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【プレイノベーション】菅家元志さん  インタビュー記事

「地方に進化を、世界に革新を」をビジョンに掲げ、デジタル推進支援やデジタルプロダクト開発を行っている株式会社プレイノベーションの菅家元志さんにインタビューさせて頂きました。

今回の記事は、起業に悩みや不安を抱える若者に向けた内容になっています。起業をしたいと思っている方はぜひ、読んでみて下さい!


1、起業について

―起業してから最初の仕事を得るまでのエピソード
東日本大震災後に地元の友達と一緒に立ち上げた学生団体で復興支援活動をしていました。そこで主催したイベントに登壇してもらった小児科医の先生が最初のお客様です。
そのイベントをする時に、「この人に登壇してもらいたい!」と思い、そこで初めて連絡して会いに行き、何度も打ち合わせをして当日を迎え、その後もやり取りがありました。その中で、私たちの仕事に対する姿勢や物事の進め方を見て下さっていて、一緒に仕事をしたいと思っていただけたようです。私たちは、日常生活の中でたくさんの人たちと関わりながら生きています。仕事を頼みたいと思ってもらえるかどうかは、日々の活動の積み重ねの成果なのだと思います。私の場合は人と関わるときはその都度その都度、プロセスの中で自分に何が求められるのか、自分に何ができるのかを常に考えるようにしています。

―大学院卒業後、就職せずに起業した理由
大学時代に、資本主義社会における「生きる力」とは「自分で事業を作って回す力」だと思いました。私はもともと仕組みを作ることに興味があり、世の中の仕組みや状況を知れば知るほど、自分が仕組みの歯車の一つになるよりは、仕組みを作る側になった方が得することもあると思っていました(歯車側になることが悪いと言っているわけではありません。むしろ場合によっては良いこともあると思います)。
大きな会社に入った方が安定しているかもしれませんが、その会社がどうなるかを自分でコントロールできないことが多いです。どんなにその会社が悪い方に向かっていたとしても逃げられません。自分の人生の手綱を他者に委ねるのではなく、自分で手綱を握るためにも私は起業という選択をしました。もちろん失敗することもありますが、自分の人生の手綱を握って積み重ねていった方が、結果的には家族や周りの人を幸せにできると思っています。

就職活動に関してですが、学部生時代は大学院進学を選択していいたのでマイノリティでした。また、大学院時代は震災・原発事故後の福島で復興支援活動をしていたので就職活動をする余力もありませんでしたし、そもそも頭にもありませんでした。
東日本大震災・原発事故は起業する上での大きなきっかけでした。あの時は生まれ故郷に帰れない、故郷の家族や友人にもう会えないかもしれない、と本気で思いました。震災前までは「いつか起業したい」という漠然とした考えでしたが、震災後には「人生いつ終わるか分からない、悔いのない人生のためにも全力で」という想いが強くなりました。今風に言うと鬼〇の刃の煉獄さんに「心を燃やせ!」と言われたような感じです(笑)。あとは、学生時代に経験させて頂いた様々な企業・団体でのインターンシップの経験や、一年間の米国留学での経験から何かしらでは生きていけるなという根拠のない自信を持てていたことも大きいかもしれません。

―「起業」の捉え方と思考法
最近は、起業という選択がそれほど難しいことではない時代になっていると思います。起業にも個人事業主でやるのか、会社を設立するのかなど、いろいろな起業の形があります。起業することはそれほど特殊なことではないと思います。起業が特殊だと思うならどのような起業をイメージしているのかによって変わると思います。だから、そういう時はもう一段階深く考える必要があります。起業で思いつくキーワードを書き出してみて下さい。そのキーワードがあなたの起業のイメージです。あとはなぜその言葉に興味があるのか考えればいいだけです。例えば「会社経営」というキーワードが出てきたら、「なぜ会社経営に興味を持っているのか」を考えることです。そして自分の持論を作ったり、自分の持論を作るために誰かと話をしたりすることです。あまり人に答えを求めずに自分で答えを作るんだという意識を常日頃から持つことが大事です。

―やりたいことが見つからない人へ
「自分の人生をかけてこれをやるんだ!」というものを見つけることは簡単なことではありません。日々のやるべきことややらなければいけないことに一生懸命取り組んでいれば、その時、その時の自分の立場や役割の中から生きがいややりがいが生まれるものだと思います。例えば、私の場合は教育関連の事業を創業当初から取り組んでいますが、それは「子どもたちのために」という思いもありますが、「小児科医の先生と一緒に素晴らしい仕事がしたい」という思いがキッカケであり本音でした。結果として小児科医の先生と一緒に、地域の子どもたちのための教育事業を展開するようになり、生きがいもやりがいも感じています。
やりたいことが今見つかっていないなら、それはそれで良いと思います。「こういう人と話したら面白そうだからやってみる」位のシンプルな理由で良いので、早めに行動してみることをお勧めします。理由は後からついてくることもありますが、行動しないと結果は生まれませんし、自分にフィットしているかも分かりません。

―やりたいことの見つけ方
「やりたいこと(Will)」とは、「好きなこと(Passion:情熱)」と「得意なこと(Talent:才能)」の両方が一致したときに生まれるものだという考え方があります。ですが、「好きなこと」「得意なこと」「やりたいこと」を見つけるのはとても大変です。
それらは全て「やってみたいこと(Wish)」から始まると思っています。「やってみたいこと(Wish)」が「好きなこと(Passion)」であり「得意なこと(Talent)」でもあれば、それは「やりたいこと(Will)」になると思っています。だから「やってみたいこと(Wish)」をどんどんやっていかないと、情熱も才能も見いだせないと思います。
では、「やってみたいこと(Wish)」の見つけ方はというと、過去のやってみたかったことや実際にやってみたことを調べる、自己分析をするといった「自分から探すというアプローチ」と、「他人のやってみたいことを調べる」という他人から探す方法があります。


2、仕事や会社経営について

―会社経営で大事にしていること
起業家や会社経営の仕事は、お笑い芸人のようなものだと思っています。お笑い芸人の仕事は、お客さんを笑顔にしたり感動させたりすることだと捉えると、ある意味、商売の本質です。
また、お客様を笑顔にするためには、社員さんにも頑張ってもらわなければいけません。社員さんだって、どうせ働くなら面白い人と働きたいし、楽しいことや夢のあることをやりたいです。そういう考え方が特にこれからの時代において組織のリーダーにも求められるのではないかと思っています。

―「地方×DX」(ローカルDX)の難しさ
DXは会社をより強く良くしていくきっかけ、アクションだと思っています。
DXとはアプリやシステムを入れたら終わりではありません。会社をより強く、より良い状態に変えていくためには現状を否定しなくてはならない瞬間も出てきます。人間関係やお金等々、たくさんの生々しい問題と向き合っていく難しさがあります。

―DX事業をする理由
なぜこんなに大変なことをやっているのかというと、私自身が会社を立ち上げて経営した経験が大きいと感じています。
新しいことを始めることに慣れている会社は少ないと思います。現在は何か新しいことをしないと変われない、その中でITを活用しないといけない時代になってきています。この2つが重なってきたときに、「そもそも新しいことってどうやるのか。どう進めればいいのか。そこにITを活用するとしたらどうすればいいのか。どれくらいお金がかかるのか。どんな課題が出てきて、どう解決すればいいのか。それは自社で解決できるのか。」のように考えなければならない問題がたくさんあります。だから、新しいことに挑戦することへの忍耐力や柔軟性を持っている起業家には、DX事業は向いていると思います。
あとは、社員さんをはじめとしたパートナーの方々がいるからできるというのも勿論あります。
DX事業についての詳しいことはnoteに書いてあるので、そちらをご覧ください。https://note.com/plainnovation/n/n75f29a641253

―営業スタイルと今後の経営方針
プレイノベーションは仕事を得るための営業を積極的にはしてきませんでした。人づてで相談しに来てくれたり、いろいろなイベントに参加し話をさせて頂いたりする中で、仕事に繋がってきました。今は難しい状況ですが、コロナ以前は飲んだり食事をしたりする中で、仕事を頂くことも度々ありました。
一つ一つ丁寧に仕事に向き合いたいタイプなので、案件数や従業員を増やすということが今までは自分のスタイル的に合っていませんでした。また、郡山を中心とした地方のマーケットではサイズ的にフィットしないであろうという考えがあったのもあります。
最近、その考え方もいい意味で変わったというか、深まったことで、弊社自体もトランスフォーメーションしようと思っています。それを実現するために仲間を増やしていこうとしているところです。
プレイノベーション自体の改革プロジェクトや採用の詳細情報についてもnoteに書いてありますので、こちらを是非ご覧ください。
https://note.com/plainnovation/n/n6344c5601cc1


3、起業を考えている若者へのメッセージ

―超グローバルと超ローカルな時代へ
これからの時代は「超グローバルと超ローカルの時代」になっていくと考えます。GAFAのような世界でナンバーワンを目指す超グローバルな会社と、超ローカルな課題に全力で取り組む中小企業が生き残り、中途半端なサイズの会社は必要ない時代になっていくと思っています。
「超グローバル」な企業は世界中で求められる機能やサービスは作りますが、特定の地域のための機能は作りません。一方、「超ローカル」な企業は世界中のためではなく、地元の人のためのサービスを提供します。その両方が大事だと思います。グローバルとローカルの共存です。だからこそ、これからキャリアを選択するときに、グローバルで活躍したいならキャリアとして世界ナンバーワンを目指した方が良いと考えます。ローカルを選択するなら、ローカルでの価値づくりに向き合うことが重要だと思います。グローバルとローカルは二者択一とは限りません。むしろどちらの視点/視野/視座も持てることは重要だと思います。特にローカルをキャリアとして選択する場合は、グローバルの視点/視野/視座を持てると強いと思います。

―自分を表す「動詞」を考えること
これで最後になりますが、自分を表す「動詞」をぜひ考えてみてください。今まで自分がやってきたことや日々ついついしてしまうこと。私の場合だと、夢の中でも新しいビジネスのことを考えることです。これは能力ではなく個性です。この個性からは逃げられないし逃げたら不幸になると思っています。
だから「自分の強み」というのは、世界最強のスキルを持っていることではなく、自分がどうしても繰り返ししてしまうような行動であり、個性で良いと思っています。個性というのは自分を表す動詞のことです。学生の皆さんもぜひ自分がどうしても繰り返ししてしまうような行動、つまりは自分の動詞を考えてみて下さい。個性を活かした仕事に就いた方が自然で長続きすると思います。


終わりに
菅家さんへのインタビューを通して、私自身、中身のない無知な人間であることを痛感しました。そして、自分の考えを言語化することの大切さを学びました。まずは、自分のやりたいことを探しつつ、自分を表す動詞を考えることから始めようと思います。
菅家さん、お忙しい中インタビュー記事作成にご協力下さりありがとうございました!

インターン生 宇川賢人

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