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レティシア•コロンバニ#あなたの教室

国が違うだけで。
文化やしきたりが違うだけで。
家が貧しいというだけで。
…女という性別に生まれただけで。

たったそれだけの理由に
多くのものが犠牲になっているインド。

日本では想像できないほどのかけ離れた劣悪な環境下での暮らし。
教育という権利が影形もなく奪われている人たちの姿。
インドで起こっている現状に、知られざる現状に愕然とし、ただただ打ちのめされました。

奪われているものの代償の大きさが計り知れません。
ある女の子、ジャナキという少女の人生を想うと、胸が張り裂けるような思いになりました。

レナの信念。
誰しもに教育の権利を。
教育は人生を切り拓く唯一のチャンス。
自由への鍵。
決して"ガール ノースクール"ではないことを。
誰しもに正当に与えられるべき教育を、奪わせない。

かつて、フランスで教鞭をとっていたレナが立ち上がります。手を差し伸ばします。
過去を背負いながら、あらゆる困難が待ち受けながらも、手を伸ばします。
その手を掴み、しっかりと握り返してくれたプリーティとホーリー。
三人の結ばれた固い絆に、心を掴まれます。

様々なことを乗り越え、レナが感慨深く、これまでの過去と自分をしっかりと抱きしめ、前を向いて力強く人生を歩む決意、生きることへの決意を胸に固めていく姿に感動します。

砂のノートから始まった舞台が、勇敢なプリーティと共にあらゆる困難を乗り越え、ついには多くの子どもが学べる環境、学校を設立したこともとても素晴らしく感動しました。

辛い過去を抱え、傷口が再び痛みながらも、それでも懸命に立ち上がるレナの姿に勇気をもらいます。

ラストシーンは、胸が熱くなります。
娘のようなホーリーと妹のようなプリーティとの信頼、絆は永遠に続くものと感じさせてくれる希望に感動が込み上げました。

本作を通してインドの未来ある子ども達の現状、女性の生き方を知り、一人でも多くの子どもが、女性が、どうか学びの機会に恵まれ、人生のパスポートを手に、自由に羽ばたける未来を心から願います。  




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