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青春が嫌いだった私。漫画『スキップとローファー』がお気に入りに。

こんにちは。ねむるこです!
最近購入した漫画、高松美咲さんの『スキップとローファー』が素敵すぎたので語らせて頂きます。

私は正直、高校生の青春漫画があまり好きではありませんでした。
アラサーになった今はジャンル関係なく創作物を楽しめるようになりましたが、子供の時はそれこそ「青春」という言葉を嫌っていたほどです。
大人から「青春だね」と言われるとイラッとしてました。

勝手に私の日々を「青春」という枠組みに入れるな!なんて考えていました。完全に反抗期です。(笑)

高校生=青春=キラキラ学校生活

みたいな方程式の中に入れられるのがどうしても気に入らなかったんです。
しかも私はその方程式が当てはまるような学校生活を送ってませんでした。(笑)
イケてないし、可愛くもないし、友達も多くない、虚弱体質の完全な陰キャ!
……そんなこと言うのも当時の私が可哀想なのでフォローしておくと、当時の私は自分に自信がありませんでした。おまけに感覚過敏で学校が終わるといつもボロボロに疲れ果ててしまうという体質だったのです。
学校で心身疲労していても進学校だったので勉強はしなきゃいけないし、周りの子達から嫌われんようにしなきゃと神経を使い……。
とてもキラキラしているとは言えない生活でした。
うっすら地獄だったかも……。(笑)
それでも高校は卒業せねばと思いながら、明るくパワフルな友達に支えられて何とか高校三年間乗り越えたのでした。

今考えればそういう日々も青春だったかもしれませんね……。
そんなこと言ったらまた昔の私が怒り出しそうなのでこの辺りで辞めておきます。

当時の私は外からの「青春」圧力に耐えられなかったのです。
私はその日から青春と名の付くものを受け付けない、「青春アレルギー」にかかってしまいました。

そんな青春アレルギーな私が衝撃を受けたのがこの、『スキップとローファー』という作品でした。
もう……当時の私に絶対読ませてあげたかった!!!(笑)

とにかく優しくて、温かい。
おにぎりとカルピスのセットみたいな作品。(なんだそれ(笑))

絵柄もほんわかとしていて可愛い。誰もが好感を抱くような絵柄です。
少女漫画のような美男美女だらけ!みたいな感じでもなく、体型も背の高さも、顔つきも色々な子がいて安心します。

主人公の女の子、岩倉美津未いわくらみつみは地方から東京の学校にやってきた女子高生です。ちょっと変わってるけど、とても真っすぐ。本人が気が付かないうちに色んなクラスメイトの心をハッピーに変えていく。
……というハートフルストーリーなんですが、クラスメイト一人一人の心理描写がリアルで心がきゅっとなります

学校生活で避けては通れない、スクールカーストにルッキズム
漫画によってはイジメを通して過激に描かれていたりもしますが、本作が一番リアルに描かれていると思います。

誰も何も口にしないけれども自然と生まれるイケてるグループかイケてないグループの線引き。お互いをランク付けしあう生徒達。
当時を思い出して肌がひりひりしてくる!

可愛いくクラスメイトを嫉妬したり……。イケてない自分を卑下してイケてる人達を僻んだり。
学校生活で一度は感じた事のあるモヤモヤを再確認することができます。色んな立場の生徒が登場するので「ああ、自分はこの子に共感できるな」とか「こういう子いたわ!」となるはず。
そして「あの子にもこんな苦労、あったかもしれない」という新たな見解を得ることができます。

そんなリアルな描写も『スキップとローファー』なら苦しまずに読めてしまうから不思議です。
やっぱり主人公の美津未の存在が大きいと思います。イケてるかイケてないか関係なく関係を築いて行こうとする。
彼女には自分がクラス内でどんなランク付けをされていようと関係ないのです。

眩しいぐらいに素直で真っすぐ!

美津未の言動によって良き方向に変わっていく登場人物達。いつの間にか友達になって、お泊り会して遊ぶようになる描写は見ているこっちもほっこりします。

学生の時って本当に些細なきっかけでいつの間にか仲良くなってますもんね。

そんな美津未に惹かれていくシティボーイなイケメン、志摩聡介しまそうすけとの恋路も本作の見どころでもあります。
友達と恋愛の狭間で揺れる高校生のリアルな心情が描かれていて、とても素敵だと思いました!

年をとったからでしょうか……。もう、この二人が本当に可愛い!
二人だけではなく、登場人物全員が愛おしく思えること間違いなしです。

誰も嫌な人が出て来ないのが、この漫画の好きなところ。
そして、些細な心の歪みにも気が付いてくれるところがたまらなく好きなのです!

私が一番驚いたのは美津未の叔父であり、叔母でもあるナオのシーン。
ナオは性別が心のあり方と一致しないキャラクターで、体は男性ですが心は女性として描かれています。
普段は女性として東京で働いています。
上京した美津未の世話をしてくれる、美津未のお姉さんのような存在。

そんな彼女が、美津未の楽しそうな学校生活を見て嫉妬するんです。
コンプレックスだらけの自分には送りえなかった青春を美津未は目の前で送ってる。

この時、完全に私はナオ側の人間だと思いました。
同時に鋭い視点だなと感じました。油断してました。まさか、学生時代にコンプレックスを抱えた読者の心情まで描くとは!

私も「美津未の高校生活最高だな~」とか思いながら読んでいたけれども心のどこかでは「そんな高校生活ありえない」って思うこともありました。

何もかもうまくいきすぎだって。漫画だからねーとか思ってました。

そんな読者を見透かしたような描写に衝撃を受けると同時に、感動しました。
学生時代コンプレックスを抱えていた読者のことにも思いを馳せてくれていたんです。そしてその負の感情を物語の中で上手く昇華させてくれています。

美津未も高校二年生になり、新たなクラスメイトと出会います。
八坂千笑璃やさかちえりは今まで出会ってきたクラスメイトの中では難解な相手ではないでしょうか。
ぶりっ子で、女子から敵視されがちな彼女ですが……。

「他人の評価がどうでもいいって言いきれるぐらい 愛され生きてきたんだね」

『スキップとローファー』8巻より抜粋

と、美津未の行動原理をズバリと言い当ててしまう鋭い一面も。
只者ではないと同時にどこか物悲しさを感じました。

美津未は彼女の心をも変えることができるんでしょうか?聡介との関係は?一年生の時に一緒だったメンツとのその後は?
などなど今後の展開が気になるところです。

高校生達のリアルな心情を描いた本作。
大人も子供も、青春アレルギーになった人達も楽しめます!
現役高校生が読んでくれたらいいなーなんて思います。

気になった方は是非、ご覧ください。

以上、『スキップとローファー』を読んだ感想でした。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます!







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