉が沁みわたる。
この時点でアシㇼパの存在は「金塊争奪戦の協力者」ではなく杉元の「生きる希望」、「かけがえのない存在」になったんだと確信しました。
改めてドラマでこのシーンを観て切なくなりましたし、心があたたかくなりました。
ふたりの恋愛でもないし、親友というのでもない。親と子でもない。不思議で強い繋がり、「相棒」という関係性が好きです。
注目するのは杉元、アシㇼパの相棒だけではありません。
月島と鯉登少尉の相棒にも注目してほしいです。
原作の月島とのやり取りが好きだったので実写で観ることができて感無量でした。
中川大志さんの演技が素晴らし過ぎた!(笑)
もうやりすぎだよ!やめてよ!というぐらいに鯉登少尉でした。
流暢な薩摩弁は現地の本物のなまりを聞いているように自然でしたし、示現流も輝いていました。
あんなに高い位置から振りかぶって勢いよく刀をぶつけてくるのか……。ひたすら攻めてこられるのかと考えるとかなり怖い。しかも「猿叫」という独特の叫び声を上げながら……。
実写化されることで示現流の恐ろしさを体感することができました。
中川さんの演技から本当に鯉登少尉のこと好きなんだな……というのが伝わってきて良かったです。
原作を最後まで読んで、総括すると鯉登少尉は「カッコイイ、人を救い明るい方へ導く光属性」というキャラクターなのですが……。登場時はだいぶおかしい人だったなというのを思い出しました。
「なんだこの騒がしい変なキャラ」と読者を困惑させる、癖の強さ。実写でかなり再現されていました。
ゴールデンカムイの面白い、うまいっと思うところが「キャラクターイメージの反転」だと思っています。
キャラクターが成長するだけでなくなんと、キャラクターイメージが反転するのです!
このキャラがこんな風に変わるとは……という驚きが大きいのが見どころなのですが鯉登少尉は正にその筆頭に立つ存在。
ドラマ派の方は是非そこにも注目して観て頂きたいです!
私が実写ドラマでいちばん観たかったシーン。
鯉登が鶴見中尉への報告で早口の薩摩弁になり、月島が翻訳をし、面倒くさがるというくだり。
原作のイメージを壊さず、俳優さんに落とし込まれた演技は最高でした。アニメとは違った楽しさがあります!
鯉登少尉の恋する乙女感がアニメよりもプラスされています。シロツメクサの咲く花畑で「鶴見中尉殿にがられる(叱られる)……」と寝転がるシーンも相まって可愛さ倍増という感じ(笑)
鶴見中尉を前にした目の輝き……「きゅるん」という効果音がぴったりの表情でした。人間ってあんなに「きゅるん」っていう表情できるんだ……。
可愛いだけでなく、アクションは軍人らしく勇ましい。強者感を感じさせるものでした。
ノールックで他の軍人から軍刀を引き抜くシーンは本当にカッコイイ!
鶴見中尉を前にした時とそうでない時の差が原作よりも激しくなっています。
よって、見ているだけでどっと疲れるようなキャラクターに仕上がっていました(笑)
実際ドラマを観終わった後、鯉登少尉の印象が強すぎてなかなか寝付くことができませんでした。
それほどまでに中川さんの演技の熱が凄まじかったということです。是非ご覧あれ!
鯉登少尉の面倒を見ているドラマの月島はとんでもなく大変な仕事を任されているのでは?金塊争奪戦よりも過酷かもしれない……。
原作では「面倒くさい」という心の声があった月島のシーン。
心の声、ナレーションで入れてくれるのかな?と思いきや……無音。表情だけで「面倒くさい」が伝わってきました。
視聴者にはしっかり「面倒くさい」が聞こえる演技、素晴らしかったです(笑)
本当に今日まで最高の日曜日、ゴールデンタイムを過ごさせて頂きました。
製作チームの「ゴールデンカムイ愛」を感じる作品だったと思います。
これこそ鶴見中尉の言う「愛です」ね……。(違う)
作品に関わる全ての方が輝いていて楽しそうで……。観ている方もそれが伝わってきて心の底から楽しむことができました。
ひとまず……ドラマ完結おめでとうございます!そして何気ない毎日にドキドキやワクワクと言ったゴールデンタイムを提供してくれてありがとうございました!
続編の映画、めちゃくちゃ楽しみにしてます。
実写版、完結まで製作お願いします!(笑)
今回でドラマ『ゴールデンカムイ』を語る記事は終わりです。
オタクの叫びを聞いてくださった皆さん、失礼しました。(笑)そしてありがとうございました。
実写映画の感想はこちら↓
今までのドラマの感想はこちら↓