【22】 創造的無意識の働き〜エネルギー、創造性、気づき〜
創造的無意識の働きのうち、「秩序の維持」「矛盾の解消」について見てきました。そして、前回はその背後にある認知的不協和のメカニズムについて解説しました。
今回は、創造的無意識の働きをまた別の側面から見ていきます。
創造的無意識は、リアリティや自己イメージより実際の世界の方が低いレベルにあるとき、実際の世界をリアリティに修正するために3つのものを放出します。
それが、エネルギー(energy)、創造性(creativity)、気づき(awareness)です。順番に見ていきましょう。
エネルギー
リアリティより実際の世界の方が低いレベルにあるとき、創造的無意識は、実際の世界をリアリティと一致させるエネルギーを放出します。
このエネルギーを感じている状態を、私たちは「モチベーションが高い」とか「やる気がある」と言っています。
認知的不協和のストレスや緊張は、エネルギーと言うこともできます。
一方で、リアリティと実際の世界が一致しているときは、その状態を維持する分だけのエネルギーしか生み出されません。
モチベーションを高めるには、現状のレベルよりも高いところにゴールを設定し、無意識のリアリティを「ゴールを達成した世界」に置き換えることが必要です。
創造性
創造的無意識は、創造性(creativity)を高めてくれます。
実際の世界をリアリティと一致させるために、いままでは思いつかなかったアイデアや問題解決の方法をひらめくようになります。
クリエイティブな人というのは、「こういうものがあるべきだ」というリアリティや「自分はこういう人だ」という自己イメージが現状よりもずっと高いレベルにあります。
そのリアリティや自己イメージに強い臨場感を感じているため、実際の世界をそのリアリティと合致させるためのアイデアや方法を、クリエイティブにひらめくのです。
気づき
さらに、創造的無意識は「気づき」を生み出します。
認識していなかったものに気づけるようになるということです。
実際の世界をリアリティに合わせるために必要な手段や人は、すでに身の回りにたくさんあります。
必要性がなかったときには、スコトマになって認識できなかっただけです。
実際の世界のレベルよりリアリティの方が高くなると、そのギャップを解消するために必要なものが目に入るようになります。
これは、必要性が生まれてスコトマが外れたからです。
より視点の高い、大きなゴールを設定することで、スコトマが外れ、気づける範囲は広くなります。
このように、リアリティが実際の世界より高いレベルにあるとき、創造的無意識は、まさに創造的な働きをします。
このメカニズムは常に働いているものです。
コーチングでは、現状を超えた高いゴールを設定し、そのゴールを達成した世界に臨場感を感じてリアリティにしてしまうことで、創造的無意識を意図的に働かせます。
そうすることで、モチベーションやクリエイティビティを自ら生み出していけるようになります。
スコトマについては、こちらの記事で解説しています。
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