スピン 2023年冬季号
待たせたね。
年末にようやく迎えにいきました。
気づいたらもう6冊目に突入なのね。はやい。
今月号はいろいろと特別でした。
驚く出会いから、
喜びにあふれた出会いまで。
渡辺祐真さん、谷崎由依さんに、
それからそれから、田村隆一さん。
渡辺祐真さんは、ハヤカワ新書から
" 源氏物語の人! " の認識でした。
が、スピンを読みながら表紙を眺めてラインナップ作家陣を見ていたある時に、
「は!この方は!!!」となった次第でした。
そこから意識して注目して読めば、
詩歌の魅力を教わり、興味が広がってきた今。
高原英理さん『詩歌探偵フラヌール』についての紹介からの「おわあ」の話がたのしかった。
詩人・萩原朔太郎の「猫」の詩から飛び出してきた言葉だそう。
それにね、
『キンコンキン』がかわいくてかわいくて。
何回も頭の中で反芻しては、にんまりしちゃって、言葉にだしてもにたにたしちゃって。
音の弾む感じがたのしくって。
もっと言葉を自由に味わい、あそび心も失わずにいたい。
そして詩歌の冒険に出て、高いところから見渡せる景色、見たことのない景色にこれから出会いたいな。そんなことを考えた。
まずは、
『詩歌探偵フラヌール』を手に取ろう。
って、Amazonページのぞいていたら
帯の推薦文の方は、、、!
どこかでみた。
しかもちょっと前、、、どこだどこだ。
ここだーーーー!!!
もうねっ、どんどん枝分かれして出会えるこの出会いがすごくうれしい。
知れば知るほど、
出会えば出会うほど、
こういったうれしい再会みたいなのがね。
一方的に知り合い認定しちゃうものですから、
記憶に残っていて、
思わぬところでパッと目が合うの。
プチ有名人に出会えた気分を味わう。
、、、この現象は何というのでしょうか。
修学旅行先が沖縄と知ったら、沖縄ニュースがいろいろ目にするわ飛び込んでくるわの現象と似ているかな?
*
さて、
今度は谷崎由依さん。
昨年、海外文芸作品を紹介するイベントをオンラインで聴いた際に出会えた方でした。
自分の中でホットな話題のうちのお一人でしたので、ここスピンで再会できたことがうれしくて。
" 絶版本書店 手に入りにくいけどすごい本 "
がテーマの書評にて、
『神々自身』
( アイザック・アシモフ著 / 小尾芙佐訳 / 早川書房 ) の紹介をされていました。
わ、小尾芙佐さん!それに早川書房!!
と、重なるちいさな喜びがわたしを待っていました。
この喜びは、
オンラインイベントで出会えたうれしい情報や、読みたくなった本、楽しみで仕方ない本に出会えた件とつながっているので、また別のページで書きたい。
『神々自身』で描かれたデュアのことについて書かれていた。
この例えにクスッと微笑ましくなったり、
十四歳の〜には、自分にも似たような経験があったなぁと思い出したり、
とりわけ文章も感性も素敵で、
なによりこの文章だけでわたしにとってもデュアがとても大切な存在に。
作品を読む前にこんな気持ちが生まれ、
わたしも、はやくデュアに会いたい!と。
手に入りにくい本なので時間はかかるかもしれないけど、いつかの出会いをたのしみにしよう。
そして、うれしい発見だったのがこちら。
写真フォルダの検索で、
" 言葉 " と入力するとでてくる写真の楽しさに浮かれ、ヘラヘラ見直していた時のこと。
バッと目が合ったの。
わ、そうだこれ、読みたいと思って写真におさめていたやつだ!と当時の記憶もバッと思い出す。
蔦屋書店で働いていたときのこと。
これは、11/1の本の日に合わせて企画されていた【コンシェルジュ文庫】のなかの一冊だ。
懐かしい!!!
そうそう、これこれ。
2020年の第2回目のものだ。
書店員時代の大事なものは大体残しているから、どっかにあるだろうと探して見つけました。
思いのほか見つけるのに時間がかかり、
予想していなかった《study》と書かれた封筒に納めてありました。
んーー、そうか、当時は読んだことのない本を読むこと、知ることがstudyだと思っていたんだね。
今ならちがうジャンルのくくりにしまってあげるかな。
んーー、《encounter》" 出会い " の箱をあらたに作ろう。あたらしいものに出会いたい、知らない世界に出会いたい、そんな気持ちで手にするこの冊子はとびきり素敵なブックガイドですからね。
しっかり " 未来 " のわたしに届きました。
ありがとうございます。
それでね、今度はこの『地下鉄道』を紹介されていた文学コンシェルジュの河出真美さん。
リサーチしてみると、、、
、、、わぁ。
『オリンピア』
( デニス・ボック 著 / 越前敏弥 訳 / 北烏山編集室 ) が、紹介されている。
この北烏山編集室は、
前に述べたオンラインイベントでのゲスト出版社として参加されていて、このオリンピアは最初の出版物。イベントで本書を知り、気になっていた本でした。
この着地にまいった。
これまでのことや、出会えたものたちが
こうして自分のところに帰ってくる感覚。
予想もしていないところで出会いや偶然の発見があり、人生なにが起きるかわからないね。
好きなものを好きということ。
アンテナを張り巡らすこと。
人に出会うこと。
これからも大事にしていきたい。
そしてあわよくばいろいろなものを引き寄せられる人、また会いたいと思われる魅力的な人になりたい。
*
最後は、田村隆一さんについて。
ドキっとした出会いではなく、
じわじわ離れなくなる感覚を味わった方です。
スケザネさんのページから、
詩歌への興味が生まれ、詩歌への入り口に立てたかもしれない、これから出会えるであろうものへの喜びにあふれた余韻で本書を閉じた先にふたたび出会う表紙の言葉。
池澤夏樹さんによる表紙の言葉だ。
この、、、
この言葉の力がすごくて、
どうしてか惹かれて惹かれて仕方なくなる。
調べる。知っていく情報。
するする紐解かれ見えていく田村隆一さん。
もらったもの、受け取ったものがなんだかすごくて言葉にできない今。。。
ザッとまとめていこう。
経歴にある職業だけで、すでに驚かされる。
ひときわ驚いていたのが、
早川書房に勤務、編集と翻訳にあたるの部分。
びっくりしすぎて声すら出せませんでした。
いまだに驚きの渦中。。
" 言葉なんかおぼえるんじゃなかつた "
のつづきがすごかった。。
この感覚はとても言葉にできません。
*
スピンは紙の良さをあらためて堪能できるような手触りの良さだけでなく、活字で味わう心地よさをふたたび体感させてくれる、疲れた日常から離れられるだいすきな文芸誌です。
定期購読して実際手にして、
いろいろな書き手さんの言葉に出会えて
ちいさな好きが積み重なっている。
スピンを読んでいる時、
わたしは学生時代の現代文教科書をなんでか感覚として思い出しちゃうの。
判型や文字のあの間隔、行間とか、紙の余白具合とか、数ページの間につぎつぎに新しい出会いがあって、静かでありながらもたしかな存在感を感じられる文章ばかりで、それが自分の好みとかの枠を越えて多種多様な感じで、、、
んーーー、新学期がはじまってあたらしい教科書を持ち帰って、2学年上のお姉ちゃんの現代文教科書をパラパラめくって感じていたあのときの感触だ!
そう、スッキリ!
そうそう、ちょっと背伸びして味わえるあの特別感、高揚感、優越感。そうよ、スピンはこの気持ちをふたたび思い出させてくれるんだ。
歳を重ねた今、
せわしなく過ぎてしまう日常を抱えるようになった今、
この言葉の持つあたたかさに気づけるようになった。
忘れないようにしたい、
いつまでも自分にかけたい言葉だ。
リアルタイムでスピンを手にでき、
一緒に時を重ねられるのがうれしい。
2026年を迎える頃には、
どんな人になっているかな。
どんな出会いが生まれているのかな。
どんな人と交流しているかな。
そんな希望を持ちながら、これからもたのしみにスピンを読んでいこう。
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