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創作大賞2024参加作品「スリープ・オン・ザ・グラウンド」

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【完結済】創作大賞2024参加作品。 「スリープ・オン・ザ・グラウンド」 『某月某日、我々は|同森ヶ丘《どうもりがおか》中学校を爆破し宝を奪う』SNSに投稿された爆破予告と犯行…
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2024年6月の記事一覧

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第8話

 加賀美先輩に物語を書く楽しさを教えてくれた人って一体誰なんだろう。有名な作家さんかな?…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第9話

 白い紙を広げるとよく分からない文章が並んでいた。 「すごい!紬希ちゃん。これってさっき…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第10話

「え?それって……相当やばい相手ってこと?」  瑠夏が飲み物をズゴーッと勢いよく吸う。 …

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第11話

「皆さんにお知らせがあります。兼ねてより話を進めていました、旧校舎の取り壊しが決まりまし…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第12話

 なんだろう。この気まずい空間は……。  教室の右端に私と和久君、瑠夏が座り、左端に火縄…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第13話

「清水先生が『依頼した』とか『宝は我々のものになる』って話してた。それって「カラス」に依…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第14話

「なになに?恋バナ?いいの?私が聞いちゃって」  きゃぴきゃぴしながら図書室の座席に座ったのは百花咲先生、その人だ。ウェーブがかった焦げ茶色の髪を後ろに流し、甘いお菓子のような香水の香りが図書室に充満した。小花柄がプリントされたスカートがふわりと舞う。  百花先生と向き合うように正面の席に私と加賀美先輩は腰を下ろした。 「実は……氷上さんが聞きたいことあるみたいで」  笑顔で私にパスを回す加賀美先輩に圧倒される。私は咳ばらいをした後で百花先生に向き直ると、慎重に質問を投

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第15話

 青、紫、水色と紫陽花ロードは色彩鮮やかな光景を作り出していた。美しく彩られた道を私は足…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第16話

「先生に聞いてみれば宝のこと、なんか分かるんじゃねえか?」  田野さんの優しい言葉が私に…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第17話

「あれ?加賀美先輩……いない」  しんと静まり返った図書室。いつも以上に寂しさを感じる。…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第18話

「この暗号文は二重構成になってるんだよ」  旧校舎の中は防音シートのため、ほんの少し薄暗…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第19話

 暗号文の指示にある通り。私達は黄色の矢印を辿っていた。  下ばかり向いてはいられない。…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第20話

 「ここから答えを探し出せって言うの?」  誰かが暴れたかのように荒れた教室を見て私達は…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第21話

「おい。どこか答えが間違ってんじゃねえのか?」 「人の答え盗み聞きしてたくせに、文句言うんじゃないわよ!」  火縄君と瑠夏が言い争いを始める。意味が繋がりそうで繋がらない文章が完成してしまった。  答えが間違っているはずはない。だとしたら……私達の認識が間違っているのかも。  気が付くとまた和久君を取り巻く空気感が変わっていた。あの誰も寄せ付けない、神聖な雰囲気が漂い始める。  その場に背筋をぴんっと正して立つ姿は、神社に佇む巫女さんや神主さんのようだ。私達まで背筋が伸びて