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創作大賞2024参加作品「スリープ・オン・ザ・グラウンド」

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【完結済】創作大賞2024参加作品。 「スリープ・オン・ザ・グラウンド」 『某月某日、我々は|同森ヶ丘《どうもりがおか》中学校を爆破し宝を奪う』SNSに投稿された爆破予告と犯行…
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「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第1話

 理解できない。どうしてこんな文章が沢山の人の注目を集めるのか。  私が寝る間も惜しんで…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第2話

「相変わらずクールだね~!紬希は。爆破予告と犯行予告がダブルで出されたっていうのに」  …

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第3話

「……」  火縄君は不機嫌そうに席に座り直した。取り巻きの高倉君と星野君も渋々席に戻って…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第4話

 男達が立ち去った後、私は土埃が酷いにも関わらずその場に尻もちをついてしまった。何度か深…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第5話

 コンビニでふたりと別れた後、私は無言で帰宅した。そのまま2階にある自分の部屋に急ぐ。  …

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第6話

「あの空き教室が怪しくねえ?」 「やっぱり旧校舎じゃない?立ち入り禁止だけど」 「あの緑地…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第7話

「えー……なんだ?ソーシャルネットワーキングサービスに書かれた噂に惑わされて宝探しをしている奴ら。すぐに止めるように。そんなことよりもな。勉強と部活動に力を入れた方が数千倍有意義だ」  大声でもなく怒っているわけでもないのに鬼山先生には迫力がある。低く、腹の底を震わすような声が生徒達の緊張感を高めた。  SNSをわざわざソーシャルネットワーキングサービスという辺り、きっと鬼山先生はSNSのことをよく知らないのだろう。そんなツッコミさえも許さない雰囲気が流れている。 「SN

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第8話

 加賀美先輩に物語を書く楽しさを教えてくれた人って一体誰なんだろう。有名な作家さんかな?…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第9話

 白い紙を広げるとよく分からない文章が並んでいた。 「すごい!紬希ちゃん。これってさっき…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第10話

「え?それって……相当やばい相手ってこと?」  瑠夏が飲み物をズゴーッと勢いよく吸う。 …

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第11話

「皆さんにお知らせがあります。兼ねてより話を進めていました、旧校舎の取り壊しが決まりまし…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第12話

 なんだろう。この気まずい空間は……。  教室の右端に私と和久君、瑠夏が座り、左端に火縄…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第13話

「清水先生が『依頼した』とか『宝は我々のものになる』って話してた。それって「カラス」に依…

「スリープ・オン・ザ・グラウンド」第14話

「なになに?恋バナ?いいの?私が聞いちゃって」  きゃぴきゃぴしながら図書室の座席に座ったのは百花咲先生、その人だ。ウェーブがかった焦げ茶色の髪を後ろに流し、甘いお菓子のような香水の香りが図書室に充満した。小花柄がプリントされたスカートがふわりと舞う。  百花先生と向き合うように正面の席に私と加賀美先輩は腰を下ろした。 「実は……氷上さんが聞きたいことあるみたいで」  笑顔で私にパスを回す加賀美先輩に圧倒される。私は咳ばらいをした後で百花先生に向き直ると、慎重に質問を投