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#3 『十二番目の天使』



読書感想文の本を
どれにするか決めていなかった。

本への興味も薄く
家にある本でいいか、
そんな軽い適当な気持ちで
探していた。

そんな様子をみていた
姉からそっと薦められた本書。

帯には
"最近、何に感動しただろう..."

引き寄せられるように
手に取った本書が、
14歳の夏を
忘れがたいものにしてくれた。

新しく生まれ変わったような
新しい自分の誕生を感じていた。

上手く言葉に表せないけども
そんな不思議な感覚。

同じ目なのに、見えるものがちがう。
同じ心なのに、感じとれるものがちがう。

確実に自分のなかで
何かが大きく動かされていた。

それぐらいの力があった。
物語に救われて、
勇気をもらって、
前を向いて生きる大切さを教わった。

今でも思う。
あの時、この本を渡されていなかったら。
あの時、読んでいなかったら。
この本に、感動をもらっていなかったら。

自分の性格も、
考えることも、
拠り所にするところも
全部ちがっていたと思う。

今とはちがう
人格になっていたと思う。

だから、あの時
姉からこの本を受け取って
本当によかった。

文学好きの姉を持った
妹の最大の特権だった。

それからは姉の本棚から
見える景色が変わった。

受け取る情報も、
見るポイントも変わり

本の気配に、佇まいに惹かれていった。

こんな身近に
素敵な図書館のような本棚を持つ
姉に心底感動したのを覚えてる。

素敵な本を
薦めてくれてありがとう。

本好きにしてくれて、ありがとう。


#読書の秋2022

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